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東方亜幻空 ~Fantasia of another sky  作者: とも
三章 「浄化異変」ACT3
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44 核

 「終わらせます。あなたがたには、この先に進んでも意味はない」

 「あるかどうかは俺達が決める!」


 俺の結界を打ち砕き続けるシオンの杖。

 どうにかして、あの杖を防ぐことができれば、こちらに攻撃のチャンスがある。

 パキン、パキンとガラスの割れるような音が響く。

 俺の張った結界は今も割れ続けている。

 一瞬でいい。

 隙があれば、シオンを攻撃できる。

 チャンスは一度きり。

 失敗すれば、もう隙は見せてくれないだろう。


 「オラァ!」


 俺は気合いと共に衝撃波を放つ。

 しかし、読まれていたかのように回避されてしまう。


 「あなた方と私は構造が違います。反応速度の違いは大きいですよ」


 反応速度を補う方法はない。

 神はシステムのデータを見て動く。

 システムのデータを直接見ているのだから、その行動に隙も遅延もない。


 「反応速度の違いがあってなお、私の攻撃を防ぎ続ける」

 「しかし、防御だけでは勝てませんよ?」


 そう言ったシオンの背後から霊夢と摩多羅が攻撃する。

 しかし、あちらも結界で守られている。

 まともに攻撃が効かない。

 一瞬の隙を付いて、核を破壊できれば。

 それだけで、シオンは攻撃能力を失うはずだ。

 しかし、その隙は一向に現れない。

 全方位の結界に加え、神としての強烈な身体能力。

 そして、未だに発動されないシオンの能力。

 それが俺の敗北の可能性を強めている。

 どうにかできないのか!?


 「やはり、無理ですね」


 シオンが呟く。

 そういえば、シオンの能力は"原子"。

 原子と言えば…………!


 「何をするつもりですか?」


 俺は能力を行使した。

 シオンを壁の中に閉じ込め、内部に原子を集合させる。

 唯一俺が持つ最強の物理的攻撃。

 原子の衝突による、核融合。

 そして、核爆発だ。


 「そんな、バカな!」


 流石のシオンも驚いている。

 核爆発であれば、シオンも無傷ではいられまい。

 シオンを閉じ込めた障壁が防護壁の役割を果たし、俺達を核融合の熱線や放射能から守ってくれている。


 「くっ!」


 俺は核融合が終わった瞬間、それに手を伸ばした。

 能力を発動させた右腕。

 この腕で、シオンの核を破壊する。

 肉体の核を破壊できれば、いくら神でも精神状態となって行動不能になるはずだ。俺の推測が正しければ、このまま進めばシオンの核に辿り着ける。


 「よし!」


 シオンの肉体を貫通して手が入った。

 そして、シオンの体の中心にあったコアに触れるや否や、俺は能力を発動させた。


 「まさか、コアを破壊できるとは!」


 もうシオンの戦闘能力は失われた。

 これで、俺達はシオンに勝ったことになる。

 肉体を失った神は俺たちへの物理的接触が不可能になる。

 そうなれば、簡単には俺達を止めることは出来なくなる。


 「完敗ですね。私はもう降参しましょう」


 シオンは体を再構成してしまったようだ。

 もしこれで再び戦う事になっていれば、今度こそ負けていたが、もうシオンは諦めている。

 これで、俺達を阻むものは無くなったわけだ。

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