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光り輝く学園生活  作者: とっきー
第二章 消えゆく半影
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【第九話】 交替制転向反応部、新たな部員

「おいおい! 駅の前見てみろよ! 可愛い子の浴衣で選り取り見取りじゃねーか!」

「なんで自分が選べる前提でいるわけ?」


 二人は祭りに向かうため、学園の出口に並んでいた。出口から玄兎たちまでの列は10m程であったが、その奥の駅では人がごった返しており、玄兎たちの後ろにもかなりの人が並んでいた。普段、出口の受付は1人であるが、その日は5名体制だった。


 数分経った後、玄兎たちは出口の受付まで辿り着いた。


「外に出る用件は何ですか?」

「祭りに行くためです」


 玄兎が代表して答えた。

 

「デバイスでの着替えは必要ありませんか? これより出口を出ますとデバイスによる着替えが出来なくなります」

「あ、ちょっと待ってくださいね」


 雅人は不思議そうな顔をしていたが、クエストではない場合学園外に出る際に共鳴石を外されるため、デバイスの一部機能が使えなくなるのだ。玄兎は雅人に着替えるように促し、二人は先日買った着物に着替えた。


「ではデバイスをお預かりします」


 二人はデバイスを差し出し、数十秒程経つとデバイスが返ってきた。


「ではどうぞ」


 セキュリティゲートが開き、二人は学園の外に出た。


「よーし! 祭りだぁぁぁ! 行くぞぉぉぉ! ――いだぁ!」


 雅人は浴衣に着替えたのを忘れているのか、勢いよく走り出そうとしずっこけた。二人は混雑する電車に乗り、山を降りた。


 駅へ到着すると、玄兎と雅人は降りる乗客の流れに乗って移動し始めた。

 

「だぁ! 電車狭すぎ! 人多すぎ! 大体よぉ……なんで俺の周りはむさ苦しい男ばっかだったんだよ! 良いよなぁ……玄兎は。隣に女の子いて……羨ましかったぜ……」

「こんなところで言わないでよ。気持ち悪いから」


 駅の外へ出ても人の流れは続いていた。ある程度歩くと、屋台が並び始め、人の流れも散逸し始めていた。


「おぉ、お前は玄兎じゃないか!?」


 声の方を向くと、そこには屋台の準備に勤しんでいる馬木がいた。そして隣では見知っている二人の子どもとパピヨンが遊んでいた。


「馬木くん、久しぶりだね! 隣にいるのって……」


 その二人の子どもが突如としてうなだれ、大きな声で悔しがった。そしてパピヨンが立ち上がりなら言った。

 

「私の勝ちだ。二人とも準備を手伝うように」

「はぁ〜い……」


 パピヨンはこちらに気付き近寄ってきた。先程まで近くにいたはずの馬木はいつの間にか屋台の準備に戻っていた。


「おや、玄兎じゃないか。久しぶりだな」

「姉御! 久しぶりです!」


 パピヨンは頷くと、雅人の方を見た。

 

「見ない顔だな。あんたは玄兎の旧友か?」

「姉御、この度学園に転園することになりました、長岡雅人です。よろしくお願いします!」


 雅人は過剰な程丁寧に自己紹介をした。


「雅人か、これはまた騒がしそうなのが来たな……。私は、セリウーズ・パピヨンだ。これからよろしく頼む」

「それで姉御、さっきの二人って……」

「向こうで話そう」

「俺、あの人達にも自己紹介してくるわ!」


 何かを感じ取って気を遣ったのか、雅人は交替制転向反応部の方へと向かっていた。パピヨンと玄兎は屋台から少し離れた場所に来た。


「リュカとレアだな。二人は今学園生だ。そしてうちの部で預かることにした」

「すごい楽しそうにしてましたね」


 パピヨンはそれを聞くと安心したように言った。


「本当か? そう見えたのなら良かった。部長が『俺様のところへ来てくれ!』と無理を言ってうちの部へと入れたからな、心配だったんだ」

「ふふ、想像できますね」

「想像できる、か……」


 パピヨンは少し考え込んで玄兎に質問をした。


「なぁ、玄兎。あんたには今の部長はどう見える?」


 玄兎はそう言われ、屋台の方で準備を進めている馬木の方を見た。パピヨンがそれを聞く真意が分からなかったが、見たまま思ったことを答えた。


「ん~? 馬木くんも楽しそうに見えますけど……?」

「そうか……」


 パピヨンは少しの間黙ってしまった。


「向こうへ戻ろうか。私は本来屋台の準備を手伝わなくても良いんだが、あいつらを放っておくと何をしでかすか分かったもんじゃないからな」 

「え、なんで準備しなくて良いんです?」

「さっきのゲームを見てただろう? あのゲームの勝者は遊びに行っていいことになっていたからな」


 戻りがてら玄兎はさっき見たゲームの内容を聞いた。話によると、パピヨン、リュカ、レア以外はすぐに脱落したとのことだった。


 屋台へ戻ると、雅人は準備を手伝っていた。こちらに気付くと、馬木と共にやってきた。その後ろをリュカとレアが追っかけてきた。


「だっはっは! パピヨン、お前の助けが無くとも大丈夫だ! 思う存分! 楽しんできてくれ!」

「玄兎! 交際系専攻万能部ちょーおもしれーな!」


 玄兎とパピヨンが呆れていると、レアが馬木の真似なのな胸を張りながら堂々と馬木の後ろから登場し、雅人の方を向いた。


「だーはっはー! だちこー! こーたーせーてっこーはんのーぶの、まちがいだ!」 

「レア、クォーター制でんどう反動部のまちがいだよ」


 リュカも馬木の後ろから出てきた。パピヨンは大きなため息をついた。


「玄兎、また後で来てくれ。雅人も手伝ってくれてありがとう。祭りを楽しんでくれ」

「はい、姉御! また後で!」


 雅人が元気よく返事をした。二人は交替制転向反応部の屋台を後にした。


 エリスのイベントの手伝いまではまだ時間があったため、二人は他の屋台を回ることにした。


「う~ん、なんか小腹が空いたから腹ごしらえしたいな。玄兎なに食う……って既に食ってるし!」


 玄兎は片手に焼きそばを持ち、もう片手にはケバブを持ち器用に食べていた。


「けばぶ、おい゙じいよ゙」


 玄兎はケバブを頬張りながら答えた。


「お前いつの間に買ってたんだよ! 抜け駆けすんなよ! 俺も買う!」


 玄兎はケバブの売ってる店の方をケバブを持っている手で指差しした。


「結構遠くじゃねーか! 本当にいつ買ったんだよ。行くぞ!」


 玄兎と雅人は人波を掻き分けながらケバブ屋へと向かっていると、玄兎の携帯に電話がかかってきた。


「これ持ってて」

「はいよ」


 玄兎は雅人にケバブを渡した。電話の主を見ると、セキュリティ委員と表示されていた。


「はい、もしもし?」

『あ、どうも〜。セキュリティ委員副委員長のアラン・フォルティエですけども〜、松雪さんで合ってますよね?』


 電話に出ると、アランと名乗る男性は間延びした喋り方をしていた。


「はい、松雪です、何かありました?」

『お楽しみのところすみませんね、隣にいるであろう雅人さんと一緒に魔物討伐に行ってほしいんですよねぇ』

「え、今からですか?」


 驚いた玄兎の発言に対して、アランは間髪入れずに答えた。

 

『はい、今からです。会場の近くで魔物が出現しました』

次回の更新は12/11(水)の予定です。


感想やアドバイス、疑問点をくれると凄く嬉しいです。

考察とかも大歓迎です。

頭を空っぽにして読むのも大歓迎です。

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