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偽り 3
月の光が差し込む自分の部屋の窓を
開け放つ。
顔が熱い
鼓動が早い
お風呂上り、だけどそうじゃなかった。
その時に私はようやく
気付くことができたんだ。
谷川先生…
私は
あなたが好きなんだ…
建一を好きになる前から
ずっとずーっと好きだった。
先生の声
先生の字
先生のしぐさ。
思い出すたびに
胸が苦しいよ…。
今まで気付かなかったこの気持ちは
確かに本物で。
だからお願い。
先生?
あなただけは…
あなただけは私の前からいなくならないでください。
そう思った夜でした。