やってやる
久しぶりの投稿です!遅くなりました。おまたせしました!
これからはまた定期的にやっていくつもりです。あと、今週もしかしたら「双狐炎狼閑話伝」のほうも更新するかもしれませんので、そちらの方も、更新したときはよろしくお願いします。
やっと秋の季節になってきました、私の住んでいるところは。
皆さんは、いかがお過ごしですか?
中に突入して最初に見えたのは、祭壇のようなものの周りをあがめるような目で見つめる者たち。
次に見えるのは、その祭壇の上で、双子に手をかけようとした、異形だった。あいつらより奥にいるはずなのに、それだけの存在感を放つのは、さすが聖獣と呼ばれるだけはある。
「Don’t Worry。安心しろ。お前はどっちがいい?」
「そんなの決まってるだろ?それとも、対象に雑魚狩りをさせるつもりか?」
「それは失礼。後ろは任せろ。な、玄武さん、朱雀?」
「わしが戦うことができぬのは知っておるだろう?後ろで援護させてもらうぞ。慶斗、はよ準備せい。」
「猿!何度言えばわかるのじゃ!妾を呼び捨てにするな!」
「朱雀ちゃん、のほうがよかったか?」
「孫悟空!!!!!」
「………」
「Hey、そろそろ行った方がよさそうだぜ、当主様?」
「くれぐれも、問題は起こすなよ。慶斗、鎖、桜。頼んだ。」
「シャーネーナ。やっといてやるよ。」
「輝さまも、お気を付けを。」
「頑張ってね~♪」
祭壇のほうに近づくほど、周りの空気が張り付き、重くなる。まるで、墨汁の中にいるようだ。
目の前にいる異形……否、贄喰は、なおも双子の頭に手を置きながら、こちらを無いはずの目で凝視している。
「お前ら、まだ動くなよ?」
「うん。」
「わかった。」
さすがに怖いのだろう。普段はそういうそぶりを見せない陰も影も、どちらも身を固くし、小刻みに身体を震わせている。そしてその反応を楽しんでいるようあいつは、余計にたちが悪い。
「聖獣だか何だか知らないが、もうそういうでかいのは見飽きてきてるんだよ。」
「……来る…な……」
「は?」
「こいつ…らは……わた…しの……!」
「黙れよ。」
「………!」
「知らねえよ。お前、今までもそうやって人喰い続けてきたんだろ?いい加減にしろっつうの。お前のそうなった経緯とか、普段は聞くところなんだろうけどどうでもいい。そんなもん、後で好きなだけしゃべらせてやる。だからまずは………………………」
「う…るさ………ギャッ⁉」
俺は贄喰がしゃべり終わるより早く、二人の頭にあった手を切り落とす。その手は切断された途端、まるで存在していなかったかのように霧散していく。
「手、どけろ。」
大分力を込めて押さえつけていたのだろう。手がなくなった反動で、二人は俺の方向へと崩れ落ちるようにもたれかかる。
「輝……」
「………来なくてもよかったんだけどなぁ…」
「嘘つけ。影も、よく頑張ったな。」
「うん。」
「鎖、二人の回収頼む。」
「承知しました。」
「輝は……」
「て、聞く必要もなさそうだねぇ。」
「もちろんだ。安心しろ。」
俺がうなずくと、鎖は二人を奥へと連れていく。
「さて、邪魔はいなくなったな。」
「…ああ……贄………私の贄が………ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…」
「やかましいわ。」
洞内に響く、鋭く覇気のある声を放ったのは、自分の周りの敵を一掃し、空を舞っていた朱雀だ。
朱雀は地上に降り立つと、背中から長刀を抜き、まっすぐに贄喰にその切っ先を向ける。
「あやつらはお前のものではない。あやつらの愛する者の物じゃ。貴様の入る余地などない。今ここで頭をたれ謝罪をするのであれば、その愚行を許してやらんこともない。」
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
その言葉を聞いてもなお、贄喰はただ泣き叫ぶのみ。
「話は通じぬようじゃな。それもそうか。ならもうよい。輝といったな。わが友、青龍の認めた其方の力、試させてもらうぞ。」
「ああ。任せろ。」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
贄喰は泣き叫びながら、その背から大きく黒い触手のようなものを出して攻撃を繰り出す。それが当たった部分は、まるで酸に侵されたように溶けている。
俺は刀に炎をまとわせ、できるだけ刀身に酸が当たらないようにしながら応戦するが、思うように威力が出ない。そのうえ触手は数が多く、少しでも攻撃を緩めれば、贄喰との間に距離ができてしまう。
「くそ……どうにかできないか…?」
「こ奴は昔からこうじゃ!今更考えても仕方がないじゃろう!」
「Hey Guys!待たせたな1」
ちょうどその時、本来なにも来るはずのない空から、あかいろの鉄柱……いや、とてつもなく太い棍棒が降り、こちらに伸びていた触手をすべて押しつぶした。
「え………今、何が…?」
「今更驚いてもしょうがなかろう。あいつは。」
「そいつはひどいぜ。俺はあいつと戦ったことがあるんだよ。ま、一回死んだけどな。」
「………」
「で、弱点は見つけてるぜ。だが、俺はそいつを突くことができない。……俺が言いたいことは、分かるな?輝。」
「俺がそこをつくんだろ?半分以上お前の手柄じゃないか。」
「だろ?とどめは決めさせてやる。じゃ、行くぜ、輝………朱雀?」
「もうそれでも良い。」
「じゃあ、朱雀ちゃん。」
「なぜそうなるのじゃ!」
「言ってる場合か!」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「いつも通りの耳障りかげんだな、こいつは。」
「お前と同じような、な。」
「そういうことにしておいてやるよ。」
「なら……行くぞ!」