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Angel Life  作者: 飴ノ飴子。
プロローグ
1/70




「うぁぁぁあぁぁあぁぁあああっっ」


ㅤ1人の男の苦しそうな悲鳴とも呼べる叫び声が響く。

ㅤ彼の声と共に、周りの建物や地面、ありとあらゆる物が崩れ始めていた。


「いかないでっ!ㅤお願いだから……いかないでっ」


ㅤ空間を破壊する元凶に男は手を伸ばしていた。

ㅤ今にも泣きそうな顔をして、必死に手を伸ばしていたのだ。だが、届かない。


「俺を置いていかないで……っ!ㅤお願いだから、ねぇ……嫌だ……」


ㅤ届かないはずの手を必死に伸ばして懇願する。その声は周りの空間が破壊され、崩れていく音に飲み込まれてしまった。

ㅤ引きちぎれてしまいそうな程、手を伸ばす。周りの破壊音や強い風に声がさらわれても、必死で訴えている。吹き荒れている風に逆らうものの、足が前に進まない。求めているモノに手が届かない。

ㅤ彼が必死で求めているモノは、


「ごめんね、大丈夫だから。また今度……」


ㅤそう言い残して綺麗に姿を消した。刹那せつな、周りの崩れていく世界が、狂った時間が、全てが止まった。


「あ……ぁ、あぁぁあああぁああぁあっ」


ㅤ全てが停止しても尚、男は狂ったように叫んだ。声が枯れるだの、涙が枯れるだの、そんな事はどうでもいい。叫んで晴らすしか無かったのだ。

ㅤ何も出来ず、何も伝えられず、愛しいモノを失う事が、どれだけ苦しくて死んでしまいそうなのか。死んでしまいたいのか。殺してほしいのか。



ㅤ――崩れ、狂ったモノは変えられない。










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