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光り輝く学園生活  作者: とっきー
第三章 雲間の新星
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【第六話】 ストナリア国軍魔法師団

 学園から出発する電車に乗っていると、玄兎たちは他の乗客に話しかけられた。


「もしかしてエトワール学園の人達ですか!? あの、応援してるので頑張ってください!」


 話を聞いていて魔法使いだと分かったのかなんなのか、そう言ってその人は降りていった。それがきっかけなのか、その後もいくつかの駅で、停車時に同じような人が現れた。


「……良くない傾向でござるな」


 ぼそっと篁が呟いた。玄兎はこの発言が気になったものの、すぐに騒がしい雅人の声でそんな思いは消え去った。


 目的地近くの駅で降りると、軍服姿の人達がズラッと並んでいた。


「キャプテン・ドレイク! お久しぶりであります! 敬礼!」


 掛け声と共に寸分違わぬ動きで敬礼をする姿に玄兎は思わず感嘆の声が漏れた。


「お、おぉ〜……」

「かっけえぇぇ!」


 それは雅人も同じようであった。


「よしてくれ。俺はもうお前の隊長じゃないんだ。聞いたぞ、ローク。お前、大尉になったんだってな?」

「はっ! キャプテンのお陰であります!」

「これからも頑張れよ」


 アレックスはそう言いながら、握手を求めた。ロークは両手でがっちりその手を掴み――


「はっ! もちろんでござい――あがぁぁぁ!」


 電気を流された衝撃でロークの帽子が頭から落下した。

 

「あっはっは! 相変わらずだな! ちょっとは成長したと思ったんだがな」


 アレックスは大笑いをしていた。これには玄兎のみならず、篁、レミーも呆れを隠せていなかった。


「お前も相変わらずのようだな、アレックス。ちょっとは成長したと思ったんだが」

 

 すると、どこからともなく軍服姿の威厳のありそうな人が現れた。ロークは慌てて落ちた帽子を拾い上げて被り直した。


「チャールズ少将! ご苦労さまです! 敬礼!」

「ようやく出てきたか、この死に損ないが」

「ふん、本来であれば貴様がこちらに出向くべきなのだがな」


 アレックスとチャールズは軽口を叩き合うとお互いニヤリと笑っていた。


「オリヴィア嬢、お久しぶりです。立派に成長されたようで何よりです」

「久しぶりです! 今日はこっちの二人が私と一緒に打ち合わせに、こっちの二人とパパが討伐に行くのでよろしくお願いします!」

「君たちがアレックスの教え子達ですね。よろしく頼みます」


 オリヴィアが篁とレミー、玄兎と雅人を紹介すると、まずチャールズは篁とレミーに握手をした。


「そして君たちが新人の魔法使いですか。今後の活躍を期待していますよ」


 そういって次は玄兎と雅人に握手をした。


「車を用意しています。付いてきてください」


 そうしてチャールズは前を歩き出した。すると、アレックスはチャールズと並んで歩き、その後ろを玄兎たちが付いていき、軍人たちは全員にくっつくように歩き始めた。


 駅の外に出ると、荷台が大きなトラックが六台並んでいた。


「では、御三方はこちらへ」


 そう言ってチャールズはオリヴィア、篁、レミーを先頭から二台目へ案内した。そして三人は後ろの荷台へと乗り込んだ。


「そして御二方はこちらへ」


 玄兎と雅人は案内されるがまま、後ろから二台目のトラックへと乗り込んだ。そして、そこにアレックスも乗り込もうとするとチャールズが止めた。


「貴様を乗せるとは言っていないぞ? 貴様は走って来い」

「生憎俺はお前の部下じゃないんでな。命令に従う義理は無いな」


 二人の軽口の叩き合いが再び始まった。

 

「ほう、では不法乗車するという訳だな」

「客人を乗せないことが規律に反しないというのであればそうなのだろうな」

「あ、あの、チャールズ少将にキャプテン・ドレイク! 時間が惜しいかと!」


 二人の会話にロークが割って入った。


「それもそうだな。今回は特別に目を瞑ってやろう。感謝することだな、アレックス」


 そう言ってチャールズは去っていった。そしてすぐにトラックは出発した。


「あの、チャールズさんとロークさんとはどんな関係なんですか?」


 玄兎はアレックスの二人との関係性が気になったため、聞いてみることにした。


「チャールズはエトワール学園のほぼ同期、ロークは特殊作戦隊の元隊員だ」

「え、ということは二人とも魔法使いなんですか?」

「二人どころか今日来た軍人は全員魔法使いだぞ」

「え、そうなんですか!?」


 玄兎は軍人達が魔法使いだとは全く思っていなかったため、かなり驚いていた。そしてこの話に食い付いたのが雅人だった。


「因みに、あの二人ってどのくらい強いんですか!?」

「チャールズは俺より一段、いや二段ほど弱いな。ロークは特殊作戦隊で散々鍛え上げたからな。魔法そのものも強いが、それを抜きにしても強いぞ。あんな感じだがな」

「へ〜……」


 雅人は何やら考え込み、意を決したように言った。


「アレックスさん! 俺を特殊作戦隊に入れてください!」

「断る」

「えぇ、なんで!?」

「はっはっはっ! 冗談だ。いや冗談でも無いんだが」


 アレックスは雅人の反応を見て楽しんでいた。


「正確に言うと特殊作戦隊に入れるかどうかは俺一人では決められないのだ」

「他に誰に言えば良いんですか!?」

「来月の要塞攻防戦、そこで目立つことだ」

「……というと?」


 雅人は前のめりになって話を聞いていた。特殊作戦隊に入るつもりは無いが、玄兎も話そのものは気になるため、真剣になって聞いていた。


「要塞攻防戦は一つの目的として生徒会役員候補と特殊作戦隊隊員候補を探すことがある。来月目立つように頑張ることだな。もちろん玄兎くんにもチャンスが――」

「あ、僕は良いです」

「一緒に入ろうぜ、玄兎!」

「いや本当に大丈夫」


 玄兎は頑として譲らなかった。だが、その後数分間、アレックスと雅人も何故か折れず、軽い押し問答が続いた。


 目的地に到着し、トラックから降りると、目の前には大きな川が流れており、いつの間にかオリヴィア達とは別れていた。玄兎がふと川の下流の方に目をやると、遠くではある境から先が見えないほど広い範囲の地面が光っており、そこには数多くの魔物が闊歩しているのが確認できた。


「あれってもしかして……」

「あぁ、旧ストナリア国軍事基地にして……魔物の支配地域だ」


 よく見ると、光の境界線すぐ近くに数多くの軍人が並んでおり、その光景に見慣れない玄兎と雅人は思わず暫く黙ってしまった。


「……え、今日のクエストってまさかあそこに混じって戦えるんですか!?」


 急に雅人が期待するように発言をした。

 

「遠からずも近からず、だな」


 玄兎は恐る恐るアレックスに真意を聞いた。

 

「どういうことですか……?」

「あの支配地域の近くへ行くぞ。良いクエストだろう。あっはっはっ!」


 この発言に玄兎は絶望するような声で呟いた。

 

「なんでよりによってこんなクエストに……」

「こんな機会滅多にないぞ、玄兎! 会長に感謝しなきゃな!」

 

 落ち込む玄兎と対照的な雅人、そしてアレックスの三人は軍人が運転するゴムボートに乗り、目的地に向けて川を下っていった。

次回の更新は本日の夕方の予定です。

感想やアドバイス、疑問点をくれると凄く嬉しいです。

考察とかも大歓迎です。

頭を空っぽにして読むのも大歓迎です。

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