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13代目の破壊神  作者: 千路文也
1st #1 生徒会長誘拐事件
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032  ロリコン使用人


霧登家の地下には、魔法訓練所が設備されている。対恢飢戦から対能力者戦までの訓練シミュレーションを行う事が可能だ。


訓練所の主な技術は『千年王国』が開発したVRMMOのバオウデルシリーズから応用してある。

要するに、霧登家は千年王国の会長とコネがあるのだ。



ヴォルフガングは、エレベーターに乗って地下に降りていく。魔法訓練所で、身体を動かそうと思ったのだ。


「っち」


気分が滅入って、舌打ちをした。短期間で、あれだけの事があれば無理はないだろう。


好きな相手に散々羞恥を振り撒き、挙げ句の果てには、年頃の女と口喧嘩したのだ。もはや大人がして良い行動では無かった。


悩みの種がまた増えた。そんな風に、ヴォルフガングは憤りを感じていると、エレベーターが止まった。地下に着いたのだ。


地下には、訓練所の他に図書室や料理場、遊戯室などがあり、どちらと言えば和風より洋式風の屋敷である。


「ん?」


料理室の近くで大人の怒鳴り声が聞こえた。見ると、コックが使用人を叱っている。


「何度言えば解るんだ!」


「すみません、すみません」


使用人は、ひたすら平謝りをしている。見ていて、可哀想になってきたヴォルフガングは、仲裁に入った。


「どうした?」


「ロドリゲス様。こちらの使用人が、皿を割ったのでございます」


料理帽を頭から取ったコック。隣では使用人が涙目になって、ヴォルフガングを見つめていた。


「それぐらい多目に見てやれよ」


「ですが、今月で三十枚ですよ」


計算すると、一日に一枚皿を割っているという事だ。違う意味で、才能が無ければ、不可能な芸当である。


「そうか。それはいけないな」


「でしょう」


「変わりに喝を入れてやるから、お前は仕事に戻れ」


「それは助かります。ロドリゲス様なら安心して任せられます」


コックはそう言って、料理場に戻って行った。


「ふぅ……助かりました」


使用人がホッと胸を撫で下ろした。


「まだ仕事に慣れないのか?」


「はい。難しいですよ」


この使用人の名前は、ビョルン・コンラーディ。金髪青目の少年で、歳は14歳だ。


ビョルンは見習いの使用人であり、まだ2ヶ月ちょっとしか働いていない。その2ヶ月で、彼は不名誉な伝説を作り続けているのである。


「そういや、あの件どうなった?」


「あの件とは?」


「お嬢に告白するんだろ」


「いやー、それが一歩踏み出せなくて」


ビョルンは照れくさそうに、髪の毛をかいた。


それは、少し前のヴォルフガングと似ていた。これだから、ビョルンを子供時代に重ねてしまい、怒る気になれないのである。


「全く、あんな女のどこが好きなんだ?」


「だって可愛いじゃないですか!」


「可愛い?」


「僕は年下ですけど、風華さんが妹みたいに見えて、可愛いんですよ」


綺麗と言ったなら理解出来た。ところが、ビョルンは可愛いと言ったのだ。


「お前十四歳だっけか?」


「はい」


「その歳でロリコンとは対した物だ」


「え、僕はロリコンじゃないですよ」


ムキになっている所が、ますます怪しいとヴォルフガングは感じた。


「いいやロリコンだ」


「どうして、そう思ったのですか?」


「妹みたいで可愛いって事は、妹みたいな女がタイプって事だろうが」


「それは例えですよ!」


終わる気配の無い会話は、しばらく続いた。


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