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双狐炎狼伝  作者: おかかのみやつこ
四神八聖黒ノ獅子
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落下、結果、邂逅

ごめん!本当にごめん!!予定が立て込んでいて、こんな遅くになってしまいました。重ね重ね申し訳ありません。明日はもう少し早く出せるように頑張ります。後、しばらく活動報告は休ませてください。楽しみにされている方はすいません。

「…行っちゃったねぇ」

「輝、大丈夫かな。」

「あいつのことやし大丈夫やろ。ま、戻ってこんかったら、そんときゃそんときや。」

「慶斗様、あなたも一応、輝さまの家臣なのですよ?」

「イイのイイの。そういうつまらないこと言わないの、鎖。」

「つまらない……」

「でも実際、後は、輝がしっかりやってくれるかに尽きるけど。」

「そんなこと言ってる影が、一番心配してるんじゃないのぉ?冷や汗でてるよ?あ、そんなに焦らなくて大丈夫だよぉ、嘘だし。………ちょっと、殴ろうとしないで!イタイ!イタイ!!」

「玄武さんによれば、ここん中は洞窟みたいになってるらしい。ま、せいぜい頑張ってもらうことにしようや。」


さかのぼること十分前。

いろいろと騒がしかった夜が明け、時刻は明け七つ。俺たちがおばあさんに案内されたのは、俺たちが最初にいた森の奥深くの、小さな祠だった。

「ここか…失礼だけど、意外と小さいな。」

「もっとは立派なものだったのですが、四神獣様方のお話を聞いた翌日、白虎神様が突如飛来し、この祠を一瞬にして倒壊させたのです。おそらく、青龍神様が弱っていらっしゃる今のうちに、追い打ちをかけようとしたのでしょう。」

「なるほど。この地面についてる青い粉は、そん時の奴やな?ったく、こんだけの瑠璃が使われてたんや。大分金かかったやろうに。もったいないことやってくれんな。」

慶斗の商人の感が言っているのだろう、実際瑠璃は少量でも立派な高級品。もしそれが一面に使われていたのなら、相当な建設費がかかるだろう。少なくとも、今は再建ができないほどに………。

「さて、行くか。」

俺がそういうのと同時、俺が肌身離さず持っていた青い宝石の首掛けが、突如として輝きだす。

「その青く輝く宝石は青龍神様が人をえらびし時に使う証。それを持っている者だけが、この鳥居の先に踏み込むことができます。」

俺がまだ小さかったころ、今はない焔城の中庭を冒険していた時に見つけた、青い宝石。それがこんなところで役に立つとは。

「っ—」

「大丈夫だ。」

俺が何か言おうとした影の言葉を遮ると、察したのか、影もそれ以上は何も言わない。緊張など、しているに決まっている。もしここで何か言われれば、たった今決めた覚悟が揺らぎかねない。






「いった~!!!!!!!!!!!!」

そしてそんな俺は今、早くも鳥居を踏み越えたことを後悔しつつあった。

何せ鳥居を踏み越えた瞬間、どこかしらの空中へ半強制的に身体を投げ出され、岩盤の上にもはやぎゃくに美しいほど思うほど見事に不時着したのだ。お蔭様で、今は絶大に腰が痛い。

腰の痛みと羞恥とで、頭まで痛くなりそうだ。

「っても、ここから動かないわけにはいかないな。ここは…洞窟か。」

身の周りを取り囲む大岩に、先ほど重力という名の理不尽とともに俺の腰を傷つけた岩盤、そして洞窟まで続く青い結晶体たちが、ここが洞窟であることを物語っていた。洞窟ではなくとも、あの祠の付近にある場所ではないだろう。

ここに連れてことに文句を言っていても仕方がない。まずまず、自分の知らないところに突然連れてこられる言うのは、どこぞの二人にたっぷりと味わされたので経験済みだ。

「でも、さすがに何もないのはな…。別に標識なんかを望んでるわけじゃないg…」

「汝、何を望む」

「っ!」

いつからいたのか。俺の目の前には、黒と青の甲冑に身を包んだ侍がたたずんでいた。

背は高く、顔は闇に覆われ見えないが、妙に無機質に聞こえるその声と、体からあふれ出る威圧感。肩や背にまとう青色と紫の炎が、人ならざるものだということを、すべての感覚器官に訴えかけてくる。

久方ぶりの、それも思わぬところでの強者との邂逅に思わず体が戦慄し、口角が上がる。

「汝、青龍神に何を望む。」

その侍は腰の刀に手をかけ、今にも切りかかりそうな構えで俺に問う。

「おれh—」

俺がしゃべり終わる前、いや、もはや口もあけていないようなときに、侍は刀を抜き切りかかってくる。俺はすんでのところで横一文字に振りぬかれた刀をよけ、周りの地形を把握しつつ抜刀し、刀身を炎で包む。

「人に聞いておいて、答えさせる気はないみたいだな?」

「…」

うまいことよけて通れはしないかあたりを見渡してみるが、どこもかしこも、岩、岩、岩…武者の周りも、まるで避けて通るなというように狭まっている。

「どうやら、お前を倒さないことには、ここは通れないようになっているらしい。」

俺の声に反応するように、武者は、その手に持つ刀をもう一度握りなおす。

「いざ、尋常に!」

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