第五話「初授業と呼び出し―俺の平穏はどこへ―」
入学式の次の日の今日から早速授業が始まる。
俺と圭高は寮にある食堂で朝食を食べ教室まで行く。
教室に入ると天野が既に席に着き本を読んでいたので
声をかけた。
「うっす天野」
「天野さんおはよう」
「2人ともおはよう。今日から授業だけど大丈夫そう?」
本から目を離した天野がそう問いかけてきた。
「俺はなんとかなるぞ」
「俺は自信ないよ、、、。天野さんは?」
「んー、よくわかんないな」
「ま、そんなもんだろ」
そう言って3人で笑い合ってると始業の鐘が鳴り
担任の大辻智希、通称大辻ちゃんが入ってきた。
「えー、今日から授業が始まるから頑張ってくれ。以上」
うん、ちょっと待とうか大辻ちゃん。連絡雑すぎるだろ。
もっとしっかりしろよ。
「あーそれと刈鬼」
「はい?」
「生徒会長が呼んでるらしい。昼休みに生徒会室に行ってくれ」
「分かりました」
ん?生徒会長?俺なんかしたっけ?
もしかして昨日のことか?だとしたら面倒なんだが。
その時HR終了の鐘が鳴り大辻ちゃんが出て行く。
それと同時に圭高と天野が同時にこちらを向いた。
「お前、何したんだ?」
「そうだよ刈鬼くん、何したの?」
「といってもな、植物園の2階の窓から落ちてきた生徒会長を
助けただけなんだが」
「……」
「……」
「……?」
「「なっなんじゃそりゃー!?」」
「うおっびっくりした。いきなり叫ぶなよ」
「だってお前、生徒会長助けたってかなりのことだぞ!?」
「んなこと言ったって…」
その時授業開始の鐘がなった。
「ほらほら、授業始まんぞ」
2人は渋々ながらも席についた。
これで静かに寝れると思っていたら
「じゃあ刈鬼くん、答えてみて」
「えーっと3です」
「はい、正解」
「それではここを刈鬼」
「have,to,be、あとはofとinです」
「great!素晴らしいです」
「じゃあ刈鬼、ここから読んでみて」
「えっと、、、『私は彼の黒いローブ姿と美しい声に、、、』」
「はいありがとう」
まさか全部の授業で当てられて寝れなくなってしまうとは。
特に文国で読まされた話は昔、俺が助けた村の少女が書いたものらしく
おれがめちゃめちゃ美化されていて恥ずかしかった。
そしてとうとう昼休み。
俺は生徒会室の前にいた。
「やっべー、すっごい緊張してきた」
「ちょっと圭高くん静かにね」
なぜか2人がついてきた。
「つーか呼ばれたのは俺なんだから2人は関係ないだろ」
「いやぁなんか面白そうだったから」
「私は刈鬼くんが心配で……と……てないか」
天野の言葉の後半はごもっててわからなかったが
心配してくれてるようで嬉しい。
「まあ大丈夫だろ。じゃあ行くか」
「だな」
「うん」
コンコン、、、
『はい』
「刈鬼です。会長に呼ばれたんですが」
『どうぞ』
中に入ると部屋の真ん中あたりに4つほど机があり
それぞれに生徒が座っていた。
その奥に一際大きい机があり会長が座っていた。
会長は顔を上げ俺を見たとたん笑みを浮かべたが
俺の後ろの2人を見たとき不思議そうな顔をした」
「あら、後ろの2人はどちら様ですが?」
「俺たち黒斗の友人で一緒に来ちゃいました」
「そうなの?」
そう答えると会長は俺の前まで来て
「あなた、私の夫になりなさい」
そう言い放った。