サバイバル五日目(転生五日目)
川を見つけた。飲み水に出来るか不明。慎重に行こう。本当にあの女神が嘘を言っている可能性もある。罰といった。何かしら罠があるのかもしれない。さっきも熊の近くに転移?させられたからな。
男は、慎重に川を下った。川に着いたときは夜。腹の減り具合からかなりの時間が過ぎたことが分かる。
「そろそろ、寝るか」
木の上に登り、服の帯で幹に身体を縛りつける。
朝がやって来る。日が昇ると同時に男は目覚める。川を覗くと魚が泳いでいる。涎が出そうだった。川に入り捕ろうとするも徒労に終わる。勇気を持って水を飲むと、
「うめぇ、冷たくて火照った体に丁度いい」
その数時間後、男は森の中に駆け込むのだった。
男は、川に沿って歩く。夜になれば木に登り朝を待つ。それを熊に遭遇してから五日目。体力の限界である。そろそろ、たんぱく質などの栄養素が欲しい所である。木に登った時に、林檎に似た果物を食べて以来、口に含んだものは何もない。森の中に入ることを決断した。
なるべく川から離れず潜むように行動する。名前は、忘れたが黒くて他の石より脆いモノを見つけていた。それに、普通の石で小さなナイフの形にして、偶々拾った丁度いい木の枝に括りつけていた。原始的な槍である。服の紐で括りつけているので、前側の上半身が丸見えである。
蛇を見つけて、脳天へ一撃。蛇の身体は棒に巻き付き、やがて動かなくなった。
頭を切り落とし皮を剥ぐ。落とした時出た血は、水の代わりとして飲む。火が無いので、生で食す。
「まっず」
毒腺は、頭にあるので平気だが、火を通さないことは、二重の意味でまずい。味が悪いのと、感染症の温床になったり、不治の病にかかったりするからだ。だから、何でも肉には、熱を通して、殺菌殺虫するのがいい。
「これで、明日も頑張れる」