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双狐炎狼伝  作者: おかかのみやつこ
四神八聖黒ノ獅子
19/40

”四神獣”

投稿遅くなりました。暑いですね。外に出たくなくなる季節。掃除の後は常にクーラーの利いた部屋の中です。六月から続くこの暑さ、皆さんも一緒に、頑張って乗り切りましょう!

 話を進める前に、まず、慶斗の話をしなければいけない。

俺が双子がいた村から江戸に帰ってくる際、その道順を教えてもらった商人がいたのを覚えているだろうか。その人物こそ、今、俺の目をジト~っと恨めし気に見つめる慶斗その人である。

もともと堺の商人だったのだが、俺たちが進めていた”あること”に興味を持っているようだったので、これ幸いと仲間に引き込んだのだ(巻き込んだ、ともいう)。

慶斗も実は能力持ちで、その能力が、俺たちが仲間に引き込んだ理由でもある。

今は、焔雲家の内政官、兼、情報屋を務めてもらっている。決して、今まで「めんどくさい」という理由で、内政官がいなかったわけではない。決して。そうではない。

「おい。」

「はぁ…なんだ?またお前の机にずんだ餅は置いといてやるから先行っておいてくれ。俺はあと二十四時間後に行く。」

「それ一日たっとるやんけ!そんなに待てる思うなよ!」

「大丈夫大丈夫。慶斗なら待てるよぉ。」

「…」

「人の苦労も知らずによ。陰の言葉もあれやけど、影もそんな目でみんな。俺がおかしいんかともうやん…」

「大丈夫だ慶斗。お前はもう十分おかしい。」

「自分の家臣に仕事全投げするお前のほうがおかしい思うけど⁉」

「…」

「「…」」

「…あれ、俺なんかおかしいこと言うた?」

「え?逆におかしくないと思ってたのか?おまえ。」

「さっきと同じ会話始めようとすんな!はぁ…せっかくいい情報持って来ったのにな~、残念やな~。」

「グヌヌ…」

「グヌヌちゃうわ!まずまずお前が頼んだことやろ!」

「そうだっけ?」

「おい!」

「…わかった。お遊びはここまでにして、そろそろ行くか。陰、影、お前らもな。」

「ハァイ。」

「うん。」


慶斗の後を追いたどり着いたのは、先ほどまで俺が数多の紙とにらめっこをしていた政務室であった。

「…吐きそう」

「おい。」

「冗談だよ…で、何か見つけたか?」

「もちろん。理由がないんやったら、当主が忌み嫌う部屋にわざわざ連れてくる理由ないやろ?な、玄武さん。」

慶斗がそう声をかけると、その肩に、突然、小さな亀が現れる。少し甲羅が高く、その周りに、蛇のような生物もまとわりついている。

そう。これが、慶斗に依頼していた調査の内容…直接というわけではないのだが。

慶との説明は、途中で陰はともかく、割とまじめな影も眠ってしまうほどに長かったので、カットさせていただくことにする。

話の内容を簡単にまとめると、こうなる。

一つ目。

俺たちの持つ獣化する能力には、「四神獣」と呼ばれる「玄武」「朱雀」「白虎」「青龍」の四体と、その下につく「八聖獣」という八体の「自らの意思を持つ能力」が存在し、これらの能力を保持する場合、慶斗のように能力そのものが実態を持つ場合と、もともとの能力の保持者が「四神獣」、または「八聖獣」を吸収する場合の二つがあるらしい。

二つ目。

この能力を入手するためには、それぞれに定められた特定の「試練」なるものを来ないといけないらしい。(慶斗はいつの間にかその試練をクリアしていたらしい。)

そして三つ目。

「四神獣」「八聖獣」含め、俺たちの持つ獣化能力は、”何者かによって作られた”ものだということらしい。

「・・・」

「…眠そうやな。」

「そりゃ。ほら見てみろ、二人とも気持ちよさそうに爆睡だぞ?」

「まあ長かったからしゃあないか…さすがに理解はしてるよな?」

「もちろん。でも…そうか。」

「あとはもう、俺たちが直接言って調査するしかなさそうやな。なんでそんなに、お前が欲しがってるんかはわからんけど。」

「ほしいんじゃなくて、協力してほしいんだよ。」

「?」

「—俺は、知りたい。なんでこの能力が作られたのか。誰が、どうやって、何の目的で…そして、できることなら、この能力を消したいとも思っている。」

「はぁん…」

「意外な反応だな。」

「大体予想してたからな。ま、深い理由は聞かんとくわ。で、現地調査のことやけど…」

「?」

「場所の目星はいくつかつけてるねんけど、いかんせん調査隊は六人想定だが、だれにするかってのは、当主様の許可なしには…な?」

なるほど、それで俺を呼んだわけだ。ところどころずさんに見えて、こういうところは、商人らしく抜け目ないのだなぁと思う。

「基本は俺とお前、あと双子。」

「ふぁ…⁉」

「だってさ、陰。お疲れ。」

「お前起きてたのかよ…」

「逆にいつから寝ていると?」

「まあいいや。そこで盗み聞ぎしてる鎖もな。残念だが、だいぶ前からばれてるぜ。」

俺がそういうと、俺の真後ろに位置する扉が「バンッ」という音を立てて開く。

「別に入ってきても良かったんだぞ?」

「入ってくる理由がありませんでしたし、何より、私には無縁の話だと。」

「その無縁の話、割としっかり聞いていたようだが?おまえそういうところだぞ。まあいい。調査隊は六人編成といったな?」

「ああ。できるだけ融通の利くやつがいい。その中に、この家の中心人物がほぼ全員詰まっているのは、いささか疑問ではあるがな。誰か当てはいるのか?」

「ああ。鎖、今、あいつは?」

「はい。おそらく。あの方にしては、珍しいこと限りなし、というところですが。」

「それ使用人が言っていい言葉か?ともかく、今いるなら、ダメもとで説得しに行ってみるか。お前たちもついてきてくれ。最悪、勢いで押し切る必要があるかもしれない。」

「ファ…どこに遊びに行こうとしてるのぉ?輝。」

「遊びに行くんじゃなくて人捜しな!最悪勢いで押し切る遊びなんか、相撲以外に聞いたことないぞ。」

「相撲でも一対一やな。」

「私が代わりにご説明しましょうか?」

「ああ…いや、いい。俺たちが今から会いに行くのは、焔雲家内での、別名「天性の遊び人」。この場内で、父の次に厄介だった…そのくせ鎖みたいに自頭だけはいい…」

「それ私も一緒にけなしてません?」

「けなしてんのかほめてんのかも定かじゃねえがな…」

「輝ってそういう人だよぉ?」

「平常運転、平常運転。」

「お前らはそれ完全に悪意あるよな…?」

「おい、話そらすな輝。」

「けなしてるのは俺じゃなくてお前らな!ー俺たちが会うのは、俺の姉…焔雲 桜だよ。」

思ったより長くなってしまいました、すいません。同時に出す活動報告で、ちょっとした豆知識も出すので、楽しみにしておいてください。

あと、「ベラウィズ」のほうも、今週の火曜に出す予定ですので、そちらも待っている方は、楽しみにしておいてくれると嬉しいです。今後とも、よろしくお願いします。

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