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双狐炎狼伝  作者: おかかのみやつこ
四神八聖黒ノ獅子
35/39

黒い妖怪

何の報告もなしに投稿止めてすいません。8月最後に予定が大量にありまして……。

あと、今日から通常の投稿頻度、土~日「双狐炎狼伝」、月~火「ベラウィズ」に戻しますので、ご了承ください。

「で……帰ってきてみれば、なんで主はそんなに傷だらけなんじゃ?」

「聞く必要もないだろう朱雀。おおむね、悟空の試練でやられたんだろう。」

「Yes。その通りだぜ玄武。でも、こいつ百六十回行かずに達成したんだぜ?もちろん手は抜いていない。」

「楽しそうにしゃべってるが、俺にとっては地獄の時間だったんだぞ?」

「………よし。それより、お前の方の話を詰めようぜ。」

「話を強引にそらそうとするな!」

「まぁまぁ。」

「くどいぞ。岩の妖怪は岩らしく静かにじっとしておれ。」

確かに孫悟空は、もともと岩から生まれた妖怪だが……

「No。今は違うぜ?」

「黙れと言っておるのじゃ、”弼馬温”………あ、」

「あ、」

「やったな、朱雀。」

弼馬温。それは斉天大聖孫悟空における絶対的禁句。かつて天界で騒動を起こした際に仕方なしに天帝から授けられた役職なのだが、その役割は………

「あとは任せるぞ、朱雀。」

「あ、玄武!ま、待て悟空。悪かった。悪かったから!!」

「誰が……」

「だから、な?許してくれてもいいじゃろ?」

「誰が………」

「ご、悟空……?」

「誰が……馬飼いの端役だ!!!!!!!!!!」

そう、弼馬温は天における馬役の端役のこと。つまり、悟空の求めていた神に与える称号などではなく、どちらかといえば罪人などに与えるような役なのだ。実際、この称号のことを知った悟空は天界で暴れ狂い、五行山に閉じ込められることになるわけで……本人にとっては、二重の意味で聞きたくない名前なのである。

「覚悟しろよ……鶏野郎が!!!!!」

「誰が鶏じゃ!立場をわきまえよ!!」

「どうするんですか、玄武さん…」

「治まるまで待つしかないだろう。今我らが何を言おうが無駄だ。それよりこっちで、お前の連れを取り返すための算段を立てる方が建設的だろう。」

「やな。で、輝。お前が国外にシレっといってる間に、こっちもいくらか情報を集めておいたぞ。」

結局あの後、土地勘のある悟空に散々連れまわされ、こんな状況なのに戻るのに二日もかかってしまったんだよな……

「本当に申し訳ない。」

「どこか行くにしても、国外はないやろ……双子取り返して、黒曜も倒して………全部終わったら、俺たちも連れて行ってほしいとこやな。約束やぞ。」

「わかった。何とかしてみる。で、情報っていうのは?」

「私から説明するね~。どうやら、陰ちゃんと影ちゃんをさらったのは、半分黒曜軍の忍び部隊らしい。」

「半分?」

「黒曜は私たちが四神獣を入手するのを阻止したい。忍び部隊のほうはなんでか知らないけど、陰ちゃんと影ちゃんの身柄が欲しい。偶然利害が一致したみたいでね。」

「ハァ……確かに、黒曜からすれば生け捕りなんて面倒なことしないで、その場で始末すればよかった話。ほかの思惑が入っているとしたらつじつまが合うな。でもなんで……」

「Oh、なんか面白そうな話してるじゃねえか。」

「話を聞け猿!!」

「あの、まずはそっちで話を片付けてきてからにしてほしいんだが…?」

「もう片付いてるさ。こいつがごねてるだけでな。」

「うるさいわ!!」

「双子だろ?忍びは大体小さい村に住んでる。そういうとこは大体、何かしらの儀式があるんだよ。俺が天竺に行く時によく見た。大体強い妖怪とかは、そういう特殊な子供を欲しがるんだよ。」

「妖怪も関係してるのか?」

「俺も半分は妖怪みたいなものだしな。詳しくはわからないが、もしかしたらお前らが変身できるのも、何かしらの妖怪を依り代にしてるからかもしれねぇ。少なくとも、可能性がないといえねぇだろうな。ま、今はどうだっていいことだ。」

「儀式……生贄……双子……少女………まさか…!」

「何か心当たりがあるのか?鎖。」

「はい。おそらくお三方のいずれかはお知りだと思うのですが……贄喰(にえくい)、という妖怪をご存じですか?」

「贄喰、か…」

「妾は聞いたことがないな。」

「Wait!鎖とか言ったな。お前、贄喰のことを知っているのか⁉」

「贄喰?」

「ああ。俺の仲間、八聖獣の一人だ。趣味の悪いやつでな。」

「八聖獣の一人、か。」

「ああ。能力を得る方法が特殊でな。双子じゃないと無理なんだ。ここから先はだいぶ醜怪な内容だが………いいか?」

「ああ。双子を助けるために必要なんだろ?何でも来いって感じだ。」

「わかった……贄喰。少女の生贄を好む妖怪だ。気性は荒く、十年に一回”捧げもの”を出さなければ、その村に住むものすべてを食らいつくすという。生贄は二人。姉妹でもいいが、双子が望ましい。儀式の祭壇に、新月の夜現れる。その前に二人の村で生まれた少女の巫女を座らせ、贄喰はその中から一人を選んで喰う。そして選ばれなかった方はその夜、永遠とも思える長い悪夢にうなされ死ぬことになる。」

「同じ村……てことは、その忍び集っていうのは、」

「まあおおよそ、陰ちゃんと影ちゃんのいた村の人たちだろうね。」

「新月の夜までは?」

「………四日…です。輝さま。」

「四日…場所の特定を徹夜で終わらせるとしても、捜索できる日数は三日か…」

「見つけてすぐに移動、でないと厳しいでしょうね。」

「それなら妾に任せておれ。」

「朱雀…!」

「妾は捜索に関しては得意分野じゃ。妾の選んだ童女(どうじょ)らを連れ去った者など、半日で見つけてくれる。」

そういうが早いか、朱雀は素早く上空に赤い光とともに飛び立ち、鳶や鷲のような声を空に響かせる。その声と同時に伝わるのは、音だけではない。紅い波動のようなものと、ほんのりあったかい熱風も、同時に朱雀を中心に広がっていく。

「……これは?」

「朱雀の能力の一つ、《熱感知左眼》だ。朱雀の左目は熱を感知できる。そして右目、《一万里右眼》は、名の通り一万通り先まで見渡すことができる。この両眼を合わせれば、一万通り先まで、何があるかを手を取るように感じることができる。」

「便利だな。これをいつか、二人も使えるようになるってことだよな。」

「先に、二人を無事を確認するのが先やろ?」

「ああ、わかってる。」

「見つけたぞ。拘束されてはいるが、どうやら無事なようだ。近くにそびえる山の中腹付近じゃ。西に人口の洞窟がある。そこの中じゃな。ここからなら……」

「着きそうか?」

「安心しろ。ちょうど当日には着ける。今から駆ければ、だがな。」

「聞いたな?鎖、慶斗、桜。」

「ご安心ください。ここにいるのは焔雲家の中でも選りすぐりの馬。たとえ邪魔が入ろうと、夕方には付けるでしょう。」

「Don't worry。贄喰の儀式は暮れ十二。速攻で暴れりゃ、間に合うぜ。」

「そうと決まれば行くぞ……出陣だ!!」

どうでしたか?今回話に上がってきた「贄喰」の画像は次回以降、贄喰の本体が出てきた回で載せようと思います。四神獣たちの画像は、もう少し待っていただけるとありがたいです。

次回が青龍の人間フォルムぐらい出せるといいな…ってところです。

もし何かキャラクターについての質問だったり、「このキャラクターのこんなところは見たい、知りたい」「このキャラクターの姿が見たい」なんてことがあったら、どんなものでもメッセージなどで受け付けますので、どしどし送っていただけると嬉しいです!!

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