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光り輝く学園生活  作者: とっきー
第四章 星々の戦い
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【第五話】 声の在処

「一体どうやって確認したんです?」


 多くが困惑する中、翔真が冷静にジョナサンに聞いた。


「卒業生を追っていただけさ。卒業後何をしているのか知りたくてね。そしたらたまたま知る機会があった……とただそれだけだよ」


 ジョナサンは質問をはぐらかすように答えた。


「一体誰なんです? その卒業生とは?」


 翔真の質問にジョナサンは少し考える素振りを見せた後、ゆっくり口を開いた。


「前生徒会長……虎尾悠一だ」


 更に会議室はざわざわし始めた。ジョナサンはそれを気にすることもなく、淡々と話し始めた。


「噂はあった。魔法使いがエグゼキューターズにいるのではないか、とね。だがまさか、その一人が虎尾くんだとは思わなかったが」

「一体……何故なんですか? なぜ虎尾さんが……?」

 

 翔真の隣に座る真希は色々なことを飲み込むようにジョナサンに問いかけた。それを聞いている翔真の顔は玄兎にも分かるほど複雑な感情が溢れ出ていた。


「猩々くん、思ったことはないかい? なぜ魔法使いが魔物と戦わないといけないのか、と」


 ジョナサンは淡々と猩々に問い返した。


「……そういう、ことですか……」


 真希はその言葉だけで察し、俯いてしまった。


「えっと、玄兎、どういうことだ? 俺には分からないんだが」

 

 雅人は小声で玄兎に話しかけてきた。だが玄兎もよく分かっていなかったため、玄兎は首を傾げて分からないことを伝えた。


「魔法使いになるかどうかは選べないんだよ。なった途端否応なしに戦うことを強制される」


 アランが前を見つめながら言った。玄兎はそこまで言われてようやく納得がいったがそれでも解せないことがあった。そしてそれは雅人も同じようで、雅人は浮かない顔をしていた。


「ふ~ん……。どれだけ命が惜しくても魔法使いが嫌いな奴らの団体になんて俺は入りたくないけどなぁ……」


 大規模出現時、マギフォビアンから非人扱いされた玄兎もそれは不思議に感じていたのだ。というより、マギフォビアンの団体が魔法使いを受け入れる意味が分からなかった。


「でだ、会長。このまま報道委員会の定例報告をしても構わないかい?」

「え? えぇ、どうぞ」


 翔真はあからさまに困惑していた。玄兎も次は一体何が飛び出すのか身構えてしまった。


「安心してください。今から話すことは大したことじゃないので」


 ジョナサンはその空気感に気付いたのか、そう前置きをした。

 

「まず一つ目、俺は先週、日和国中部にある村に行ってきました。そこで撮った音声があるのでまずはこれを聞いてください」


 そういうとジョナサンはマイクを通じ、デバイスから音声を流し始めた。その内容はジョナサンの取材の音声であった。聞いていると、途中までは和やかに進んでいたものの、ジョナサンが学園から来たことを伝えた途端、村人たちの態度がよそよそしくなり、ジョナサンに帰るように伝え始めた。そしてそこで音声が切れた。


「と、まぁ、こういうことがありました。松雪くんと長岡くん、何か気付いたことは?」


 ジョナサンは再生が終わるや否や、玄兎と雅人に話を振ってきた。雅人は臆することなく、質問に答えた。


「学園生に冷たい村ってとこすかね!」

「良い着眼点だ。で、松雪くんは?」


 玄兎は先程までの話の衝撃と、まさか雅人がテキトーに答えたのが褒められるとは思わなかったことが重なり、全く考えがまとまっていなかった。そこで雅人と同じく思ったことを言うことにした。


「う~んと……なんか怪しいと思います、はい」


 思った以上に浅いことを言ってしまった自覚がある玄兎は後半失速気味に発言した。

 

「あぁ、それも良い点を突いている」

「えっと何かありました?」


 含みのある言い方をするジョナサンに玄兎は問い返した。


「ああ、今から説明しよう」


 そう言うとジョナサンは目線を玄兎や雅人から全体に移した。


「俺はこの村に関するある噂を見つけました。『見えない女の子の声が聞こえる』という噂を」

「それはまさか玄兎と雅人の?」


 翔真のその発言により、周りの目線の多くが一瞬玄兎と雅人に移された。


「えへへ、どうも〜」


 雅人は呑気に小声でそう言いながら頭を下げた。


「えぇ、二人が祭の日に聞いたという少女の声と関係するんじゃないかと思いましてね。そして、それはビンゴしたわけです」


 そう言いながらジョナサンは先程流した音声を再び再生した。


「俺もその声を聞くことができました。そして、二人と同じく録音した音声には載っていない」

「それで、何か分かったんです?」


 アランは淡々と話すジョナサンに前のめりになって質問をした。


「いいや何も。本題はここからだ。松雪くんと長岡くん、君たち二人にも協力してほしい。それと、その村の調査の許可を学園長にお願いしたいのです」

「俺は全然良いっすよ!」

「僕もお手伝いします」


 即答する雅人に釣られるように玄兎もすぐに承諾をした。そして学園長は腕を組み、椅子にもたれかかったまま、口を開いた。


「それは大事なことなのですかな? 村の人達は学園生が来ることを拒んでいる。それでも調査しなければいけないことなのですかな?」


 学園長の発言は最もであった。だが、ジョナサンは怯むこと無く質問に答えた。


「ええ、もちろん。魔物討伐をこの前みたいに邪魔されても困りますからね。ただおっしゃる通り彼らは学園生が来ることを拒んでいます。そこで俺は行かず、代わりに風魔くんに行かせます。学園生という身分は隠した上で調査をします」 

「ふむ……分かりました、良いでしょう」


 学園長は納得した様子では無かったものの、頑ななジョナサンに押されてか渋々了承をした。


「ありがとうございます、学園長。で、俺からの二つ目の報告はフォーブロンの入国措置とその影響についてです」


 次にジョナサンは少し前に出されたフォーブロンへの魔法使い入国禁止について話し始めた。それによると、学園生のクエストでのみ入国を許可されているものの、一部暴徒化していることから、原則として入国はしない方が良いということが話された。


「そしてこれから天連山杯だけでなく、多くの大会で魔法使いの出場禁止が発表されると思います。事前に学園全体に周知するかどうかはお任せしますが、今のうちに学園生のメンタルケアの方法を考えておいた方が良いかと」

「あ、あの……いいでしょうか?」


 ジョナサンがひとしきり言うべきことが終わると、小田切がおずおずと手を挙げた。


「えぇ、どうぞ」

「あの祭でのテロは魔法使いでは無かったんですよね? それに共鳴石が無くても魔法が使えることだって今まで無かったんですよ? ……なぜそこまで魔法使いに厳しいんでしょうか……?」


 小田切は悲しそうな声でジョナサンに聞いた。ジョナサンは小田切をまっすぐ見据え答えた。


「あくまで捕らえた一人が魔法使いでは無かったというだけさ。そして後者に関しては考えを改めることだ。今までに無いことが起こったからこそ、厳しいのだ。『理由は分かりませんが、たまたま今までに無いことが起こっただけなんです』なんていうのは通用しないんだよ。俺たちはその理由を見つけなければいけないんだ」


 ジョナサンは厳しく、しかし的確に小田切を諭した。


「わ、わかりました……。ありがとうございます……」


 小田切は顔を反らしながらそう呟いた。


「あ~! ひっどーい! ジョナっさんがいいんちょを泣かせた!」

「な、泣いてません!」


 杜若がジョナサンに向かって叫んだ。


「報道委員会からは以上です。ありがとうございました」


 ジョナサンは呆れた顔をしながら報告を終えた。その後もいくつかの委員会の報告があったが、雅人はいつの間にか再び眠りに落ちていた。一方で玄兎もここまでの話が頭の中で反芻し、この後の話に全く集中することが出来ていなかった。

次回の更新は8/30(土)の予定です。

感想やアドバイス、疑問点をくれると凄く嬉しいです。

考察とかも大歓迎です。

頭を空っぽにして読むのも大歓迎です。

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