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一つの文字を大切にする世界で

たった2つの大切な文字

作者: kiruna
掲載日:2017/03/21

通勤時間中にスマホで思いついたことを書いた小説です。

よろしくお願いします。

私は通学中に幼馴染で最近付き合い始めた勇輝の後ろ姿を見かけて歩くスピードを少し早めて追いつこうとした。


追いついて背中を軽く押して驚かそうとしたが、触れる事ができなかった。


足音とかで近づいてきたことにバレたとか?


そんなことじゃなかった。勇輝が元々いた場所の地面に真っ黒な穴があった。そこに勇輝が落ちたみたいだ。


その落ちた先を見ようと真っ黒な穴を覗き込もうとしても、果てしなく真っ黒で勇輝の姿はない。


私は何が起こってるのか分からずに呆然としてしまった。


そのまま呆然とその場に立ち尽くしていると、穴から勇輝が私の名前を呼んでいる気がした。


私は、勇輝が穴の下にいて、まだ生きてるんだと思い、穴に向かって大きく勇輝と叫んだ。


しかし、勇輝は飽くまでも私の名前を呼ぶだけ。それも、徐々に小さくなってきている。


勇輝が私の事を呼んでいるのに、私は上から勇輝の名前を叫ぶ事しかできない。


そして、勇輝が私の名前を呼んでいるのが聞こえなくなった。


勇輝!


私は涙を流しながら勇輝と叫ぶ。それでももう私の名前は呼んでくれなかった。


勇輝とは、小さい頃からの幼馴染で、とにかく一緒にいる事が多かった。


時々くだらない事で喧嘩をしたけど、直ぐに仲直りをして喧嘩する前以上に仲良くなった。


そんな関係が続いたある時に、また喧嘩した。


それは、くだらない事ではなかった。


私が勇輝の事をまだ幼馴染と思っているだけなのと、勇輝が私に対して恋愛感情を持った事により、価値観がずれた事から始まった喧嘩だった。


そして、勇輝による恋愛感情の告白で、その喧嘩は幕を閉じた。


私は幼馴染という環境を壊したくなくて、無意識的に勇輝の事に恋愛感情を持たなかった、いえ、隠してたみたいだ。


それは勇輝の告白と共に崩れて、私も勇輝の事が恋愛感情として好きなんだと気付いた。


私は勇輝の告白を受けて恋人の関係になった。


私たちは喧嘩をすればするほど、仲直りした時に仲良くなる。それは今も続いていたのだ。


そして、恋人になった夜に勇輝の事を考えた。


今まで勇輝は私に対して優しかったり、ちょっとした気遣いをしてもらったり、愚痴を聞いてもらったり、大変な事を手伝ってもらったり、ナンパされた時に守ってもらったりしていた。


だから、恋人になったのだから、これからは私も勇輝の為になれたらなって思った。


そんな勇輝が今、穴に落ちて死にかけている。


私はここでただ突っ立っているだけでいいの?


そんなのダメに決まっている。


私は勇輝を救いたい。


そう思っていると後ろから人が来るのがわかった。


私はその人に、この穴の中に落ちた人がいるから救急車などを呼んで下さいといった。


その人は快く受けてくれた。


その事に私は安心して、これでもし私がこの穴に入って行っても助けてもらえると思った。


勇輝が私の事を呼ぶ声が聞こえなくなった以上、勇輝は瀕死なのかもしれない。


救急車などでこの穴から助け出されても、その時には死んでしまっているかもしれない。


勇輝に会う前に、勇輝が死んでいるなんて嫌だ。


それだったらまだ生きているかもしれない勇輝に会いたい。


だから、私は真っ暗な穴に飛び込んだ。


待っててね。勇輝。私も近くに行くから。


ーーーーーーーーーー


とある女子高生が真っ暗な穴に落ちて行った後にその穴は閉じて、何事もなかったかのように唯の通路になっていた。


それと同時に、救急車などを呼ぼうとした人も、何事もなかったかのように歩き出した。


そして、勇輝と幸という存在はこの世界から消えたのであった。


ーーーーーーーーーー


私は真っ暗な穴に飛び込んだ後に気を失った。


次に目が覚めた時は、目が開かず身体も動かなかった。


そして頭の中から声が響いてきた。


《好きな漢字を1文字だけ選んで下さい》


そんな声が頭に響いてきたが、私はそれどころじゃなかった。


口が動かないから話す事はできないけど、頭の中で、そんなことはいいから勇輝はどこなの!?と叫んだ。


しかし帰って来る言葉はなかった。


勇輝もこんな中で、私の名前を呼んでいたのかな?


勇輝もここにいるのかな?


うん。大丈夫。勇輝は近くにいる。


今は唯、一つを願う。


勇輝と・・・


《貴方の真字は『勇』と『輝』に決定されました。では次の生をお楽しみ下さい》


そして私という存在はリセットされた。


ーーーーーーーーーー


とある世界のある一般家庭に男の子の赤ちゃんが産まれた。


その子は、サチヤと名前が付けられて、親や周囲の愛を受けながら育った。


そうして育ち小学校に入学する前くらいに、隣に住む同年代の女の子と遊ぶことになった。


その女の子はカグヤといい、こちらの家に来て遊んだ。何故だか初めてあったのに、初めて会った気がしない。そして、まだ小学校にも入っていないのに、僕がこの子を守らなくてはいけないって気持ちになった。


お互いが自己紹介で名前を教え会うと、突然カグヤは僕に謝って家に帰っていった。


えっと僕、何か悪いことしたかな?


でも謝られたし、大丈夫だよね?


ただ僕の方も、考えされる事があったからちょうどよかったかもしれない。


カグヤという名前を聞いて、僕は僕の真字がわかった。


僕の真字は『輝』だ。


何でカグヤの名前を聞いて思い出したのかは分からないけど、カグヤのお陰で間違いないと思う。


うん。このカグヤを守るっていう不思議な気持ちに任せてみよう。


だから僕は初めて魔法を使う。


「カグヤに輝かしい未来を!」


小学校にも入ってないけど、この言葉は心から響いて来たもので、言っている意味も分かった。


その言葉を発言した瞬間に、僕の手の先から輝く光が隣の家に向かって飛んで行った。


そして僕は、初めての魔法を使って疲れたのか、そのまま気絶したのであった。


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