↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13代目の破壊神  作者: 千路文也
1st #1 生徒会長誘拐事件
PR
26/647

025  チェックメイト


ロビーの扉を開くと、少年と少女がチェスをして遊んでいた。悪名名高い盗賊ギルドでは、半ば似つかわしくない光景である。


「チェックメイトー!」


少女が自分の勝利を高らかに宣言した。


「ちょっとは手加減しろよな」


「これで226連勝目~」


「自慢すんじゃねぇ!」


少年は悔しそうな表情を浮かべて、キングの駒を地面に投げつけた。


「いけませんね、いけませんね、いけませんねー実にいけませんよ。これは本当に、いけません」


ラストラッシュは、腰を屈めて移動して、転がった駒を拾い、手で埃を払った。


「兄貴だ!」


ラストラッシュに気づいた二人は大声で兄貴と叫び、ラストラッシュの身体を抱き締めた。


「お二人さん、少し落ち着きましょう」


冷静をモットーに生きているラストラッシュでも、調子を狂わせる相手がいる。一人は恩師のラファエル・ランドクイスト、次がこの二人である。


少年の名前はクドラク。少女の名前はハリティー。両親は恢飢現象に巻き込まれて亡くなり、身寄りの無い二人だったが、今はラストラッシュが育ての親となっている。


ちなみに、クドラクが弟でハリティーが姉だ。年は三つ離れている。


「二日間も帰らずに心配しちゃったわよ」


「心配を御掛けして申し訳ありませんでした」


ラストラッシュは丁寧におじきした。


「ねぇねぇ、何があったんだよ!」


「仕事上の失敗を雇い主に報告していましたら、少々長引いてしまいましてね」


二人は顔を見合わせて「エッー!?」と驚きの声を上げた。


「ほ、本当に?」


「兄貴がミスるなんて珍しいぜ」


「私だって失敗しますよ。人間ですから」


これは嘘である。ラストラッシュは失敗しない。なぜなら、失敗する仕事はやらないと決めているからだ。


それでも、今回は失敗してしまった。初めての失敗だったが、理由はイレギュラーが介入した事によるものなので、ラストラッシュは失敗だと認識してないのだ。


「標的は?」


「白い炎(エルレウス)でした」


この一言で、二人はまたしても驚いた。


「白い炎(エルレウス)って、神話の魔法じゃなかったっけ?」


「うんうん。本で見た事あるよ。大昔の神様が使っていたって」


「そこで……御二人様に耳寄りの情報がございます」


ラストラッシュは二人の耳でこう呟いた。


「あなた達の初仕事にエルレウスを差し上げます」


二人は、口をだらしなく開けた。


「エルレウスって兄貴の標的でしょ」


「そうだそうだ」


「残念ながら、私は任務を解かれてしまいましたので……変わりと言っては何ですが」


「ヤッター!!」


声を合わせて、とたんに、はしゃぐ二人。初仕事が上物なだけあって、自然にテンションが上がるのだ。


「兄貴の仕事は?」


「心配ありません。私にも仕事はありますよ」


「どんな仕事?」


「標的は足若丸高校の生徒会長さんです」


ラストラッシュはキングの駒を元の場所に置き直した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。