520 余韻に浸る
はしゃぎ過ぎて頭が混乱しているのを聖人自身も感じていたが、どう考えてもゲームが大好きな影響が出ていたのは間違いない。どれだけ疲れているのは分からないが、どうだとしても疲労困憊感を跳ね除ける勢いは自分自身の中で湧き上げっているのを感じていた。聖人の中ではゲームをプレイするのは精神安定となっているのでゲームをするのは問題とは言えない。最近の日本ではアメリカから輸入したゲームを「子供に悪影響が出るから規制するね」と自分勝手に人体欠損や残酷性の高いゲームに規制するのだから地味なゲームばかり増えて面白くないのだ。だからこそ本当のゲーマーは自分の好きなゲームだからこそ愛のために訳の分からない訳のついていないアメリカ版のゲームを購入して英和辞典を片手にゲームをプレイするのだ。聖人もその内の一人であると言いたかったが、こればっかりは日本の18禁ゲームには物申す姿勢を貫く必要があった。本当に楽しいゲームだからこそ日本のゲーム規制には文句しか浮かばない。とは言っても老害の害悪っぷりには勝てないのでそこまでの危機感は覚えてないにしても、さすがにあればっかりは愚痴の一つや二つ言いたくなるのがゲーマーである。まず第一に非現実性の高いゲームに規制をかけるなど有り得ないのだ。現実に起こっている分ならまだしも仮想世界の中で引き起こる行為に規制を敷くなどお話しにならない。こんな事をしているのは本当に日本だけである。かつてはアメリカやインドを抜いて世界でも有数なゲーム大国として有名だったが、今はその姿も無くなってきている。その理由に考えられるのは予算の違いが考えられる。此方では高くても数千万円の開発費だが、アメリカやインドなどでは映画製作費並の莫大な費用を投入している。たとえばこのスーパーヒーローオンラインは日本円にして800億円の大金の元に作られたゲームだ。これでも製作費をケチったとネットでは話題になるぐらいの低予算であり、発売半日で黒字になる勢いで売れているのだ。無論、日本のみならず世界中のゲーマー達が今ではSHOの魅力にドハマりしていると言っても過言ではないだろう。日本のゲームが駄目になったのは製作費の問題だけではなく、過去にブレイクしたゲームをリメイクなり次回作を使って名前だけで売ろうとする姑息なやり方が広まっているからだ。しかも日本中の会社がブレイクすれば次回作を造ろうと躍起になっているのだから困り物である。同じシリーズのゲームばかり作っていても優れたアイディアなど生まれる隙もありゃしない。本当に素晴らしいアイディアが浮かぶのは手塚治虫のようにあらゆる先見の明を駆使して作品を創り続ける事だけだと聖人は予想していた。手塚治虫氏を例にするのは大変失礼に値するので若干マイルドになるが、数打てば当たる戦法は昔から知られている。昔の格言が世に残っているのはすなわち役立つからだ。役に立たない知識などあっという間に廃れていくので実は高校大学で習う勉強など大した意味は無い。重要なのはあくまでも義務教育期間に習った一般教養の数々なのだ。日本では一般教養を覚えていない人間が半数以上を占めているので小学校で習う歴史の勉強や理科の内容を覚えているだけで、会社ではヒーローになれる。馬鹿にされがちが事実なので誰も言い返せない筈だ。一般企業で働いている人間が小学生の頭脳知数に勝てるのかは非常に怪しい。現役学生の頭の回転の速さは尋常になく速いので。へっぽこ会社員は遅れを生じるのは目に見えている。会社員の中でも特に要領の悪い人間は中間管理職の方々である。働いている彼等を
見ているだけで可哀想になってくるのは人間の性質上仕方がないにしても、あればっかりはあんまりである。上司に叱られながら部下の面倒を見るのは正直言って相当なストレスが生じるのは間違いないと聖人は思っていた。バイト経験すら皆無の聖人ですら中間管理職の悲惨な実態を知っているのだから当事者達は苦悶の表情を浮かべているに違いない……そして聖人は何を考えていたのか一瞬で忘れてしまったので気を取り直して目の前の友達に話しかけていた。
「今日も良い天気だな。これだけ天気がいいと気持ちよくてたまらないぜ」
マジレスするとまだ目的地には着いていなかった。目的地に後少しで到着する寸前だったので多少の余韻を感じるのは否めない。しかしそれでも視界良好で目の前にファンタジー世界が広がっている快感は凄まじく、聖人の興奮中枢をこれでもかと刺激させていたのは言うまでもなく事実だった。




