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23 DAY1エコー攻略戦


 弾着観測。

 味方火砲による砲撃が弾着した位置が目標からどれだけずれていたのか、砲撃によりどのような効力を上げたのかの成果を航空機が観測、報告。

 砲手がその情報を元に砲撃地点を修正することで、命中精度の上昇、砲撃効果の上昇を目的としている。


「つまり、私はフランの魔法攻撃の弾着地点と成果を伝えればいいのね?」

《そう! 私は山の上から魔法を撃つから、おねがい》


 一度ブラボーまで行きMPを回復させたアスカは戦場であるエコーの上空に戻ってきていた。

 地上のランナー達は起伏の激しい中央の小山と森を避け、島の外周を回り込んで東西から挟み込む形で拠点エコーへ攻め込んでいる。


 拠点エコーのポータル周辺は開けた平地であり、戦闘が行えるだけの広さはある。

 だが、島の両側からと言う読みやすい進攻ルート故モンスター達が防衛しやすく、防御力の高いオーク相手に苦戦しているのが現状だ。


 島の中央、小山が連なった山岳部からも攻撃しようと思えば可能。

 しかし、山岳部は深い森であり、十分な索敵が出来ないと敵モンスターと不意遭遇戦になってしまう。


 島の北部、上陸地点ブラボー付近であれば現れるのはゴブリン程度で問題はなかった。

 が、島の南部ではオークが出張り、遭遇した瞬間山の木々をなぎ倒しながら突進してきたのだ。


 イベント序盤からそんな危険な橋は渡れないと、比較的開けている島の外周に沿って進んだランナー達。

 ところが、危険を避けたその先に待ち受けていたのは、外周を抑えるように防御陣地を構築したオークとホブゴブリンの集団だった。


 ここにきて外周の防御地点に誘導された事に気付いたランナー達だったが、今さら迂回するわけにもゆかず構築された防御陣地へ向けての攻撃を余儀なくされる。

 その結果が現在の膠着状況だ。


 打開するために弾着観測魔法攻撃で活路を開くのには異論がないが、問題もある。


「でも、距離なんて私測れないよ?」


 そう、アスカは専門的な訓練などした事もないごく平凡な女子高生なのだ。

 目算での測量はおろか、たとえ専用器具があったとしても扱い方が分からず弾着観測など出来ないだろう。

 ところが。


『グリッド線が表示可能です。表示しますか?』

「そんなこともできるの!?」

『センサーブレードの機能の一つです』

「ロビンさん……!」


 アイビスが放つ、とんでもない一言。

 ロビンはまさかこうなることが分かっていたというのか?

 疑問は尽きないが、あるというのなら有効活用させてもらいます。とアイビスに頼み地上にグリッド線が表示させる。

 線の間隔もアスカがぱっと見でもわかりやすいよう数メートルおきに調整し方角が分かるよう東西南北も表示。

 これならば専門知識がないアスカでも問題なく弾着観測が行える。


 これで観測できる! と気を吐いた時。

 無線から聞き覚えのある声が聞こえてきた


《アスカのおかげで山に潜んでいるオークたちの位置も掴めた。砲撃ポイントまでは俺たちがエスコートする》

「アルバ!」

《お姫様の護衛は任せろ》

《位置につくまでアスカは周囲の索敵と、援護をお願い》

「任せて!」


 マップを見れば、フランを護衛してるのはアルバの他にもう三人。

 すでに山中に入り、エコーを砲撃するための砲撃ポイントへ向け移動していた。


 彼女たちはアスカの観測データをもとに、森の中に潜む敵を避けながら進み、どうしても避けられない敵は先制攻撃をしかけて確実に落としている。


 アスカもフランたちに近付いて行く敵へ向け上空から牽制射撃。

 注意をこちらへ向けさせ、動きを止める。


《よし、砲撃ポイントに着いたぞ》

《アスカ、ターゲットマークお願い!》


 そうしてフランたちがたどり着いたのは島の西側の山岳、そのうちの一つの山の頂上だ。


「私が出していいの?」

《こっちからだと森の木々が邪魔してよく見えん。頼む》

「了解!」

『敵の後衛を叩くのが効果的です』

「おっけー」


 アイビスのアドバイスに従い、前線ではなくその後方。

 スペルキャスターやガンナーがいる地点を指定し、マップに表記、フランに伝える。


 同時に地上の味方に通知を行い、砲撃に備えさせる。


《いくよ、【ボルカニックバレット】!》


 無線からフランの声が聞こえると同時に、彼女がいる周囲が赤く光り、空中に五つの魔法陣が出現する。

 魔法陣が燃えるような激しい赤に染まると、爆音と共に火球が空へ向かって撃ち出された。


 火球は綺麗な放物線を描き、アスカが指定したポイントに弾着、爆発し、周囲を炎で包み込む。


「弾着確認! 直撃〇、至近弾三。北に十五メートルずれた!」

《おっけー、どんどん行くよ!》


 同じ地点へ向け、続けざまに第二射、三射と撃ち込む。

 そのたびにアスカが修正を入れることでフランの砲撃精度が増し、モンスター達が作った陣地を綺麗に耕し、更地に変える。


「敵、沈黙!」

《次行ってみよう!》

「フラン、MPは大丈夫なの?」

《こんなこともあろうかとMPポーションの準備はバッチリ! まだまだいけるよ》


 フランの放つボルカニックバレットは火山の噴火のように火球を天高く打ち出し、弾着の大爆発により周囲に甚大な被害を与える広範囲殲滅型の攻撃魔法だ。

 ほぼ真上に打ち出され、綺麗な放物線を描くその弾道は弾着までに時間がかかるのだが、今回に至っては敵が陣地に籠っているため問題にならない。


 アスカはフレンドリーファイアを回避するため両軍入り乱れる前線ではなく、後衛や前線に赴こうとする敵戦力へ向け砲撃要請を出し、敵に壊滅的な打撃を与えて行く。


《西側に陣取っていたオーク群を排除! いけるぞ》

《ダメージが大きい奴は下がれ。メディックに回復してもらうんだ》

《トランスポーター! 弾薬をくれ!》

《弾着観測による殲滅型魔法攻撃か。すげぇ威力だな》


 後方が致命的な損害を受けたことで、モンスター達の防衛線は崩壊し始める。


 もともとモンスター達はエコーの拠点ポータルを中心に円形の防衛線を構築し、よりポータルに近い場所に後衛のモンスターが布陣していた。

 だが、その後方に爆撃を受けたことで前線のモンスター達が浮足立ったのだ。

 お互いの前衛と後衛の戦力バランスで拮抗していた戦況は一気にランナー側に傾き始める。


 西側の雲行きが怪しいと、東側に居たモンスター達が救援に動くが、前線にたどり着くより先にフランの魔法攻撃の射程に入る。

 無論、アスカはそれを逃さない。

 

「反対側から敵の援軍を確認! ターゲットマーク出すよ!」

《オッケー、ボルカニックバレットォ!》

「直撃ゼロ、至近弾一! 東に一〇メートル外れた! 敵、なおも西へ向け移動中!」

《修正完了! 第二射、いっくよー!》

「直撃二、至近弾二!」


 フランから放たれた火球がサイレンのような風切り音を轟かせながら、アスカが指定した敵援軍に直撃する。

 周囲に爆音と粉塵をまき散らし、オークの兵士たちを光の粒子に変えて行く。


 本来ならばこちらの砲撃手や観測手をつぶしに来るのがセオリーなのだが、モンスターのAIではそこまでは考えがいたらないらしく、殲滅されるたびに東側から次々と援軍を送ってくる。

 だが、その援軍が西側の前線にたどり着ける数ははごくわずか。

 たとえたどり着けたとしても半死半生であり、瀕死に近いそのHPは前線で戦うランナー達のキルポイントに変換されていった。


 援軍を送るたびに東側のモンスターの数も減って行き、次第にランナー達が押し込み始める。

 しかし、モンスター達の抵抗も依然激しく、一気に崩すまでには至らない。


《アスカ、敵はあとどのくらいだ?》

「まだかなりいるよ。後衛の数は減って来たけど、前線のオークやオーガの抵抗が激しくって」

《アルバ、囲まれました。敵が来ます》

《なに?》

《私、砲撃中で動けないよ!?》

《防衛する。任せろ》


 通信から聞こえてくる、アルバ、フランら砲撃隊の状況。

 どうやら派手にやりすぎたらしく、周囲のモンスター達に察知され包囲襲撃されようとしていた。


「アルバ、フラン、大丈夫?」

《来たぜぇ、オーク三、ホブゴブリン四!》

《俺が受け止める。ファルク、フランの護衛を。ホーク、キスカ、この場所を死守するぞ》


 切迫する状況の中、通信から聞こえてくるのは激しい戦闘の音。

 マップで確認すれば、アルバ達は今戦っているモンスター以外にも複数の敵に囲まれており、窮地に立たされていた。


「アルバ、そのままじゃやられちゃう! 私も援護に……」

《駄目だ、アスカは観測に徹しろ。こっちは俺たちだけで防ぐ!》

《リキャスト、終わったよ!》

《周辺の敵にかまうな!撃て!》

《アスカ、ターゲット!》

「あ、うん! ターゲット……マーク!」

《いっけえぇぇ、【ボルカニックバレット】!》

「直撃ゼロ! 至近弾三! 東に二〇メートル外れた! 敵、なおも健在!」

《外れたぁ!》

《次弾、いそげ!》


 アルバ達は友軍支援を優先し、フランに広範囲殲滅魔法による砲撃を続行させる。

 しかし、その砲撃により周囲からはさらにモンスター達が集まりアルバ達の退路を完全にふさぐ。


 アスカの装備ではこのモンスター群を排除することは不可能だ。

 ピエリス、グレネード、エルジアエ連射、そのいずれも射程が届かず、唯一届くエルジアエの単発もアルバと近接戦闘を行っている敵だけをピンポイントで狙撃するのは難しい。


「持ちこたえて……!」


 支援も援護も出来ない歯がゆさに耐えながら、アスカは彼らの無事を祈りつつ、新たなターゲットをフランに示すのだった。



―――――――――――――――――――――――


「グオオォォォ!」

「うらああぁぁぁ!」


 まるで大型トラックが正面衝突したかのような衝撃音を響かせ、アルバとオークが激突する。

 オークは体格と突撃力に物を言わせたショルダータックル、対するアルバは大盾を前面に押し出し、スラスターで勢いを付けたシールドバッシュ。

 お互いにアーツなどの技ではなく、何の補正も入っていない、力と力のぶつかり合い。


「猪風情が! 突破できると思うなよ!」


 そのまま力比べかと思いきや、アルバは急に力を抜いて後ろへと飛ぶ。

 アルバの咄嗟のアクションに力任せで押し切ろうとしていたオークは態勢を大きく崩され、前のめりになって転倒する。


 無防備となったオークへ向け、アルバは右手に構えたバズーカを至近距離で撃ち放つ。

 その威力はすさまじく、着弾と同時に周囲に爆風と爆音が響き、転倒していたオークを大きく吹き飛ばす。


「ホーク、そっちは大丈夫か!?」

「ちょっときついけど……っらぁ!」


 ホークはアルバ、ファルクらと同じ小隊のランナーで、装備はストライカーアーマー。

 左右の手に剣を持った二刀流であり、その真髄は息をもつかせぬ連続攻撃。

 二刀以外の装備を身に付けず、移動力と機動性に特化させたアーマーで一気にホブゴブリンの間合いに踏み込み、切り刻んでゆく。


 しかし、いくら二刀流とは言え、対処できるのは敵一体まで。

 ホークと対峙している一体を囮にし、他のホブゴブリン達がホークの死角から詰め寄って行く。


 ホブゴブリンの持つロングソードがホークを捉えようとしたその時。

 轟音があたりに響き、ホブゴブリンが光の粒子になって消滅した。


「キスカ!」

「もう、接近戦は苦手だって言ったのに!」


 キスカと呼ばれたのはスナイパーアーマーを装備した女性ランナーだ。

 女性には不釣り合いなほどに大きな銃を構え、不満を隠そうともせず不貞腐れている。


「こんな、近距離で、対物ライフルなんてっ」


 キスカはジャコン、と対物ライフルのボルトを引き次弾を装填。

 今度はアルバへ向け突進を繰り出しているオークの頭部へ狙いを定め、トリガーを引く。


 オークは兜をかぶっており、半端な貫通力ではヘッドショットすることが出来ない。

 だが、これだけの至近距離で、火力も貫通力も持ち合わせている対物ライフルの前でオークの兜などあってないようなもの。


 オークの頭部から兜が弾け飛ぶのと共に派手な被弾エフェクトが舞い散り、そのまま光の粒子になって消滅する。


「御見事!」

「そんなこと言ってる暇があったらっ、次っ! どんどん来てる!」

「三時方向、アサルトライフル持ちのホブゴブリンです。アルバが盾になり、ホークが仕留めてください!」

「おう!」

「任せろ!」


 この小隊のリーダーであるファルクは、フランの護衛に回るとともに、他三人への指示と、回復を受け持つ。

 メディックアーマーほどの回復量は見込めないが、あるのとないのとでは大きく違う。

 この回復があるからこそ、アルバも退避ではなくフランによる砲撃続行を選択したのだ。


 圧倒的不利にもかかわらず、四人は奮戦し、フランを守る。

 アルバの小隊は四人全員がβテスターであり、他のゲームでも好成績を収める猛者達だ。


 だが包囲され、固定砲台となっているフランを守りながらの戦闘は厳しく、次第に押し込まれてゆく。


「ファルク、私、もう弾が……」

「くそ、もうMPが限界だ……これっぽっちも残ってねぇ」

「バズーカの残弾……一か」

「皆、よく持ちこたえてくれました。もう十分でしょう」


 周囲から爆音と叫び声がこだまする中、いったいどれだけの間ここを死守したのか。

 そんな時間感覚も失ってしまうほどに彼らは満身創痍となっていた。


「フラン……」

「私もMP切れ……もうポーション残ってないや……」


 アルバ達の護衛の甲斐もあり、フランはここまで無傷で来れた。

 だが、それもここまで。


 彼らの周囲は未だ血気盛んなモンスター達で埋め尽くされており、何時飛び掛かってきてもおかしくない状況だった。


「アスカ、敵陣の方はどうなった?」

《…………》

「アスカ?」


 やられる前にせめて状況だけでも知っておこうとアスカに呼びかけるが、反応がない。


「……アスカ?」


 ゲーム故に回線不良と言うのはありえない。

 返事が返ってこないことを不思議に思い、首を傾げていると、上空から接近してくる機械的な音が聞こえてきた。


「なんだ?」

「この音……」

「アスカだ! アスカのエンジンの音だ!」

《アルバ、フラン、今助けるよ!》


 アスカのその声が聞こえるのとほぼ同時に、目の前のモンスター達に銃弾の雨が降り注ぎ、爆発音とともに周囲が深い煙に覆われた。



久しぶりの用語解説

弾着観測

 基本的には本文通り。

 航空機が出始めた頃はペイロード(火器搭載能力)が著しく低く飛ぶことしか出来なかったためこういった観測、偵察目的に多用された。

 ゲーム内では射程が縮められている為目視でもある程度いける(ただし、弾道予測線はない)が、リアルだと野戦砲の射程が数十キロに及ぶため観測射撃が必須となる。

 例として、

 戦艦大和の46センチ砲で最大射程42キロ。

 自衛隊の15.5センチ砲で最大射程約30キロ。

 さすがにここまで来ると射撃地点からの観測は難しく、現地に観測用の人員を送り込むかアスカの様に空から観測してもらう形になる。

 現代では観測機の他無人機、はては衛星からの観測もあるという。

 某お船のゲームでの「弾着点観測射撃」が有名。

 弾着と着弾の引用については間違える人が数多いと思われる(私もそうでした)が、本作では『弾着』で統一しています。


グリッド線

 地図上に等間隔で引かれた格子状の線。

 等間隔の線の為線で作られた格子は正方形になることが多い。

 地形を無視したものと地形に対応したものがあり、どちらも上から見れば格子、メッシュ状だが地形に対応したものは角度を付けて見ると地形に沿って歪にゆがむ。

 映画やゲームのブリーフィングシーンでよく見かける。

 高低差を表す等高線とは違うのでご注意を。

 グーグルマップでは出ないが、グーグルアースや地理院地図であればグリッド表示が可能。


第20話 DAY1出撃 のアスカ発艦シーンが漫画になりました!

https://mobile.twitter.com/fio_alnado/status/1346294548423610368

迫力満点のカタパルト発艦、ぜひご覧ください!

あわせてリツイート、いいね、フォローなど貰えますと作者が嬉しさのあまり種子島宇宙センターから打ち上げられます。


たくさんの感想、評価、ブックマーク、誤字脱字報告本当にありがとうございます!

この辺りからポツポツ地上視点の話が入ってきますので、よろしくお願いいたします。


一昨日に引き続き昨日もたくさんの感想をいただけ、作者冥利に尽きます。

本当にありがとうございます。

結構鋭い質問などもあり、ニヤ付きながら感想返しを行ってます。


さて、窮地に陥ったアルバとフラン達ですが、この包囲を突破できるのか?

待て、次回。

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― 新着の感想 ―
[一言] 零式水上偵察機はいいぞぉ
[良い点] 個人的にこういう作品は好きです。 毎回楽しくよんでます。 [気になる点] 他のエクゾアーマーはともかく、フライトアーマーは改造前提でバランスとりがされているんでしょうね。 翼面積をあげる…
[良い点] 感想書こうかなどうしようかなって迷ってたけど初感想。 楽しそうに我が道を突っ走ってる女の子ってほんとすき [一言] (前話の広域探知を見る) (今話の弾着観測射撃を見る) うんえい「うわ…
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