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【完結】その乙女は妃にと望まれる 〜じれじれ初恋と王座の精霊ファンタジー開幕!!〜  作者: 前田留依


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1-10 たくさんの中の、本当の好き

 びしょ濡れのレオンは口をむすっと曲げ、片手で髪を動かして雫を飛ばした。


「ちょっとレオン、なにがあったの?」

「告白されて、ふったら――じょうろの水をかけられた」

「美男子も大変だねぇ」


 エンツォが笑って、ポケットから取り出したハンカチを投げる。

 レオンはハンカチを受け止めて、綺麗な髪を拭き始めた。


 この頃のレオンは、身に纏っている雰囲気が違う。

 幼少時から美しかったが、青年になりつつあるの彼の気配は――夏の夕暮れの海のごとく輝いている。


「それよりさ」


 レオンの琥珀の瞳が、アーリアを捕らえた。


「これ、お前の所の借金の請求書」


 彼は分厚い手紙を郵便局の鞄から取り出す。


「え、え、嘘。銀行からのお金は全部返し終わったはず!」


 ばっとレオンの所に行って手紙をもぎ取り、


「愛しのイルマ・アウラーレ様へ。あなたの可愛い下僕ダニエレ……」


 早口で宛名と差出人を読んでから、アーリアはレオンの頭をパンっと叩いた。

 これは、イルマ宛のラブレターだ。


「また、だましたわね。レオンなんて、大っ嫌い!」

「俺はブスっ子のアーリアが大好きだけどね」


 レオンはにこっと微笑んで、エンツォにハンカチを投げ返す。

 エンツォがパチリと両手でハンカチを受け止めた。


「レオンの大好きなんて、安売りじゃないの。エンツォにも言っているし」

「エンツォのことも大好きだから」


 平然とレオンが言う。

 彼は仲間のみんなが大好きだ。

 アーリア、エンツォ、ダニエレ、イルマ。

 この四人に対しては大好きだの、愛しているだのと言いまくる。


(そりゃ、わたしもみんなが好きだけど。レオンは言い過ぎよ)


「……。なあ、ブスッ子、気をつけろ。警察が、宝石泥棒はアーリアだって疑っているって話を耳にしたぞ」

「はぁ? なんでわたしが宝石泥棒なのよ」

「この都で風のように建物に上ったり降りたり駆けていけるのって、お前だけだろ」

「レオンだってやろうと思えばできるでしょ」

「俺は最近やってない」

「――そうだったわね」

「だから、変な行動は取るな。特に天姫になったイルマに関して変な行動をするな」

「えーえー。じゃあ、仮面を付けて行列に混じったりしたらいけないのっ。天姫の休憩所で待ち伏せしたり、食事の時はこっそりとイルマの好物を持って行ったりしたいのに!」


 アーリアは大げさな身振り手振りでどんなに行きたいかを訴えかける。


「そうよ、なにより食事よ。イルマの胃袋が心配だわっ」

「世話焼きすぎだろ!」

「だって、イルマは大切な従姉妹で親友で家族だもの!」

「口答えするな、こっちは心配して言ってるんだろうが」

「……心配?」


 思わず聞き返すと、レオンは鼻で笑って見せた。


「いつも、いつも心配してやってるだろ?」

「鼻で笑った後に胸張って言われても説得力ないしっ」

「黙れ」


 レオンがむにゅっとアーリアの唇をつまみ、……幽かに息をのんだ。

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