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双狐炎狼伝  作者: おかかのみやつこ
白骨の陣
13/39

燃ゆる

こんにちは。もうお昼です。まだ寝間着です。たまには部屋でゴロゴロしたくなりますよね。もうすぐ梅雨入りするかもって話ですし、外に出ておいた方がいいのかな、とも思いつつです。

右ひざの痛みは治まりました。今は左が痛いです。

「嘘、だろ…」

「けど、この状況的に…」

「残念ながら、嘘じゃないみたいだねぇ…。」






時は、半刻前に遡る。

江戸から、急遽やってきた早馬。

それが伝えたことは、先ほどまで呪骨家を討った喜びでてんやわんやしていた自陣を、一瞬で騒然とさせるものだった。

「焔城が襲われているだって!?」

「はい。将軍様は、確かにその通りに。今は、幕府の軍で押さえているらしいのですが、元が忍び戦のため、大きく兵を動かすこともできず…」

「まずい…かなりまずい。兵をいくらか残してきたとはいえ、千も二千もある相手を、幕府の軍を入れても押し返すことができるとは思えない。」

「その上、この量の軍だと、今動かせる兵全部動かしたら、休養とかを入れれば、丸二日かかる。」

「少数で言っても、丸一日は必須か…」

「いえ…我らの中でもっとも速度のでる馬を使い、少数精鋭休養なしでいくのであれば、馬の体力を鑑みても、三刻半以内に着くことは可能です。」

「そうか…でも誰を連れて…」

「輝様。」

「?」

「あとは残党を廃しながら、国元に帰るだけです。その程度も不可能なもの、この陣の中にはおりません。輝様は一刻も早く、双子とともに、国で待つものたちを助けてください。」

「…わかった。後は頼むぞ。」

「お任せください。」

「そうと決まれば、行くぞ。二人とも。」

「うん。」

「りょぉかい。」






そんなわけで、馬を休ませながらできる限りの最高速度で江戸を目指し、約三刻(現実で言う三時間)で焔城に到達したわけだが…ここで、冒頭のシーンに戻ることになる。

そこにはもはや城の影はなく、幕府軍と呪骨家の別動隊が入り乱れる、炎の戦場と化していた。

「あなたが、焔雲家の当主ですね。」

「ん?ああ。」

俺たち三人が、燃え盛る城の跡を見ていると、幕府軍の大将と思われるものが声をかけてきた。

「…人員の被害は?」

「今もまだ見つかっていないものも何人か。少なくとも、百は…」

「そうか…呪骨家は?」

「まだいくらか残っております。奴ら、主力の一つである「呪骨三人衆」をこちらに配置していたようで。」

「であるか…ご苦労だった。お前たちは、陣を取っ払っていいぞ。」

「いえ、ですがまだ…」

「聞こえなかった?大将さん。」

「輝は「退け」って言ったんだよぉ。」

「ですが、将軍様から、輝様の手助けをするように、とのお達しで…」

「将軍様には、俺が駄々をこねたから仕方なく帰ってきたといっておいてくれ。どちらにしろ、俺のわがままには違いない。ここからは手出し無用だ。」

俺がそう話していると、城から逃げ出し、武器を拾ってきた焔雲の兵たちが、俺と双子の周りに集まってくる。

「イイか、これは図らずも父の弔い合戦だ。だがそれは、将を打たれた向こうも同じこと。もとより向こうが吹っ掛けてきた喧嘩だ。勝手返り討ちは面白くない。」

俺が話す周囲で、部下たちの得物を持つ手に力が入っていくのが分かる。こう見ると、意外と父は信頼されていたのだな、と改めて感心する。実の父に、感心するも何もないのだが。

「ここで終わらせる。皆殺しまではしなくてもいい。あくまでも撃退だ。だが、俺たちの城を燃やした報いは、ちゃんと払わせろ。目標は呪骨家別動隊の撃退。全体、構えろ。」

俺がそう声をかけると、朱色の甲冑に身を包んだ焔の侍たちが、一糸乱れぬ動きで突撃の体制を作る。

「全体、かかれ!」

「「「「「応!」」」」」

「…お前が、うちの大将討った畜生か。」

仲間たちが城に救う呪骨家の別動隊めがけ駆け出して行った後。

後ろから追っていた俺と二人の後ろから、不意に声をかけられた。

その声が含むさっきから、俺たちは振り返ると同時に、自分たちの武器に手をかける。

そこには、「呪」「憎」「怨」とそれぞれ書かれた甲冑を身にまとう、三人の武士(もののふ)がたっていた。

と、いうわけで、どうでしたでしょうか。

前から言っていましたが、今回の「白骨の陣」編は二部構成となっています。

前回ぐらいの鮮血との第一回戦、第二回戦が区切れだと思った人も良かったんじゃないでしょうか?

残念ながら、ここからの「対呪骨三人衆」が第二部となります。

城…燃えましたね。

燃える前の焔城の様子と、炎に包まれた悲しい画像、どちらも張り付けておきますので、横れば見てください。


焔城

挿絵(By みてみん)

燃え行く焔城

挿絵(By みてみん)

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