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第二幕 第三話 【 why are you here? 】

第三話!

ちょっとは長くなったかな?

目の前に常人なら目を奪われ思わず寄って行ってしまうような美貌の少女がいた。

これを説明するにはこのお昼の時間から時間を3時間半ほど巻き戻さなければならない。

———朝起きるとそこは見慣れた自分の部屋で記憶は残っていた。しかし、もうこの話は他言無用なので、もう気にしないことにしながら、いつもどおりの朝を過ごし、学校へ何人かの友人と雑談を興じながら学校に通う。笑ったり相槌を打ったりしながら学校につき、自分の席で一日の準備をする。

——昨日の損傷は残っていない、か。大方あの異能力(ちから)でどうにかしたのだろうけど。

ここまではこの変な思考以外、日常だった。しかし先生が放り込んだ爆弾発言によりいつもの日常は崩れ去った。

「は~い。みんな~。今日は転校生が来るよ~」

担任の白雪愛莉先生の間延びした誰もが聞いてほんわかとなるような声で。彼女は過かにかかるほどの髪に白い肌、おっとりとした目つきに140センチくらいの身長なのだが、その身長は胸に奪われたようだ。授業中に高いところに手が届かず、ぴょんぴょんする様子は小動物のように可愛いうえに、双丘がものすごく揺れるので、みんな手伝う前に少し観察するまでがお約束。話を戻そう。

当然クラスは騒然となる。

「女子かな?友達になれるといいな」

楽しみな女子たちや

「美人かな」

下心満載な男子。

「あほか」

とそれを俺は驚きを顔に張り付けながらはたいて止める。

——まあそんな物語のようなこと起こるわけないだろ。

と思いながら、白雪先生が転校生を教室に呼ぶのを待つ。

「じゃあ入って~」

と、先生が呼ぶと

「はい」

という澄んだ声とともに音が比喩ではなく本当に消えた。いや、入ってきた少女の靴の音以外は。その美貌に目を奪われ皆が息をするのも忘れ沈黙する。ふわりと広がる白髪に紫の目、同じ人間とは思えないような整った顔に、着ているのは。うちのセーラー服、なはずだ。はずと言ったのは

「あれうちのセーラー服?私たちと同じ服を着ているようには思えないんだけど」

といった女子のセリフから推して知るべし。そして黒板に描いた名前は——

《漆川凪白》

「突然父の異動で転校することになった漆川凪白です。よろしくお願いします。」

と言って優雅に礼をした。ここは進学校でほぼすべての人が授業は結構しっかりと聞きたい人が多いので前の席を取りたがるが、自分は割と席に頓着しないせいか、後ろの端に座っている。

「じゃあ~、あなたは七瀬さんの隣に座ってね~」

そんなふわふわとした声とともに朝会は終わった。

そのあとの授業は漆川がとても頭がいいこと、よくちらちらと視線が、発言したり、髪をかき上げたりするたびに集まること、休み時間に最初はみんなが声をかけるかどうかその美貌に気おされてかけなかったが、一人が声をかけ始め、そこから我先にと女子が声をかけ始め囲まれたこと以外、普通だった。

——いやここまで起きてたら普通じゃないな。しかも先生たちもチラ見してた。

とくだらないことを考えながら昼飯を食っていると隣から声がかかって話は冒頭に戻る。


「で、漆川さん。なぜここに?」

公邸にあるベンチに二人で座りながら当然のことを聞くと、漆川はこてんと首をかしげ、

「その様子だとやはり記憶は残っているようね。なら言うけど当然じゃない?あなたの知り合いが来たほうがあなたに記憶があるかどうかわかりやすいし、それに、私高校生よ?」

「そうだったんですね。もっと年を取っていると思っていました。」

「なによ。私が老いているといいたいの?」

名城は頬を膨らませて不満を口にする。まるで口に食べ物を入れすぎたリスのように。

クラスメイトはギャップで尊死するだろう。じぶんは慌てた顔を作り、

「そういう意味ではなく大人びていて二十歳くらいだと思っていたので」

といった瞬間、漆川は顔をフッとそらした。

「?」

と思ったが、その疑問は彼女の耳を見て氷解した。

——もしかして照れてるのか?

彼女の耳は粉雪から、椿(つばき)に代わっていた。しかしその色も徐々に薄まり、こちらを向き、

——あ、また向こう向いた。

さっきより彼女の耳の色は薄く、桜になっていたが。

「ともかく、私はある程度の距離から監——見守っているから。」

——監視って今言おうとしなかったか?というか監視するって言われてんだし言い換える必要あったか?

ということを考えていると、

「こんな短時間しか話してないのは不自然なので、少し学校について教えてくれないかしら?基礎情報しかこの学校について知らないのよ」

「わかりました」

しばらく学校の話をして、

「それじゃ。あと私と話すときはため口でいいわよ」

という言葉を残して彼女は去っていった。すると

——?

ぞわっと寒気を感じて周りを見渡すと多くの視線が自分に集まっていた。男子からは嫉妬の視線が、そして女子からはラブコメを見たような好奇の目が。

——確かに漆川は目を集めるし、特にあんな赤面していたら勘違いを生むか。

視線の強さによる疲れでハァとため息をつきつつ残った昼飯を食おうと教室に戻る。

そう、その時の俺は気づいていなかった。教室のみんなも俺と漆川がラブコメ(?)をしているうわさを聞きつけて教室の窓から俺らの様子をうかがっていたことを。


教室に戻ってからなぜか教室が静かだと感じながらも席に着き卵焼きを口に入れようとした瞬間、

「おいおいおいおいおい。なにあんなにラブコメしといて平然と飯を食おうとしてんだ」

俺の友人の一人、相澤一樹が絡んできた。

「なんだ?」

すると一樹はジト目を送ってきて

「あそこまでイチャイチャして『なんだ?』はないだろ」

「わざわざ俺の口調をまねしなくていいし、イチャイチャもしてねえ」

いっそう一樹はジト目になりながら器用にもニヤニヤしだした。

「ほ~う?それは言葉で相手を赤面させるのはイチャイチャの部類にすら入らないと。おい、みんな聞いたか?」

すると堰を切ったようにみんなが口々に話し始める。

嫉妬に顔を染めた男子が

「俺らの漆川さん(ヒロイン)を取るな!」

と叫びだしたり。

妄想好きな女子が

「あれでイチャイチャしてないっていつもはどんなことをしてるの?」

ニヤニヤしながら妄想を膨らませたり、

「同じリア充を恨む仲だと思ってたのに…絶交だ!」

とかってに絶交されたり、

「彼女って攻めじゃなくて受けだったんだ」

と、変なところで漆川のイメージが変わっていたり、と阿鼻叫喚の様子へとクラスが変貌した。

「あのな、俺はバイトが一緒になったことがあって少し話したことがあるだけだ」

俺は誤解を解こうとする。

「転校して知り合いがいなかったから不安で俺に話しかけてきただけだ。話してたのも学校について説明してただけだ」

「じゃあなんで、漆川さんは赤面してたんだよ?学校の話でなんで赤面をする?」

一樹がツッコミを入れる。

「お前らそこから見てたのか。」

こういう時一般人はジト目になるので俺もそれに倣う。

「いや、噂で聞いただけだ」

——なるほど、俺は噂の広まるスピードをなめていたようだ

「まあいいや。あれはバイトをしてた時もう大人だと思ってたのに高校生だったから驚いてそれを伝えたらああなっただけだ。」

「なるほど。お前じつは天然のたらしだったんだな?」

新たな勘違いが生まれた。

「違う。なぜそうなった。」

「だそうだ?みんなどうだ?」

一樹の質問にクラスは今までにないほどの一体感に包まれて異口同音に判決を下した。

「「「「「「「「「「有罪(ギルティ)!!」」」」」」」」」」

この日、俺に新たな称号が生まれた。



「校舎直されてるのすご」

「なんか腐女子いないか?」

「龍二許せない!」

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