表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方亜幻空 ~Fantasia of another sky  作者: とも
三章 「浄化異変」ACT1
29/56

28 [回想] 要塞潜入

 「回想」


 視点:摩多羅


 「これは一体…………」


 摩多羅は巨大な構造物を前にして立ち止まっていた。

 漆黒の物質に白いラインが走っている。

 幾何学的模様を描くその構造物。

 直径一キロはある直方体。

 一平方キロに高さ200メートル。

 巨大かつ禍々しい構造物だった。

 「混沌」のコアである。

 これはコアを守る要塞であり、中には上位神が徘徊している。

 しかし、要塞の外側には神は居ない。だからこそ摩多羅はここまで辿り着けた。

 

 「……………」


 摩多羅は椅子に座ったまま無音で動き出した。

 要塞の壁面は入り口も何もない。

 なら、上面部に有るはずだ。もっとも、上面部にも無い可能性は有るが。


 「ほう…………」


 上面部には円形のラインが囲んでいた。

 中央の円形は要塞の中まで窪んでおり、時折中から光を見せる。

 摩多羅は円に近寄り、中を覗いた。


 「まさか、地図…………」


 円の壁面に地図が書いてあった。

 どうやら、この要塞の地図らしい。

 防備がまだまだ、と思いながら摩多羅は地図を見た。

 

 「エネルギー室、データ室_____」

 

 順番に読んでいく。摩多羅は記憶力も高い。読んだだけですぐ覚えてしまった。

 大半を読んだ所で、摩多羅の目は真ん中に吸い寄せられた。


 「ワールドコア…………?」


 丁度この円形の下の部屋に、ワールドコアと名の付く部屋があった。

 流石に摩多羅でもこれは意味が分からない。

 摩多羅は既に100以上の神を消滅させている。そして、その魂の余剰分を回収して力としているのだ。

 その過程で知識も手に入り、システムの存在を知ったが、未だにシステムの全容を理解は出来ていない。

 神々が使うコマンドの解析も終わっていない。と言うより、コマンドを使われる機会が少なかったのが原因だった。

 摩多羅のシステムクラスは3。既にコマンドを使えるのではあるが、摩多羅本人が使い方を知らないのでは仕方がない。


 「データ室に行けば…………」


 摩多羅は呟いて移動し始めた。

 漆黒の壁面と比べて、中は純白であった。

 光源は無いが、どうやら壁が光っているようだ。明るい廊下を進む。


 「一人めだ」


 中を巡回していた神を見つけた。

 廊下の突き当たりで待ち伏せる。

 感じる力からして、格下であることは間違いない。摩多羅なら一撃で仕留められる。

 突き当たりから出てくる所を狙って魔方陣を展開、レーザーで頭を消し飛ばす。

 頭を飛ばされ、消滅する神。

 その後に、宝玉が落ちている。それを持ち、砕く。

 魂奪の儀式の時には及ばないが、力が流れてくるのを感じた。

 魂の余剰分を回収しているのにも関わらずこのエネルギー量。魂そのものを回収出来れば、大幅に強くなる筈ではあるが、未だにそれは成功していない。

 もしかしたら、魂は別の所に有るのかもしれない。

 

 「ここか」


 摩多羅は呟いてデータ室に入った。

 机の上に置いてあった書類に目を通し、速読する。

 摩多羅にとっては驚く事ばかりではあったが、それでも懸命に覚え続けた。

 覚えておけば後で読み直せるのだから。

 コマンドについては何も載っていなかった。

 コマンドは神々にとって当たり前の事か珍しい物なのだろう、と考えて書類を置く。

 勿論、ワールドコアに向かおうとするが、摩多羅の耳がそれを邪魔した。

 足音が聞こえているのだ。ここには巡回は居なかった筈。

 そう考えた時、摩多羅を驚かす事が起きた。

 サイレンが鳴り始めたのだ。


 「警戒、警戒! 侵入者あり!」


 スピーカーから聞こえる声に摩多羅は耳を傾けた。

 そう、摩多羅が消滅させた神が居ることに気付かれたのだ。

 もうワールドコアには向かえない。

 警戒状態となってしまったため、摩多羅は仕方なく帰ることにした。

 早く辰に伝えなくては、と急いで移動する。

 

 「居たぞ!」

 

 気付かれてしまった。

 勿論、攻撃が飛んでくる。

 漆黒の物質。死呪である。

 勿論、摩多羅は防いで跳ね返す。だが、それでも少し腕に付いてしまった。

 命に別状はない量である。

 摩多羅はより一層急いで逃げ始めた。

 来た通路を戻り、円形の上部まで逃げる。

 そしてそのまま空中に飛び出し、要塞から脱出した。

 結果から見れば摩多羅は死呪が少し腕に付いただけで済んだが、実は少しではなかったのだ。腕にベッタリとついているため、少しではない。

 命に別状が無いとはいえ、とても見せれない状態である。

 摩多羅は服の裾で腕を隠し、近くの木に隠れた。

 そのまま警戒が解けるのを待つ。追っては居なかったようだ。

 追っては来てもおかしくないが、なぜか来なかった。

 恐らく、自分達の要塞が落ちる筈がないと自負しているのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ