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光り輝く学園生活  作者: とっきー
第四章 星々の戦い
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【第十一話】 要塞攻防戦一日目 兄としての想い

「マレディクション・デュ・ブリュム」

「くどいっ!」


 クララを保健委員の味方に預けた後もラッシュとバスティアンは戦闘を続けていた。二人の戦いは轟音と魔法を撒き散らし、誰一人として近付けない要塞の壁のようだった。その余波を背に受けながら、玄兎たちはマップの更新が止まっている南東方面へと足を向けていた。

 

「はあ、せめて要塞からもうちょっと離れてやってくれませんかね?」

「確かに……」

「ねぇねぇ、ふたりとも! なんかなんとかにんミッションっていうのがきてるよ!」


 リュカはデバイスを二人に見せながら言った。確認すると、リュカのデバイスの個人ミッションに「(New!)」の文字が追加されていた。


「そういえば何か鳴ってましたね」


 玄兎はラッシュとの戦いで全く通知には気付いていなかったが、赤熊に続き、デバイスを確認すると、同じく個人ミッションが届いていた。


「あぁ、私は達成済みでした」

「僕もです」

「ぼくもぼくも!」


 魔法の使用回数がミッションとなっていたため、玄兎は難なくミッションをクリアし、2人もそれぞれのミッションを達成していた。


「――プリュイ・モディット!」


 バスティアンの声と共に玄兎たちの頭上に緑色の雲が広がった。

 

「急いで離れますよ」


 三人は大慌てで要塞から更に離れた。


「リュカ、レアと一緒じゃなくて大丈夫ですか?」

「うん、だいじょーぶだよ! たしかにちょっと心配だけど……」


 ひたすら南東へと向かう道中、赤熊はリュカにレアのことを聞いた。


「レアなら馬のおにーちゃんと一緒なはずだから!」

「馬木くんだね」

「……リュカ、レアと喧嘩したことは?」


 赤熊は視線を落とし、口に出しかけた言葉を飲み込むようにしてから、リュカに問いかけた。


「たくさんあるよ! レアったらわがままなんだから! まったく……」


 リュカは頬を膨らませながらぷんぷんと怒った。

 

「へ〜、二人も喧嘩することあるんだね。なんか意外」

「それで嫌いになったりすることは?」

「ないよ! もちろんケンカしてるときはきらいだけど……だいじな妹だもん!」

「そう……ですか」


 赤熊はそれを聞くと何かを考え込むように黙った。


「おねーちゃんとだちこーはキョウダイいるの?」


 赤熊の方を一瞬見ると、赤熊はもはや会話が耳に入っていないのか、ただ足を進めるだけで、リュカの方には目もくれなかった。

 

「僕はいない――」


 玄兎には確かに兄弟はいないはずだった。しかしまたぼんやりとした記憶が浮かび上がった。




『ねぇねぇ、おにいちゃん! 昨日のつづきしよ!』

『うん、良いよ。#\♪くんも一緒にやろ?』

『しょうがないな……』


 玄兎はぼやけた顔の誰かとおままごとを始めた。


『きゃー! まものよ! まものが現れたわ! ぐるぐるのまものよ!』


 ぼやけた顔の女の子はボールと毛糸で組み上げた魔物からぬいぐるみを必死で逃がした。 

 

『いくぞ!』

『おう!』

『へーんしん! とうっ!』

『ちょっと待った!』


 玄兎ともう一人のぼやけた顔の男の子がヒーローを操り、魔物を倒そうとすると、女の子はぬいぐるみでヒーローを止めた。


『いっかいはなしあうべきだわ! まものとはなしあいましょう!』

『『え?』』

『はっはっは! €*☆ちゃんは発想が面白くて良いね!』



 

 玄兎たちを遠巻きに見ていた玄兎よりやや年上の男性の笑い声とともに、玄兎の意識は現実へと戻ってきた。


「だちこー、どうしたの?」


 一瞬固まっていた玄兎を見て、リュカが心配そうに覗き込んだ。

 

「いや兄弟がいたらどんな感じだったのかなぁ、と思って」

「いいもんじゃないよ」


 リュカは貫禄有りげにやれやれといった様子で言った。


「あ! くまのおねーちゃん、ちょっとまってよ!」


 いつの間にか赤熊は二人の先を行っており、二人は慌てて赤熊を追いかけた。


「つかまえた!」


 リュカは赤熊に追いつくと、赤熊の手を掴んだ。

 

「えっ――」

「もー! ひとりでさきに行っちゃだめだよ! しんぱいするじゃん!」

「ご、ごめんなさ――……すみません、ぼーっとしてました」


 赤熊ははっと我に返ったかのように顔を上げた。


「くまのおねーちゃんもそういうことあるんだね」

「ね、意外だね」

「進む方向を少し変えましょうか。真っ直ぐ進んでいると見つかったときに砦の方向がバレるので。あと、少し進んだらチェックポイントを立てましょう」


 赤熊は気恥ずかしいのか何なのか、二人の話を無視した。


「「はーい!」」


 無邪気に返事するリュカに合わせて玄兎も返事をした。


「全く……ほら、行きますよ」


 二人は赤熊に付いていき、更に奥へと歩みを進めた。


「右奥、見えますか? 魔物です」


 少し歩みを進めると、魔物が現れた。三人は茂みに身を潜め、魔物の様子を伺っていた。


「へ〜、魔物もいるんですね」

「時間が経つに連れて強く、そして数も増えていくみたいですよ」

「ねぇねぇ、あのまもの、ぼくがやっていい?」


 リュカは魔物を一人で討伐したいのか、既に立ち上がり、戦う準備を始めていた。玄兎は特に止める理由も無かったので頷いた。


「松雪さん、無理そうだったらフォローをお願いします。私は周りを警戒しておくので」 

「てだすけはいらないからね!」

「分かりました。いってらっしゃい、リュカ」

「うん、いってきまーす!」


 赤熊の機転により、リュカは機嫌よく飛び出していった。玄兎は赤熊に言われた通り、いつでもフォローに入れるように茂みからリュカの戦いを見ていることにした。


「こちらをみよ! われはちょー大星天童はんこー部のリュカ・デュポン! きさまのいのちをいただきにきた!」


 馬木の影響なのか分からないが、リュカは魔物に向かって口上を述べた。もちろん魔物はそんなものを理解しているわけではないが、リュカの口上が終わると魔物はタイミングよく雄叫びをあげた。


「いざ、しょうぶ! クー・ドゥ・コルヌ! クー・ドゥ・パット!」


 リュカはただ真っ直ぐ魔物に突っ込み、殴りと蹴りを一発ずつ入れ、魔物が攻撃モーションに入る前に魔物の間合いから離れた。


「頼みますからね?」


 赤熊は周りを警戒しながらもチラチラとリュカの戦いを見ているようで、心配なのか玄兎に念押しをしてきた。


「はい、いつでも行けるように準備してます。あの様子なら大丈夫そうですけど」


 玄兎の予想通り、その後もリュカは一方的に攻撃を加え完封勝利を収めた。


「ねえみたみた!? これならレアにじまんできるかな?」


 戦いを終えたリュカは駆け足気味に二人の下へと戻ってきた。


「えぇ、できますよ、必ず」


 三人はこの後少し進んだところでチェックポイントを立てて一日目が終了した。

次回の更新は9/5(金)の予定です。

感想やアドバイス、疑問点をくれると凄く嬉しいです。

考察とかも大歓迎です。

頭を空っぽにして読むのも大歓迎です。

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