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光り輝く学園生活  作者: とっきー
第三章 雲間の新星
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【第四話】 要塞攻防戦の噂

 学園不思議研究部会の翌日、玄兎と雅人は総合棟で授業を受けていた。

 

「それでは授業を終わります」

「よーし、飯だぁ! 早く行くぞ、玄兎!」


 授業が終わるや否や、雅人は席を立ち上がった。授業が終わりかけの頃には片付けを始めていたため、とてつもなく早かった。


「ちょっと待ってて」


 一方で玄兎は真面目にも授業が終わってから片付けを始めた。


「はーやーくー! お腹すいたー!」

「……よし、じゃあ行こっか」


 二人は総合棟から渡り廊下を通り、食堂へと向かった。


「やっぱりまだ全部は直ってないね」


 食堂の壁の一部には魔法の焦げ跡が残り、修復中の足場があちこちに組まれていた。ここは、大規模出現の際に光耀帝が現れ、生徒会と特殊作戦隊が激突した場所だった。


「でもこれを機に所々新しく建て替えるんだろ? 楽しみだなぁ!」


 二人は広い食堂内の階段を降り、それぞれ好きなご飯を買ってきた。そして再び2階の食堂全体を見渡せる席へと座った。


「お前さっき来たメールみた?」

「うん? なんか来てるの?」

「見てみ?」


 玄兎がメールを確認すると、要塞攻防戦の日程・概要と記されたメールが届いていた。中身を見ると、要塞攻防戦の日程の他、ルールについての記載があった。


「へ〜、結構楽しそうだね」


 要塞攻防戦は相手の要塞内の何処かにある旗を先に奪取した方が勝ちという、極めてシンプルなルールであった。広大なバーチャル空間を使い、数日間に渡って行われる大規模な模擬戦であり、チームは当日発表されるということで玄兎は表情には出さなかったものの、胸は期待で高鳴っていた。

 

「玄兎、もし敵チームになったらやりあおうぜ! こんな堂々と戦えるタイミングなんて無いだろ!」

「敵チームになってもお互い会えるかどうか怪しいと思うけどね」


 雅人はしばらく考え込んで、ハッと笑顔になり言った。


「俺が空に向かって魔法を放つからそこに来い!」

「……見えたら良いね」


 仮に見えたとしたら、玄兎以外も集まることになりそうだが、それをツッコんだらまた雅人が変なことを考え出しそうなため、玄兎はツッコまないことに決めた。


「ふっふっふ……。こうなったら早速特訓だ! 玄兎、訓練場へ行くぞ!」

「一人で行ってきなよ。僕は次の授業あるから」


 玄兎の発言に雅人は不思議そうな顔をして言った。


「俺だってあるぞ? でも1回くらい欠席しても良くね?」

「そうやって言ってるとそのうち1回じゃなくなるんだよ?」

「はぁあああ、お前って変なところで真面目だよなぁ……」


 雅人は大きな溜め息をついた。普通に卒業に関わるところなので変なところじゃないと思うのだが、そんなことを雅人に言ってもしょうがないと玄兎はぐっと堪えた。


「次の授業終わったらいくらでも時間あるんだから。その後で良いでしょ?」

「はいはい、そうしますよ……」


 渋々了承した雅人と共に、玄兎は次の授業を受けた。


「――では早いですがこれで本日の講義は終了します。ありがとうございました」


 授業が終わり、玄兎は隣の雅人を見ると、机に突っ伏して寝ていた。


「おーい、終わったよ」

「う~ん、戦いは……まだ……」


 雅人が呼び掛けても起きないので、玄兎は次は軽く叩いて起こすことにした。


「起きろ〜!」

「そんなもの……! ……あれ?」


 雅人は起き上がると同時に玄兎の手を払い除けた。まだ寝ぼけているようで十数秒の間、思考が停止していた。


「……あ、ひょっとして授業終わった感じ? よし、訓練場へ出発だ!」


 と、その時、玄兎のデバイスが鳴った。相手はミアだった。雅人はすぐに玄兎のデバイスに耳を近付けた。


「もしもし? どうしたの?」

『ちょっとちょっと! あんた気を付けなさい!』


 いきなりの大声に玄兎はデバイスを耳から遠ざけた。玄兎はまた何かに巻き込まれたのかと思い警戒しながら聞いた。


「えっと、何かあった?」

『今回の要塞攻防戦にラッシュさんが出てくるらしいの! 狙ってるのはあんたよ!』


 雅人はそれを聞くや否やどこかに走っていった。玄兎は気にすることなく話を続けた。


「え、えぇ……? なんでぇ?」

『知らないわよ! あたしも今さっき聞いたんだから! とにかく気を付けなさい!』


 そう言うとミアは電話を切った。玄兎は雅人に電話をしようとすると、再びミアから電話がかかってきた。


『もしもし? 勢い余って切っちゃったわ。本題を忘れてた』

「さっきのでお腹一杯……」

『今からのは別腹よ。あたし、今度実家に1回帰るんだけど、お土産何が良い?』

「うーん……」


 そう言われても特に何も思い付かないので悩んでいるとミアが続けた。


『思い付いたらメッセージで送ってね、明後日までに。あとあいつにも伝えといてね。それじゃ』


 そういうとミアは電話を切った。玄兎は雅人に電話をかけると、雅人は吐息混じりに電話に出た。


「今どこにいるの?」

『今は訓練場に向かってる! 玄兎も早く来いよ! ダッシュでな!』


 そう言うとすぐに雅人は電話を切った。雅人は走って訓練場に向かっているようなので、玄兎はバスに乗り訓練場へ向かうことにした。


 訓練場へと向かう道中、バスの車内から雅人の走る姿が見えた玄兎は、訓練場前のベンチで雅人を待っていることにした。ぼんやり過ごしながらベンチに座っている他の人の話を聞いていると、気になる話をしていたため、玄兎はそちらに耳を傾けた。


「こんなこと喋ってっけどさぁ、そもそもカップ戦出れなくね?」

「元々怪しかったけど、この前のでいよいよダメになったっぽいよな」

「はぁ、まぁ、しょうがないよなぁ。今の印象考えたら……」


 何のことか気になった玄兎は色々なパターンで検索をかけ、最終的に【サッカー カップ戦 エトワール】の検索で気になるものを見つけた。

 

『魔法使い、天連山杯から排除か? MFAが緊急会合を開催 星影灯篭祭りテロ受け対応協議


 マルキエラサッカー連盟(MFA)が、魔法使いの天連山杯出場を禁止する方向で本格的な検討に入ったことが28日、関係者への取材で明らかになった。連盟は同日、非公開の緊急会合を開き、対応を協議したという。


 魔法使いの魔法使用を巡っては、エトワール学園大規模出現以降、「共鳴石なしでも魔法が使用可能なのでは」という疑念が一部で浮上。これまでは「憶測に基づく排除はしない」との立場を取っていたMFAだが、方針の転換を迫られている。


 きっかけとなったのは、先日行われた星影灯篭祭りでの組織的テロ事件だ。魔法使いによる犯行とされる中、共鳴石の貸出記録が存在しなかったことが発覚し、魔法使用の実態を不安視する声が急増。連盟内でも「出場継続は難しい」とする意見が強まった。


 なお、前日にはフォーブロン政府も魔法使いへの対応を協議し始めており、今後、スポーツ界だけにとどまらず――……』


「お前、バスに乗ってきたな!?」


 顔を挙げると汗だらだらの雅人が立っていた。


「思ったより早かったね」

「お前せっかく強い人と戦えるってのになんだその体たらくは!」


 玄兎は特にラッシュと戦うつもりも無く、先程読んだ記事の内容の方が気になったため、テキトーにあしらい雅人に記事を読んでもらうことにした。


「まぁまぁ、そんなことは良いからこれを――」


 玄兎は雅人に記事の載ったデバイスの画面を見せようとしたが、雅人は玄兎の手を掴み、立たせた。

 

「俺が鍛え直してやる!」

「えぇ!」


 玄兎は雅人に訓練場へと引っ張られ、その後夜までみっちりと訓練をさせられた。

次回の更新は5/23(金)の予定です。

感想やアドバイス、疑問点をくれると凄く嬉しいです。

考察とかも大歓迎です。

頭を空っぽにして読むのも大歓迎です。

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