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双狐炎狼伝  作者: おかかのみやつこ
四神八聖黒ノ獅子
21/40

その男、謀反者につき

暑いですね…て、これ毎回言ってるような気がするな。

ま、特に視点を変えるなんてこともないんですけど。

結局遅くなりました!!明日に「ベラウィズ」のほうもおそらく上げるので、(二時半時点で急用が入ったため未定。少なくとも土日にはあげます!)楽しみにしておいてください。

それはまだ、焔雲が松平—現徳川将軍家—の家臣だった時の話である。

人々が恐怖に駆られ、数多の方向へと逃げ惑う声が聞こえる。

ほかの音が聞こえるとするならば、火の手がゆっくりと、町を飲み込んでゆく音だろうか。

「貴様。自分が何をしたのか、わかっているのか!!」

激しい怒りにその身を震わせ、鬼のような顔で激昂しているのは、十年前の輝の父、焔雲 閃光である。

そしてその前には、今の輝と同じぐらいの歳の少年が立っている。

瞳は漆黒。その少年は、炎が街を食らいつくさんとするこの惨状の中、ただ一人、薄ら笑いを浮かべていた。

「んな怖いこといなねぇでくれるかな、親父殿。後、ちゃんと名前で呼んでくれるか?ちゃんと黒曜っていういい名前があるんだから。親父殿とお袋がつけてくれた、大切な名前だからなぁ。」

戯言(ざれごと)を言う暇があるならば答えろ!なぜこんなことをした。江戸の町を焼くなど……それも、歴代でも稀有なその力をもって!!」

「なんでだろ…………ちょっと、飽き飽きしてたんだよなぁ。毎度毎度面倒ごとだけ押し付けやがってよ。これまではさすがに我慢してきたが、その上ほかの家の養子にだすだぁ?親心もくそもねえな。…そうだ、親父殿。家出るついでだ。ちゃんと置き土産も用意してるんだぜ?」

「っ―!」

「いくら爺様といえど、孫に切りかかってきたんだ。家族?親族?…否、敵だ。」

そういい黒曜が差し出したのは、貫禄のある老人…の、頭部。今亡き輝の祖父、その躯だ。

息子が己が祖父の生首を差し出した、次のコマ。

切れ味のよさを感じる斬撃音と、重めの柔らかい物体が落ちる音が、半音遅れで聞こえてくる。

「いっー!!右だからよかったけどさ。子供の腕きるかとはないじゃないかな?」

「黙れ、痴れ者が。」

そう、低い声で言う閃光の口からは、きつく歯を食いしばる音が聞こえる。

「江戸の町奉行として、今日この日より、焔雲 黒曜を江戸、および焔雲家より永久的に追放することにする。二度とそのツラ見せるでない!!!!!」

「なっ⁉-フ…フフ、ハハ……ハハハハハハハハ!!…ハァ。わぁったよ。」

「…遺言だけ聞いておこう。」

「別に死ぬわけじゃねえんだが…ま、死んだも同然か。桜と輝。あの二人にはぜってぇ言うなよ。こんな奴に言われても、恥にしかなんねぇ。」

「…」

「お前らは俺より強い。”賢く”生きろ…そしていつか、絶対に俺を殺しに来い、てな。」

「……あい分かった。」

「サンキュー、親父殿。元気でな。」

そう言葉を残し、元凶は江戸の町を後にしたのだった。

後、急用の関係で、今回の豆知識コーナーは取りやめにさせていただきます。楽しみにしていた方(いる…?)は、申し訳ありません。

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