38 帰還
「……………やったか」
「はい、無事に彼女たちはコアを破壊しました」
俺は喜んでいた。
やっと、混沌のコアを破壊することが出来たのだ。
あれから約2日、俺も戦いに備えて修練を積んでいた。
シオン曰く、俺の権限レベルは4。
今の霊夢と同じ権限らしい。
「どうします? 戻りたいですか?」
「ああ、そうだな…………… 転移しよう」
俺は真っ直ぐに転移魔方陣へと向かった。
この中に入れば、俺は霊夢達の元へ戻る。
この転移は転移目標を霊夢にセットしてあるからだ。
「ありがとな、訓練させてくれて」
「良いんですよ。貴方は大切な方ですから」
その後、シオンは「別にあなたが好きな訳じゃ無いですよ。私にはもう恋人が居ますから」と付け加えた。
「さあ、行ってくる」
「ええ、行ってくると良いでしょう。あちらに着いたら、真っ先に転移が出来る場所に行きなさい」
「これが転移世界のコード。これで創造神様の元へ行けます。あなたなら創造神様も気に入ってくれる筈よ」
「後、こっちはあなたが倒すべき敵がいる世界に通じるコード。これを使えば、貴方達は最後の敵に挑むことになる」
俺は話を聞き流しながら、二枚のカードを受け取った。
これが世界へ通じるコード。
これで、俺達は最後の敵と戦う事になる。
「じゃあな」
「ええ、さようなら」
シオンはそう言って手を振りながら見送ってくれた。
俺は背を向けると、転移魔方陣へと飛び込んだ。
「………………行ってしまいましたか。私はもうお役御免ですね」
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「うおっ!?」
俺が飛び込んだ先は宙だった。
俺は落ちていくなかで飛び、辺りを見回した。
「後戸、だと?」
そこは後戸の国だった。
特徴的な扉がいくつも並ぶ異世界。
もうここには何年も来ていないように感じる。
「辰!? あなた、生きてたのね!」
「霊夢か……………… 久しぶりだな」
霊夢が急に現れる。
シオンの話では、霊夢も権限を手に入れて強くなったらしい。
急に現れても不思議ではない。
「辰…………… 生きてたのか、良かった…………」
「私は辰が死んでいないかとずっと怯えていて……………」
摩多羅も驚きのあまりに素の口調が出てしまっている。
俺はこの口調は慣れないので直して欲しいのだが。
「それにしても、どうやってここへ来たの?」
「ああ、それはな」
俺はここまでの経緯を説明した。
シオンと会ったこと、シオンの力で霊夢に手紙を送ったこと…………
「……………一端幻想郷に戻ろうではないか」
俺と霊夢は摩多羅の提案に頷いた。
俺達はいつものように後戸の扉を潜り抜け、神社へと辿り着いた。
「ああ、青い空ね………… 久しぶりよ」
「太陽を見るのも久しぶりだ」
そこにあったのは間違いなく元の幻想郷だった。
コアが破壊されたことにより、混沌へと幻想郷を混ぜ混んでいた物は消えた。
それにより、幻想郷は元の姿を取り戻した。
「一週間か……………」
俺達に与えられた休息は一週間であった。
一週間の間、シオンが最後の力で幻想郷を守ってくれる。
その間、外部からの攻撃は一切通用しない。
つまり、一時の平和を堪能できる訳だ。
一週間が終われば、シオンは幻想郷を守ることが出来なくなる。
残りの力を自らが使う生命力にちかいそれへと変換しなくてはならないからだ。
「一週間の間、平和なのね」
「ああ、そうだ」
こうして、混沌に飲み込まれた幻想郷は元の姿を取り戻した。
しかし、永遠の平和はもう訪れない。




