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( 眠いなぁ......... あふぅ~ ) 


その日は、あち子は朝から眠かった。


前の日に、お気に入りの漫画の新刊が発売されて、学校の帰りに本屋さんによって買ってしまった。

その新刊は、おもしろくてすぐ読んでしまった。その漫画は、もう38巻まで出ているが、

ついつい一巻目からまた読み返してしまったのだ。

お風呂に入ってからなので、両親には気づかれなかったが。

気が付けば、夜の3時過ぎ。

目覚まし時計で、起きたのが6時だから、朝からねむくてねむくて、しかたがない。


ぽちが起こそうと思ってくれたのか、息苦しくて目を開けたら、顔の上にのっていて、飛び上がって起きた。

ちなみにぽちは、犬のころと変わらず早寝早起きだ。


ぼ~とした顔で、キッチンに行くと母の美佐子が


「昨日どうせ遅くまで起きていたんでしょ。だめよ早く寝なくちゃ。」


おこごとをもらいながらも、あち子は、ぼ~っとした顔で朝食をとるのだった。


*****


その日は、お天気が良かったので、ぽちとともに自転車で学校に行った。

朝の、さわやかな風に吹かれたにもかかわらず、眠気は収まらず頭がぼーとしていた。

教室に入ると、


「おはよう~。なんか眠そう。大丈夫?」


あち子の顔を見た紗枝が、心配そうに声をかけてくれた。

他の子たちも口々に言ってくれたが、あち子が昨日の漫画のことを話すと、それはすごいね~と反対に感心されてしまった。

漫画を読みたいという子もいて、その漫画で盛り上がっている間に、一時間目の授業がはじまった。


午前中はよかったのだが、お昼を食べた後の5時間目の授業で、あち子はついやらかしてしまった。


居眠りしてしまったのだ。

机の前では、ぽちがいつものようにぐでんとねむっている。

あち子も、それに誘われるかのように、眠くなってしまった。

ちなみに、5時間目の授業は古典。

先生が音読していたが、それがいい感じにBGMになり、あち子は眠りの世界に、引き込まれていってしまった。

ただその先生は、ちょうど担任の先生で、生徒のい眠りは許さない!と公言している先生だったのである。

もちろん先生が、あち子の居眠りを見逃すはずがない。


「鈴井!この訳をいってみろ!」


先生が、あち子の名前を言っても、あち子は夢の中。

後ろの席の子や隣の席の子やらが、あわててあち子に声をかける。

あち子がぼ~と前を見ると、先生がなんだか怒っているような顔つきをしていた。


「鈴井!なんだ答えられないのか。」


あち子は、そこで今の状況を理解してぶるっとふるえた。


するとぐでんとしていたぽちまでが、びっくりしたかのように、ふんわりと浮かび上がった。

そして先生のほうに、ゆらゆらと飛んで行ったのだ。


それからあの事件が起きた。


ぽちが、ぐるぐる先生の周りを飛んで、先生の具合が悪くなって。

気が付けば、ぽちはあち子のもとに戻ってきていて、机の上にぐでんとしていたのだった。

先生はぽちのせい?で具合は悪くなるし、どうしようと思っていたら、どこからか視線を感じた。


え~!と思い見渡すと、坂村がみていた。

目が合ったのではなく、どうみてもぽちを凝視している。

しかもなんだか顔色が悪い気がする。

あち子は、あわてて周囲を見渡してみたが、坂村が凝視していることに、気づいている生徒はいないようだった。


見えてるの~?


はじめは、どうしようかとおろおろしてしまった。


しかしまああち子を見ているわけではなく、机の上のぽちだからいいかと思いはじめたころ、なぜかぽちがふわふわと浮かび、今度はどうみても坂村がいる方向に飛んで行ってしまった。


え~。待ってよ~。


心の中で叫んでいたら、坂村はあわてて手を振り回し始めた。


坂村の謎の行動に、みんながびっくりして、今度は坂村にみんなの視線が集まってしまった。


ぽよよ~~~~~~~~~ん。


ちょうど坂村の振り回した手に、ぽちが当たって、ぽちが廊下にとんて行ってしまった。


驚いた坂村の目と、あち子の視線が合った。







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