平凡な日
初投稿です。
話を重ねるにつれて少し痛々しい表現や、アダルティな表現が含まれてくる部分が出てくるのでR15にしました。
そこまで酷い描写にはならないようになるべく避けますが、苦手な方も居ると思うので、注意書きをしておきます。
「また……」
ㅤこの世界の寿命は10年。 それを見守り続け、世界を見渡す者。ハッとした顔をして、そう呟いた。
ㅤ時が経つのは、何もしていなければ長く。何かをしていれば、あっという間に過ぎていく。
ㅤただただ毎日、自分の生活をしていくだけ。時には、新しい発見や楽しいこと、嬉しいこと。時には、運が悪かったり、憂鬱だったり。
ㅤ自分の事、周りの事だけで精一杯であろう人々の毎日に、この者達は何かを感じていた。
「どうしました?」
「世界が終わりますね……」
「あぁ……また誰かが」
ㅤこの世界の寿命が10年なのに、何故生きているのか。
ㅤ世界が終わるだなんて、戯言なのか何なのか。
ㅤきっとこの世に生きて世界を見続けているからこそ、そういう事に敏感なのかもしれない。
「はいはい。見つけてきますって」
ㅤそんな彼にはまた、辛く長い人生が始まる。
「……ごめんなさいね」
「俺、死んじゃったりすんの?」
「……」
「ははっ。わかんないですよね」
ㅤ辛そうに微笑むの者に笑いかける彼の居場所は、今日でなくなってしまう。
ㅤ平凡だった世界は変わってしまう。
ㅤ1つの鍵となるモノが、全てに影響を与えてしまう。
ㅤ――世界が揺らぐ、その時に。