50 二回目の始まり
………………どこだ、ここ?
俺は再び生成された世界を見渡していた。
虚空に浮かぶ扉、果てまで続く暗闇の星………………
後戸の国か……………
俺はそう言ったように思えた。
どうやら、喋れないようだ。
前もこうだった覚えがある。
「ごほっ!」
俺は無理矢理喋られるようにした。
ただ単純に、能力を使っただけ……………
「待て、今の俺は能力が使えるのか?」
そうなのであれば、本当に運命を変えられるかもしれない。
俺は掌に弾幕を生成した。
「身体能力は落ちてるな……………」
「どういうことだ?」
ここで、俺はズボンのポケットに紙が挟まっている事に気づいた。
確か、こんなものはなかった筈だ。
『辰へ
この世界は二周目の世界です。
あなたの身体能力はリセットされます。
しかし、魂に刻み込まれた能力、システムと深く関わっている能力はリセットされていません。
今のあなたの力の大半はシステムに頼ったもの。
システムに頼らない、自らの力そのものを見付けなさい。
first skill:complete
second skill:NO USE』
手紙か。
どうやら、シオンからだったようだ。
システムに頼らない力、コマンドに頼らない力だ。
権限的にはフォールンは5。
今の俺と同じではあるが、何かしらの力によってフォールンが優先されて能力を行使している。
システム内において、能力の優先行使権限はとても有利だ。
相手よりも先に能力を発動できる、それだけで勝敗は決まってしまう。
「……………行くか」
俺は進もうとして、首に掛かっている物を見つけた。
「時計、か」
内側が開けるようになっているようだ。
内側には、「私からのプレゼントですよ」という文と共に、文が添えられている。
Don't forget.
Remember.
Memory is there.
記憶はそこにある、か。
俺は時計の蓋に彫られた文字を見た。
そして、時計を見る。
普通の時計ではない。
本来、12と書かれている筈の場所には無限大のマークが描かれている。
そして、分針は二分目を指している。
秒針は動いていない。
時針はどうやら逆向きに動いているようだ。
そして、内側には、「The end timer」と彫り込まれている。
終末時計。
分針は世界をやり直した数を表し、時針は終末までのカウントダウンだろう。
これが、これからの俺の行動を決める時計になるだろう。
まったく、便利なものを寄越してくれたものだ。
これで全部やり直せる。




