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幼い頃から集団というものになかなか馴染めず、ことあるごとに孤立してしまう僕が、人恋しさに悶えるいくつもの夜を乗り越えてこられたのは、ひとえに本のおかげだ。
小説、エッセイ、紀行文、指南書、詩集。どのような様式であれ、本には書き手の最も純粋な本音がぎっしりと詰め込まれている。細やかな感情の息遣いが、しっかりと刻みつけられている。
僕は、「本」は「人」だと考えている。だから僕にとって、本を読む行為とは、ニアリーイコール、時空を飛び越えて執筆時の書き手に会いに行くことなのだ。
とりわけ、鬼籍に入った人と心を通わせられる点は、読書の最たる醍醐味だろう。
だから僕の本探しに対する情熱は、一向に衰える気配がない。いや、むしろ年々膨らみ続けているような気さえする。
近所の図書館や大型書店へ行くと、
(たかだか残り数十年の人生で、ここにある全ての本を読破することは絶対に不可能……。人生とはなんて不条理なんだ)
そんな暗澹とした気分に苛まれることも珍しくない。ここまでいくと、本の虫よりもはるかに深刻な「本の寄生虫」だ。
僕がこれほどまで本の世界にのめり込むのには、ちゃんとした(?)理由がある。
これを読んでくれているあなたは苦笑するかもしれないけれど、一度、本を通して心通わせた故人は、西洋的にいえば守護天使、東洋的にいえば菩薩のような存在へと生まれ変わり、あらゆる厄災から身を守ってくれたり、正しい道へ導いてくれたりすると、僕はあくまでも本気で、大真面目に信じているのだ。




