第六話 俺たちの過去 参
俺たちはそのまま大路たちのいた場所へ向かった。
俺も美咲も一言も話さなかった。
うつむいたままただただ歩き続けた。
さっきのあれは何だったのか。
気のせいだとでも思いたいが、そういうわけにもいかない。
あれは確かに何かが起きた。
その根拠の無い確信をどう処理するべきか。
それで二人とも頭がいっぱいだった。
気づくと大路たちがいた場所にたどり着いた。
少しあたりを見回すとすぐに見つかった。
舞はどこかへ行ったのか、他の3人だけいた。
「おーい!」
「「「!!」」」
全員が一斉に驚いたようにこっちを見た。
そして大路がこっちに向かって走ってきた。
「興太!!」
「どうしたんだよ…突然大声出して…」
「笑わないで聞いてくれ」
「は?」
「実はさっき、全員が同じような変な感覚に襲われたんだ」
「「!!」」
俺と美咲は顔を見合わせた。美咲は相変わらず無表情だが…。動きから動揺している感じは伝わった。
「どうしたんだ?」
「実は…俺らもな…」
「へ?」
※
「はぁ…こんな出来た話は二次元の中だけにしてくれよ…」
3人の話によると
①4人で清掃をしていたら、全員がほぼ同時にあの感覚に襲われる。
②そのことを話ていたら舞が「これは…宇宙人の侵略だー!!」と言って、どこかへ。
③大路や来夢ちゃんは焦りっぱなしで、いつも冷静な愁哉でさえ何回もメガネをかけなおしたり、レンズをふいたりして落ち着きがなかった。
④3人でオロオロしているところに俺たち二人が来た。
ということらしい。
「これからどうする?」
だいぶ落ち着いてきた大路が聞いてきた。
「どうするも何も…感覚が走っただけで何も変化してないからどうしようもないだろ。もう今日は帰ろう」
「……それが最善」
「僕もそう思います」
「まぁ、そういうことで…また明日学校で…」
――――――――
その後、学校で突然身体検査が行われた。
詳細も知らされず、金属探知機みたいなもので全身を調べられた。
そして俺たち5人は全員ひっかかった。
他にもいたかはよくわからない。
その後WGG日本支部に連れて行かれ、さらに細かい検査を受けた。
そして君たちは異格者になったとか、君はこんな能力を手に入れたとか、排除者になってもらうとか、なんだかんだ色々言われた。
そして君たちはこれからの地球の未来を背負う存在だ、とも言われた。
あの時は全く理解してなかったけどな。マンガみたいな能力を手にしたことに興奮しまくってただけだった。
で、その後なんだかんだあって今に至る。
あぁ、長かった。まぁこれでもまだ話すことはいっぱいある。そこらへんはまた話さなきゃいけなくなる時が来るだろうからその時に。
先に角を曲がって行っていた舞がひょこっと顔を出した。
「みんなー!!!!出たよー!大物だよー!!」
あぁ、そういえば俺今、みんなと一緒に狩りの最中だったなぁ…
俺たちも角を曲がるとそこには……
今度は我ながら結構早かった月です。
慣れない新しいパソコンでかなりハイペースで書いたんでダメなところが多いと思いますんで、アドバイスや指摘などドンドンお願いします。