第二幕 第一話 【 Once upon a time, there was a fight 】
第二幕 第一話です!よろしくお願いします!
「んぁ?」
我ながら間抜けな声を上げながら、目が覚めた。
懐かしい夢を見たと思いながら見回すとそこは夕方の学校。
——たしか、授業中に眠って……。いや、確かに眠った俺が悪いが何故誰も起こしてくれないのだろうか。まあ、確かに交友関係はないが。
ひとりごちつつも帰る準備をする。部活も終わった後のようで誰も学校にいない。
——ん?だれもいない?先生たちはどこだ?
と思った瞬間ズンという腹に響く音とともに地震が起きた。
「なっっっ!?」
思わず声が出るとともに振動が地震のようなものではないことに気づき、窓の外を見ると、
「は?」
そこには立体軌道で飛び回る二人の少女がいた。一人は体に密着する真っ黒なボディスーツの上に淡藤色で縁取られた紫がかった漆黒の近未来的な鎧を身に纏いうっすらと紫色に輝く黒いブーツ、それに対照的な真っ白な白銀の長髪をポニーテールにまとめている紫苑の瞳をした美少女。
もう片方は白いボディスーツにガラスのように透き通った白藍色の一見簡単に割れそうだが相当な硬度を誇るらしい西洋の騎士のような顔を除いた全身を覆う鎧で身を包んだ夕陽にきらめく金髪のショートカットの翠玉のような瞳の美少女。
白髪の少女は黒い日本刀を持ち、金髪の少女はレイピアで白髪の少女と切り結んでいる。
しかし、特に目立つのが両者の背中についた翼だ。しかし、翼といっても、白髪の少女は、機械のような黒い翼の先に紫色に光り輝く紫色の羽のようなものから紫色の粒子を出して飛び、金髪の少女は真っ白な天使のような翼をはばたかせながら飛んでいる。
そして、
「どうなってんだあの軌道?」
と、思わず口に出していうほどに少女たちの戦闘は異様だった
白い髪が靡き、金髪の少女に肉薄し、黒刀を振りかぶる。それを剣身でそらし、白髪の少女がバランスを崩して背中をさらした瞬間、その背中に切りかかる。それを剣の周りをくるりと回るようにかわし、その勢いをそのままに背後に回り込む。今度は金髪の少女が黒刀にくし刺しにされるイメージが頭に浮かぶが、そのようなことは起こらず後ろに目がついているかのような動きで紙一重でよける。だが、さすがに無傷というわけにもいかず、
「ちっ!」
というよく響く舌打ちとともに鎧の隙間を縫うような黒刀の斬撃が相手の脇腹を浅く切り裂く。だが、その斬撃によって隙が生まれたのか、今度はレイピアが白髪の少女の頬を薄く切り落とす。その間黒い少女の翼は光を発したり、止めたりすることで、様々な軌道を描く。それに加え、ブーツにもブーストを行うような機能がついているらしく、それにより細かな姿勢制御しているようだ。一方金髪の少女の翼は実際に翼の役割をしている様子はない。羽ばたいているだけで実際その羽ばたきとは全く異なる挙動をしている
——?
と思うとともに気づいたのは、両方がかすかに粒子を放出し、輝きだしていることだ。金髪の少女の粒子は金色に、白髪の少女の粒子は紫色に。その光が強くなるにつれ俊敏性は増し、切り結ぶときに発生する音はさらに大きくなる。ついにその姿を目で追うことはできなくなり、ただ2つの光が衝突したり少し離れたりする様子のみしか瞳には映らなくなる。
「うぉっ⁉」
衝撃はただ衝撃にとどまるだけでなく、衝撃波すら生み出し校舎をえぐり始める。
「おいおい、これ校舎どうするんだよ、それに危なすぎる」
独り言をつぶやきながら、机などで即席のバリケードを作る。二人の少女は戦いに夢中で自分の存在に気づいていない。そのため、勢いは際限なく上がっていき、
「うぐぁぁ!!」
一つの衝撃波がバリケードに直撃し、机もろとも吹き飛ぶ。窓の反対側の壁にたたきつけられ、悲鳴が口から洩れる。それで少女たちが気付くかと脳裏をよぎったが、
——いや、この騒音で気づくはずもないか……
頭を強打したことで瞼が下がりかけるのを必死に防ぎ、無理やり目を開けると、ひときわ強くお互いが衝突し、離れる、またもやぶつかりに行くと思い、衝撃に備えようとした刹那
「《形態変核起動・狙撃手》」
黒髪の少女が小さいがよく聞こえる声でつぶやいた瞬間。紫苑の光があふれる——
まばゆい光に思わず目をつぶるが、次に目を開けるとそこには、狙撃銃を構える死神の姿。それには金髪の少女の顔も引き攣る。引き金にほっそりといた指がかかったと思った瞬間、腹に熱い感触が迸る。
「―――――――っ!」
見ると腹の肉がごっそり消えている。
「ッ゛アアアアアァアァ!!!!」
紙一重で銃弾を躱したらしい金髪の少女が振り返り驚愕の表情を示す。白髪の少女も顔を驚いているようだが、焦りの色が強い。そこまで気づいたところで、龍二は意識が薄れ始める。その様子を見て白髪の少女が今までに類を見ないほどの速度で、龍二に肉薄する。そして、
「今日はここで終わりよ」
という声を聴きながら意識が闇に沈んだ———
「戦っている少女は誰?味方なの?」
「龍二は大丈夫なの?」
「続きが気になる!」
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