プラモデルは自由であるべきだろう?
プラモデル好きにも色々居る。
素組勢、ミキシング勢、未塗装は息をする価値がないこの世から消えるべきだ勢…など。
しかし、遊びには人それぞれの価値があっていいと思う。
その人の背丈で、等身大で楽しめる…そんなコンテンツでプラモデルはあるべきだと思う。
そんなことはっきり言ってどうでもいい、普通のモデラーの話である
―――日本、本州の◯県の◯市。
模型活動、つまるところ"模活"を楽しんでいるのがそう!私、北村紫庵である。よく下の名前が紫のクセにシアンなのがややこしいと言われる。何故そんなこと言われなければならないのか。
まぁ要するにプラモデルが好きなわけだが…
まぁ私はゆるーく、らくーに楽しんでも誰も文句を言わない一人の世界、目の前のキットと向き合い組み立てに没頭する時間が大好きである。
ゆるーく、らくーにと言っているが要するに私は、タッチゲートでわざわざニッパーを使うようなタイプではないという事だ…、だって使わなくても作れるんだもん
あとスプレー塗装とかなんてしない、ちょっと塗りたくなったら適当にマーカーで塗る
…………この程度でも十分楽しめるのがプラモデルの魅力だ…。
いつだってプラモデルの楽しさというのは、ユーザーの度合いに沿ったものであり、どの程度の遊びにも柔軟に適応してくれる…私はそう思っているのだ。
しかしだ。なんというか最近…世の中をみているとプラモデルについて難しく考えすぎな人が多い事と思ってしまう。
世の中的にはプラモデルは敷居の高い趣味のようだ…。が、しかし私にはそうは思えない。
プラモデルというのは出会い、そして挑戦。そんなもの人生ではあまりにもよくやる事ではないか…。
というか、人生を構成するのはほぼこれだ、つまりプラモデルは人生なんだ…!!
………などと脳内で語っているが〜、たった今組み立てが完了してしまった。え、何がかって?
『ライトモーション』というオリジナルブランド、通常ライモなのだが…このシリーズはプラモデルを触ったことが無い人でも遊びやすい、組み立てやすい設計になっており、ロボット中心の"メカニカルバース"、美少女プラモ中心の"ガールズバース"、ファンタジー路線中心の"ブレードソーサルバース"の3種類から構成されており………、と、語りたくなってしまうのもプラモデルの楽しいところだ。
このシリーズは全てのキャラクターが可動式であり、それぞれのシリーズには互換性があり、組み替えたり合体したりなどして遊べてしまう!!
今組み立てていたのはそのメカニカルバースの新作、"ウェンダ"という機体だ。
そして私はコイツに別の機体から持ってきたデカ腕を装着…(デカ機体の"ティタン"も非常に良キットだ、オススメ。)
「そうだな…名付けるならば"フルアーマーウェンダ"だな!!」
フフフ…楽しい!!楽しすぎる!!
……ひとしきり遊んで写真を撮り、SNSに投稿する…。
反応がつかなくたっていい、この瞬間の高揚感に変えられるものは無いのだ。
そして、なんとなーく本日のTLを眺めていく。
「ふ〜ん…、狼狽える炎上……Vライバーだっけか?」
なんてどうでも良いニュース達を眺めながらダラダラと過ごす昼下がりは実に気持ちが良いものだ。
ピロン♪と高らかな音が耳に入り不快感を覚える、がそれは友人からの一通の知らせに過ぎなかった。
「放課後遊びに行っていいか…?うーん、まぁ良いけども。…と。」
返事をし、内心の楽しみだな〜を抑えつつ部屋でゴロゴロし続けるのだった。
………そして来る放課後、一人の男が姿を現す。
「やぁ、歩く犬鳴村君」
俺がそう呼ぶと、彼はやや不服そうな顔をして言ってくる。
「お前も相当人権は通用しねぇけどな…」
なんてやりとりはいつもの事であり、特に代わり映えのない身内ネタってやつだ。
この男は森田倫太郎。ろくでもない家庭環境の中で生まれた人格ひねくれ人間。だがオタクとしては良質よりなので俺的にはベストフレンドだ。
「で、小遣いの程は?」
俺が尋ねると、彼は言う
「まぁ…やっと手に入ったってとこかな…。ったくアイツは人から楽しみを………」
…まぁブツブツ言ってるが彼にも色々あるってだけに過ぎないので、俺の知ったことではない。
じゃあ何故俺達がいまここに集っているのか?
その理由は一つ……"プラモデル"だ!
「じゃあチャリ出しますか」「そうだな」
という事で、俺達はいつもの行きつけに向かう。いわばそこは我々の魂を置いてきているような場所であり、旅の終着点、ヴァルハラ、ラフテル、ジン=フリーk…まぁなんでもいいんだけども。
とにかく、それだけ我々にとって偉大なものだ。
自転車で片道三十分近く走ると辿り着くそこは、市内でもトップの品揃えを誇るホビーショップだ。
雑貨コーナーとホビーコーナーを備えたその場所…我々の向かうのはもちろんホビーコーナーだ。
「うおおおおお!!!!見たまえよ森田君!」
「うおおおお!!!!これはッ……これは……!!新作のリザードソルジャーじゃないか………!!!」
我々が目につけたのは、ライトモーションシリーズの新キットであった。
実に格好良い……デザイナー、制作会社、工場……全てに感謝しかないのだ…
「確か森田くんはまだ持って居なかったね。」
「あぁ、だから今日は買いに来たんでね…」
ということで、彼の本日の晩酌の友は決まったわけだ。
………あぁ、言ってなかったが僕らはプラモを組むとき、よく通話をする。
いわゆる作業通話ってやつだね。
森田くんの家が厳しさ山も積もりてワッショイパーリナイって感じなので、深夜にコソコソ通話をしている。
俺は年齢的に親は生活のあれこれにあんま口は出さない。(部屋が散らかってると文句言われるくらいかな…。)
ってなわけで今夜もそれをしようってわけだ。
「いやーなんだかんだ僕は森田くんとの作業通話が楽しみなんだよな。定期的にろくでもない名言も生まれるし。」
「いやそれはお前が顔芸するからだろ…」
「うん、エリンギさんの顔真似とかな、」
なんて話していると、売り場から声が…
「いやだからさぁ、このキットはホント塗装がしづらいパーツ構成してるのがなぁ…笑、まったく、モデラーの気も考えて欲しいですぞ笑」
「つーか普通にダサいしな。こんなんよりだったら主力キット作んのに力入れろよって感じ。」
うわ〜〜〜〜〜〜〜〜、ご自分さん達の価値観で物を語る情けないオッサンが2体。なんだって?塗装がどうこう?そこを試行錯誤する楽しさも忘れたのか?情けない…
「なんだあれ…移動すっか。」
森田が口を開いたお陰で、俺はこの気持ちをぶちまけずに済んだ。
「いや〜やっぱ居るんだな、プラモってこういう面倒なオッサン的な奴」
「まぁ俺もあそこまでのは初めて出くわしたよ…森田もいつかあぁなんのか?」
「手ぇ出るぞ」
なんて会話をしながら帰る。別に人の価値観にケチつけたいわけじゃないから良いけど!煮え切らないって事もあるよね。
「ん、北村さん北村さん」
「ん?」
見せられたスマホに目を向ける…
…………ついさっき聞いた会話と同じような事をSNSで呟いてるモデラーだ。てかアイツらだろこれ
「なぁ追い打ちしていいのは卵焼きの醤油だけっつってるよな?」
「いやほら、これ」
あぁ…彼の意見に楯突くリプ欄と、表示されてない引用数十件。
「なんか…自分が少数派じゃないって分かると安心するな。」
「普段周りから浮いてるもんな」
「森田お前夜道に気をつけろよ」
「今じゃねぇかよ、」
なーんて言い合いながら笑い合う。
……つーか、俺も欲しいキットあるのに買うの忘れたな。帰りついでにハシゴするか。
ちょろっと補足説明?だけ入れときますね
読んで下さり本当にありがとうございます。
・北村紫庵
10代男性
人生迷子状態のろくでもない人。プラモデルやフィギュア等の収集、没頭できる趣味でしか自身を癒せないらしい。あと漫画は普通に好き。
国立の結構良い高校に入ったのだったが環境が合わず周りとの乖離などで留年、編入。現在では週一の通信高校に身を置いている。
失敗経験から大学進学を恐れていて、新しい仕事を覚える自信も無いので現在のバイト先で働くしか無いと思っている。
プラモデルをやってる時だけは、本当に楽しい。
・森田倫太郎
家庭環境がやや面倒臭いが本人は真っ当にオタクで、北村の友人。
家族がかなり過激で、彼には人権が通用しない、お前は人じゃないなどかなり酷い事を言うもんなので、北村から「歩く犬鳴村」というカスみたいな称号を貰う。
県内トップクラスの良い高校に行っているのだが、勉強をしないという選択肢を取っている様子。
ライトモーション以外に、シキブコレクションズというガールズプラモに精通しており、割と高価なキットも買い揃えている。
・ライトモーション
作中で登するプラモデルの1シリーズ。
一応元ネタがちゃんとあるしなんならあからさままであるのでプラモ好きな人なら一瞬でわかるかもしれないが…Bのアレである。
作者もこの例のBのアレにはどハマりしており、というかほぼこればっか作ってるまであるが、うん。
ロボット、美少女、ファンタジーの3つのモチーフ展開がされており、それぞれ互換性があって組み替えたりして遊ぶことも出来る。
プラモデルオリジナルブランドで、特に何かのキャラというわけではない。
・シキブコレクションズ
バトルホビーという設定のガールズプラモデル、つまるところ…元ネタは例の女神的アレである。
機械系装備をまとった少女というのがメインコンセプトであり、様々なラインナップが追加されていっている。




