表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双狐炎狼伝  作者: おかかのみやつこ
四神八聖黒ノ獅子
28/39

祠の中で、

今日は割と朝早く出せました。これからも頑張ります。後、今回の話はちょっと分量少なめです。多分次の話は長くなるんじゃないかな?キリが悪かったので。

というわけで28話。おたのしみ(?)ください!

緊張の一瞬が過ぎ去り、約一分。

集中の糸が切れた俺はあれから、へなへなと地面に座り込んだきり、そのまま立ち上がれずにいた。

「ハァ~、何とか勝てた~。もう少し遅かったら死んでたな。」

極度の緊張、その余韻で震える筋肉。それを無視して俺は、壁を支えにして立ち上がる。

「でもまだ、一区切りついてもないんだよな。」

実際、ここは洞窟に入ってすぐのところ。ここが最奥なわけがない。その気持ちを感じたのだろうか。俺の首にかかっている青い宝石が、まるで「早く行け」とでもいうように明滅する。

そうして、まだ消しきれぬ疲労をそのまま、勢いに任せて歩き出す。

「青龍を見つけるまで、止まらせてはくれなさそうだな。」


       【—ここからはダイジェストでお送りします。—】


「—っと、これどうすればいいかな…」

俺の体は今、落とし穴の中にあった。この洞窟、落とし穴がやけに多いのだ。そのうえ、穴の下には無数の刀が待ち受けている。

「………どうするかな」


「—なんで!なんで!」

場面は打って変わり洞窟中盤。俺が追いかけられているのは、通常の大きさの二十倍にも迫るほどの大蜘蛛だった。

「無理!無理!ただでさえ虫苦手なのに!」

おまけにずっと追いかけてくるから、攻撃しようにも方向転換する機会がないのだ。つまり俺が今できるのは、しっかりと前を見据えて逃げることのみ!

「なんでだよ~!!」


「なんだ?これ。」

さらに場面は変わり、俺がいるのは洞窟内のくぼみの一つ。そこには、明らかに何か入っていそうな木箱が置いてある。ただ、その箱を開けるには鍵が必要らしい。来るまでにそれらしきものは見なかったけど……うん?

「まさか……」

後ろに戻り、先ほどなんとか巻いた蜘蛛の首元を確認すると…

「ああ!!」


「本当に萎える。」

結局、さんざん苦労してあけた木箱に入っていたのは、右手しかない篭手だった。

元からないのか、それとも何者かに盗まれたのかは定かではないが、少なくとも、今のところの使いどころはないだろう。






その後も、弓仕掛けに殺されそうになったり、毒沼を飛び越えたり……って、

「さすがに警備が厳重すぎないか?いや、神様がいるんだからわかるけど。それにしても、よ。これ、この宝石持っていてもたどり着けなかった人多そうだよな。」

そんなことをぼやいていると、いつの間にか、大きな扉の前に来ていた。

「扉?」

様々な装飾が施された、青銅色の扉だ。今まで木箱と罠以外人工物は見ていなかったから、こういうものを見ると、なぜだか少し安心する。

そしてその扉をよく見てみると、両開きになっている扉のちょうど真ん中に、何かがはまりそうなくぼみがある。

「これを入れるってことか?」

まあ、もし入らなくても、また道中へ探しに戻るだけだ。俺が首にかけていた宝石を外し、そのくぼみ近づけると、宝石は、俺が想像していたよりもぴったりと、そのくぼみにはまった。

「ええっと、合言葉か何かがいる感じか?俺知らないよ?」

「聞こえているぞ。」

「ゲッ」

俺が扉の開け方について疑問をこぼすと、扉の奥から声が聞こえてきた。話し方からすると、今までのボヤキは諸々聞かれていたらしい。

「その石は、私が認めたものしか手にすることはない。それだけで合言葉のようなものさ。」

扉の奥の何者かがそういうと、青銅色の扉は、「ギギギ…」というきしむような音を立てて開いた。扉が完全に開き、まず眼前に広がるのは、様々な青系統の色に装飾が施された、荘厳な空間だった。

そしてその中央には、一つの剣と、その近くの椅子に、一人の女性が座っていた。先ほどの声の主だろう。

まるで海のように濃く、それでいて空のように明るい青色の髪は(ひざ)あたりまで伸び、流麗な着物を身に着けている。腰には刀ではなく、この広間の中央に立つ片手剣の鞘と、芭蕉扇のようなものをさしている。

「自己紹介が遅れたな。すまない。」

みたところ三十台前半くらいに見える女性は、透き通るような、それでいた覇気のある不思議な声で言う。

「いや、別に。そんなことであやまられるようなら、俺は十回土下座しても足りなくなる。」

「それもそうだな。」

女性は口端で笑うと、柔らかな笑顔で、その名を名乗った。

「改めて、我が名は四神獣・青龍。審判を下す神龍とされていたものだ。」

どうでしたか?青龍が女性で、少しびっくりした人もいるのではないでしょうか。

今回は初のダイジェストを入れてみました。あの場面、ダイジェストにすると分量が少なくなるんですが、一つ一つ書こうとすると、これもなかなかに大変なんですよね……。楽しみにしていた方は、申し訳ありません。

それにしても、輝が手に入れた篭手、何の意味があるんでしょうね。片手ですし。篭手ってもともと、中世の騎士とかがよくつけてるはずなんですけど……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ