4.わたし逢坂ひかり、奴隷契約実行します
説明的なセリフ多くて読みにくいかも、です。
修正多くて話のつながりが「ん?」というところあったらごめんなさい。
黄金奴隷3人と公爵奴隷嬢1人が私を巡って対立している。
ん?奴隷って人数制限あるの?みんな契約すればよくね?
「あの〜。4人共契約すればいいんじゃないかな〜と思うんですが・・・」
公爵奴隷嬢のゴリーナが頭を押さえる。
「ご主人様力というのは奴隷たちの力量全てを上回ってこそ契約が成立するのです。正直貴方様では私含めて3人までが限界でしょう。」
「つまり3人まではOKで4人は無理っていうこと?もし4人目も契約しようとするとどうなるの?」
「基本ご主人様が命を落とし最後に契約する奴隷は契約失敗でそのままです。ご主人様へのデメリットが大きいので普通はそんな無茶はしませんね。」
もし失敗したら死ぬのは私だけか。
私は少し考えた。
「少し時間もらえるかな?ちょっとお医者さんのところに行きたいんだけど・・・」
「それならば俺が診ましょう。これでも魔術医師ですので。」
ミヴァやっぱりそっち系か。秘孔は突かれたくない。
「んんん。言いにくいんだけどお腹の中に子供いるのかどうか調べてもらいたくて・・・」
「ならばこの街に俺の姉がいますので姉を紹介しましょう。」
よかった。怪しい男に体を預けるのは嫌だ。
できれば女のお医者さんがいい。
「野良ご主人様、まずその薄汚い顔をどうにかしてくださいませんか?私達のご主人様になろうお方がそのような姿では恥ずかしくてたまりません。」
ゴリーナの失礼な言い方に気分が悪くなったが実際顔もロクに洗っていないので薄汚いのは自覚ある。
ゴリーナに大衆浴場を教えてもらい行ってみた。
異世界のお風呂がどんなものか期待したけど子供の頃行った銭湯とあまり変わらなかったよ、これも異世界人の作ったものかな?
大衆浴場で身奇麗にしてからミヴァの姉が開業している診療所に到着した。
ミヴァの姉は私と同年代ぐらいの黒髪美人だった。
さすが異世界、美人や美少女が多い。
「中には誰もいませんよ?」
「私のお腹をさすって調べていたミヴァの姉シヴァが言う。
「あーやっぱり転生の時に消えちゃったか・・・」
「ただ出産した跡はありますね。」
「え?私まだ出産経験ないですよ?」
「でしょうね。胎児の状態で出産してから特別な力で成長させたようです。」
不思議なことを言う。私には何が何やら。
「これは神の使い、あるいは神の仕業ですね。」
「え?神?神様が何でそんなことを?」
全くもってわからない。
「直接聞かなければわかりませんが神は貴方のお腹の子を欲していたようですね。」
あーそれで私というガワというか卵の殻というかいらない部分を捨てたわけか。
「今は神も肉体を得て地上に降りているので会いに行ってはいかがですか?」
話によると4大奴隷都市のちょうど中央に奴隷王都というところがありその城に神が客人として暮らしているということだ。
「でもお城に行っても入れないんじゃ・・・」
私の弟達も貴族の出なので簡単に入れますよ?」
あいつら貴族だったのかあの見た目で!
「ただゴリーナ様はお城へは行きたくないかもしれませんね・・・」
何かわけありだろうから聞かないようにしておこう。
「理由を聞かれないのですか?」
「本人が聞かれたくないことなら聞かなくてもいいじゃないですか。」
私はシヴァさんと別れ4人の元へと向かう。
しまった、産後処置のこと聞くの忘れた。でもまあいいか。
診療所の前の広場で4人が待っていた。
「・・・とうでしたか?」
ゴリーナが心配そうに聞く。
「神様が取り上げてたっぽい。」
ゴリーナがなにやら微妙な顔をする。
「さて、誰を選ぶかなんだけど・・・ゴリーナちゃんは、ごめん。」
「え・・・」
もし城に行くのならゴリーナは連れていけなさそうなので諦めてもらおう。
するとゴリーナはハの字眉でポロポロと泣き出した。泣かせてしまって悪いんだけどとても可愛く泣く。
「ご主人様、契約は私が外れます。」
フドーノが外れると言い出した。
他の二人が静止するけどフドーノは首を横に振った。
「そっか、じゃあゴリーナちゃんから契約するから奴隷契約の方法教えてもらえるかな?」
ゴリーナに笑顔が戻る。
契約はご主人様が奴隷の右手の甲に手を乗せて契約したいと念じるだけという簡単なものだった。
未契約の奴隷なら了承なしに奴隷契約もできるらしい。
奴隷だから仕方ないとはいえ人権侵害も甚だしいと私は憤ったがこの世界の奴隷にとってはそれが誇りだそうだ。
理解しがたいけど文化の違いってそういうものだからしょうがない。
まずはゴリーナから契約だ。
「そう、手を添えて念じてください」
うっ、何か力抜ける・・・。
「奴隷契約は奴隷をコップに例えるとご主人様力は水にあたります。つまり奴隷という器をご主人様力で満たすことで奴隷契約が完了するのです。」
あーやっぱりそんな感じか、だいたいわかった。
続いてモヒカン、ミヴァの順に契約する。
フドーノはそれをにこやかに、そして寂しそうに見る。
「ありがとうフドーノ君、君のおかげで無事みんなとの契約済んだよ。」
私は彼の手を握った。
「いえいえ・・・ちょっとご主人様何をしているんですか!!」
フドーノは驚いた。そうだろう。
私は今不意打ちでフドーノと契約しようとしているのだ。
このまま成人の日を迎えれば彼は死ぬ。
それでは私の気分が悪いのだ。
「死ぬ気ですのご主人様!?おやめになってください!!」
ゴリーナが叫ぶ。でも私はやめない。
「ゴリーナちゃんみんな、最初の命令。止めないで。」
みんな何も言えなくなった。さてもし死んだらみんなのことどうしよう。
そうだ。
「みんな、もし私が死んだら神様に私の子供のこと聞いて。もし生きてたら私の子供に仕えて。」
私は笑顔で言った。
「それはいけませんご主人様!私を見捨てて契約を放棄してください!」
契約途中のフドーノにはまだ私の命令は効きにくいようだ。
でも時間の問題。私の意識が遠のいていく。
生まれる前からロクな人生じゃなかった。
DV家庭で育って彼氏もできないのにセクハラ野郎や痴漢にロックオンされて社会に出ればブラック企業でパワハラモラハラの嵐。
給料は実家にほとんど入れて私は少しの小遣い程度。
気付けば自分のために生きる方法なんて何もなかった。
いつ死んでもいいけどわけのわからない殺され方するのだけは嫌。
ただそれだけで生きてきて何度今まで生きてきて損したと思ったことか。
恋人できて身籠って幸せになれるかもと思ったら死んで・・・私の人生本当にクソすぎる。
今は今で状況がほぼわからないまま奴隷たちの命背負って契約してるし。
あーでももういいや別に死んでも。
幸せになれる人間だけが生き残ればいいんだ。
私みたいな幸せになる方法もわからなければ幸せになれそうなチャンスを何度も何度も無茶苦茶にされてきた奴は楽に死ねるほうがよっぽど幸せだ。
遠のく意識の中で私と契約した奴隷たちが泣いている。
私なんかのために泣いてくれるんだ。みんな優しいなぁ。
フドーノとの契約も無事終わった。
みんな死ななくてよかったね。
でもごめん、私はもう死んでもいいんだよ。
説明多いうえに共感できない系の主人公というのが露呈した回です。
次回はゴリーナ視点ですが話ほとんど進みません。