春を轟く
掲載日:2024/02/20
夜更けの窓に滲む
光の青白さは、
稲光だとわかっても
どこか違う気配。
冬ごもりの命を
揺り起こすようで、
季節の変わり目には
空が轟くのか。
春を連れて来たと
今宵、雷が鳴っている。
目覚めて生きてみろと
沈み易き心に。
覗き込んだ硝子越し
張り詰めた花の影。
君を偲び重ねて、
雨よ優しくと。
光の後の轟に
思わず祈っている。
この世に携えてきた
臆病の性分か。
春を受けとめよと、
今宵、雷が鳴っている。
愛して生きてみろと、
諦めがちな情に。
降り始めた雨なら
優しくはなかった。
激しい風に押されて
横殴りの川となり。
夏までには悔いなど
流してくれないか。
何かに責められて、
息が止まりそう。
春を大切にと、
今宵、雷が鳴っている。
自分を生きてみろと、
苦し紛れの人生に。




