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第三幕 第二話 【 The Awakening 】

第三幕 第二話です! やっぱ戦闘シーンっていいよね

夕飯が終わると漆川に呼び出された。ちょっと歩かないか、と。外に行くと寒い中漆川が待っていた。

「ごめんなさいね。突然呼び出したりして。」

こういう時にどう反応すべきかは知っている。

「いい、こっちこそ寒い中待たせてすまない。」

そう挨拶(?)を交わして歩き出す。沈黙が流れ何とはなしに公園に着いたところで漆川が口を開く。

「あなたの……」

と言いかけその瞬間彼女は俺を抱えて横っ飛びをした。と同時に、耳をつんざくような音がする。土煙が舞い、それが中にいた男の手のひらを動かして起きた突風により払われる。その男は気味の悪い舌なめずりをしながらフードを外す。

「ハッハッハァーー!!今夜はうまそうな獲物がいるなあ。お前うまそうな意素を持ってるじゃねえか。それにいい反応速度だ。」

そのフードを外した男の顔を見たその瞬間、心臓が大きく脈打った、それには気づかず、男は自己紹介をする。

「俺はアルベルト。しがない悪魔だ。」

よく見るとその男の身なりは妙だった。黒いコートに身を包み、禍々しい黒色の粒子を放っていた心臓の脈動はその間にも強くなり、ひときわ強い脈動を行った瞬間———赤い閃光がガラスの彼岸花から解き放たれた。無意識に言葉が俺の口から紡がれる。

死へ(Dance)(to the)舞え(Death)血燐(ブラッディ—)鮮花(リコリス)》』

「…………っっ!!!」

アルベルトが思わず後ずさる様子を見ながら自分はガラスの彼岸花が変容するのを見る。それは形を変え身を包み、手の中に何かを生成した。それを見て漆川が驚愕に顔を変化させる。

「《核武装》⁉」

何かはわからないが体は上から下に行くにつれ赤から黒にグラデーションしていく布に彼岸花があしらわれたコートに覆われ、手の中には、短剣があった。それは、刃が白く波紋は重花丁子を描き平は赤黒く根元には白い彼岸花、そして舞い散った白花弁が龍にかわっていく模様があしらわれている。

「てめえ、なんだそれは?」

アルベルトは上ずった声で尋ねる。

「俺にもわからん。つかぬことを聞くが、おまえ、車を炎上させたことはあるか?大体8年位前だ。」

それに対してアルベルトは苦虫を噛み潰したような表情となり即答した。

「ある。あの時おれは辛酸をなめさせられた。あるガキが覚醒してな。確かアイツは……まさかお前か⁉」

「ご名答。なんでおれが結界に残ったかやっとわかった。」

「何のことかわからないが、あのガキならば今回こそ()る」

すると漆川が介入する。

「私を倒してからにしなさい。」

「ああん?なんだ、まあ、お前はうまそうだしついでに()るか」

アルベルトは漆川に標的を定めるが、それを俺が止める。

「漆川。アレはおれが()る。こいつがそう言っている」

《鮮刀》を指さす俺に漆川は振り向き、

「ダメ、あなたの《核武装》はまだどんな能力かもわかっていないのよ。」

「アレは俺の姉を殺した。その時の憎しみがこの《鮮刀》には蓄積されている。」

「…………っ!」

俺の発言に漆川は硬直する。

「わかったわ。でも危なくなったら即座に参戦するからね。念のため私も《核武装》を展開する」

と言って黒刀のアクセサリーを取り出し唱える。

虚無(Vanish)(into)消えろ(the void)冥界刀(ネザーランドソード)》』

前に見た鎧に彼女は包まれ黒刀を手にする。

「了解」

漆川の許可が出たので、おれは《鮮刀》の切っ先をアルベルトに向ける。

「じゃあ、『死ね』」

それに対しアルベルトも殺意満載で言葉を紡ぐ。

灰に(Burn to )なれ(ash)《灰燼》』

コートが消し飛び、彼は橙色の鎧に蒼い炎があしらわれた西洋風の名前に反して日本の鎧に身を包み、赤い龍があしらわれた黒いつかに、刃から放出された碧い炎に反射して鈍く輝く刃のついた薙刀(なぎなた)。それを両手で持ち、斜め前に構える中段の構えをする。そして合図もなく、死闘が始まった。俺は体の赴くままに動きをゆだねる。

地を這うような動きで瞬時にアルベルトとの距離をゼロに、首元に向かって刃を突き出す。

「…………………………っ!疾いっ!」

あわてたように紙一重で首をそらす。俺の刃に血飛沫がつき、アルベルトの首の薄皮が切れる。しかし相手も戦いなれているのかすぐに態勢を立て直し手を後ろに引き刃をおれのほうに近づける。それを上に飛びあがることで回避。刀で兜をたたき割ろうとした瞬間、

「《獄炎》」

体が燃え上がる。それを見て恐怖と後悔の思いに顔を染める漆川の顔が炎を通して見えた。

しかし、

「なんだ?」

自分の周りに結界でもあるかのように自分の周囲3センチには炎がなく周りの熱も感じられない。

——これは脅しの炎、いや、目くらましか?

と推測していると焦りの表情を見せるアルベルトの姿が見えて効いていないだけだということがわかる。しかしこの間にも戦いは苛烈を極める。刃と刃の鍔迫り合いにより、火花がちり闇夜を照らす。

「ちっ!さすがに訓練をしているだけある。手こずるな。」

炎が効かないと気づいたところで、相手を見にくくする炎を一瞬で消す。

「いや、これを扱ったのはあの()()以来初めてだ。」

「んな⁉」

しかし俺も今は流れに乗っているに過ぎない。このままでは押し切られると思った瞬間ある情報が頭の中にフラッシュした。その情報を読み取った俺は攻防から攻撃に戦闘スタイルを変える。

「……っ!」

突然スタイルが切り替わり翻弄されるアルベルトを果敢に攻める。攻撃に徹することで至近距離での戦いに変わり、中距離での戦いが得意な薙刀では戦闘がしづらくなる。そのすきを逃すはずもなく。そして、

「何⁉速度が上がった?」

——そんなことはない。動きにも緩急をつける高尾で相手は突然動く俺に反応しづらくなり早くなったように見えるだけだ。むしろ俺の動きはさっきより遅くなっている。そのようなネタ晴らしをすることはしない。情報も戦いでは武器だ。緩急による翻弄に気づかれる前にあれを発現させる。

相手には確かにダメージが入っているようだが自分にも少しずつ傷が増えていく。

つばぜり合いに押し負け強制的に話され中距離となる。そこに薙刀が振り下ろされ攻撃が当たるところで

——間に合った。

「《血鮮舞踏》」

アルベルトの顔が驚愕に染まる。いつの間にか俺の銀色の刃が紅に染まり彼岸花と龍が真紅の輝きを出していたから。そこから俺は———死への舞いを始める。横に薙がれた刃を《鮮刀》の平でそらし、柄にふわりと()()()()()()()()すべるようにかけ、アルベルトの首へ吸い込まれるように刃が近づく。アルベルトはそれを寸前で首を後ろにそらし、回避するが、刃から飛んだ火の粉のような血が首に当たる。その瞬間、アルベルトが苦悶の表情を顔に露出させた。

「……っ」

その粉が触れた部分から細胞が壊死し始めたのだ。アルベルトは戦い続けるがその動きは精彩を欠き始める。俺の舞いにより、アルベルトの周りには血の粉が舞う。それにあたるたびその部分が壊死していくため、アルベルトは体が動かしにくくなっている。

「きれい………」

そばで見ていた漆川がつい言葉を漏らす。

刃を踊るようにくるりと回りながら受け流し、音もなく、ゆるりと、しかし、素早く近づき鎧の隙間から確かな一撃を打ち込む。刃が当たったところは壊死し、そこから血液中に浸透した血の粉が体中を壊死させ始める。

そしてそれが続き……動きが遅くなったところに猛攻を仕掛ける。前から攻撃を仕掛けたかと思ったら、くるりと後ろに回り込み、斬撃を叩き込む。慌てて体を反転させたアルベルトに突然体を沈め、一瞬アルベルトが自分を見失ったところに足へ鎧を粉砕して攻撃を加える。

「オラァァ!!」

アルベルトは薙刀を振り下ろし俺を狙うがそれをゆらりとよけ地面に刺さった薙刀を軸に一回転し、遠心力を乗せたけりをみぞおちに叩き込む。

「……ッッッッッ!!グハァ!」

アルベルトは吹き飛び、内臓が傷ついたのか血を吐く。しかしそれでも抗い立ち上がり、俺の姿を探す。

「ッどこだ⁉上か!」

飛び上がった俺を見失い気づいて体をそらすが間に合わず、肩に深手を負う。

上下左右の攻撃に防御が崩れ無防備な首がさらされる。しかし、

——これで決める、

と思った瞬間殺意が爆発した。

「《塵となれ》」

アルベルトが爆炎に包まれる。そして、()()()

鋭い殺気を右から感じ、頭を下げたところを鋭利な刃が通る。それに髪の先が切られそちらを振り向くと体が蒼い炎を漂わせるアルベルトがいた。外は灼熱なのだろう。漆川は膨大な汗を流し、熱波から体を守るように手をクロスさせている。しかし、この膨大な力の対価は重いらしい。その証拠にアルベルトは口の端から常に血を溢れさせている。

「カハッ!次で…きめる」

そして最後の力を振り絞るように火力が上がる。アルベルトの些細な動きさえも捉え、いつでも動けるように身構える。一瞬、しかし極限まで集中した両者には永遠のような時間の後にもたらされたのは………

倒れたアルベルトだった。しかし、それと同時に俺の脇腹から血が噴き出る。ぎりぎりで致命傷は避けたが脇腹を深くえぐられた。幸いなのはコートを覆っている結界が刃の一切の炎を消したことだ。

「七瀬!!」

漆川が駆け寄ってくる。しかし、俺はそれを手で止め、

「ゲホッゴホッ。とどめを刺す」

冷静に言った。漆川が息をのむ。

「……っ」

俺は、アルベルトに近づき、ゆっくりと紅く光る刃を持ち上げ……

振り下ろした刃が()()()()()()()された。

おれは飛びのき様子をうかがう。幸い刃をつかんだ手はすぐに離された。

「七瀬、離れて!」

横から憤怒と焦燥が入り混じった声が鋭く飛ぶ。いつの間にか横に漆川が立っていて今までに見たことないほど感情を露わにしていた。

「ソイツは私が倒す!」

そういう漆川を止める。

「むりだ。そんなに焦りと憤怒を露わにしていたら思うように動けない。」

しかし、冷静でない漆川はそのようなこともわからないようで、

「いや!」

言葉では止められなさそうな漆川が前に行こうとするのを漆川の手をつかんで止める。しかし、脇腹を大きくえぐられた俺は力が出ず、引きずられる。力を籠めるため傷が痛んだ俺は、

「グッ……!」

その苦悶の声を聴いて漆川はようやく少し冷静さを取り戻し、足を止める。その様子を見た俺の攻撃を止めた奴は声を出す。

「新手?」

意外にも声は女性だった。しかし、どこかで聞いたことのあるような声に頭の中で少し考える。

「ワタシはコイツを回収しに来ただけよ。じゃあまたね」

と奴は言った瞬間奴の隣の空間がぐにゃりと歪み奴はそこに飛び込む。

「待てっ!」

漆川が追いかけようとするがその前に空間は正常に戻ってしまった。

「誰だ、奴は?」

俺は問いかけるが彼女は唇をかむことしかしなかった。そのまま返事をすることはせず、ただ一言、

「帰るわよ……」

と言って武装を解除し、公園を立ち去ろうとする。俺も追いかけようとしてまだこの《核武装》とやらを着たままだということを気づく、どうやったらもとに戻せるのか聞こうとしたら、《核武装》が霧散し、あとには彼岸花が寂しそうに胸の上で揺れるだけだった……


「戦闘シーンきたああああああ!!!!!!」

「龍二の核武装かっこよ!!」

「ほう…因縁の相手ですか……」

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この一瞬で消え去るモチベの炎の燃料になるから押してくれると嬉しい!

書き方をこうしたほうがいいんじゃない?など辛辣なコメントもお待ちしてます!(ほめるコメントも大歓迎!)

明日も二話投稿します!また遅れるかもしれない。本当にごめん!!

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