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宿命の力者  作者: セイカ
第一部 三章 入学編
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十八話 捜索

孝介を混じえて、話し合いをしていた龍助達は休みの日に敵の捜索を開始していた。

京にも報告済みで、彼もすぐに龍助達の後を追うと話していた。

しかし、孝介に命令してきた人物がどんな特徴をしているのかがあまり分からないと本人は言う。

なので、一度彼がその人物と会ったというビルへと向かっている一行いっこう


「しかし、なかなか情報がないのはきついな」

「仕方ないよ。地道に探すしか」


孝介に道案内してもらっている最中さなか、龍助の呟きに叶夜がそう言った。

情報がない以上、唯一の手がかりを頼るしか方法はない。


「こっち。もうすぐで着く」


孝介に道案内されながら進んでいく龍助達は中央区の近くにある町、日本橋室町へとやって来ていた。

その中にある比較的人通りが少ない場所に建っている不自然なビル。

この中で孝介はくだんの人物と会っていたという。

場所は分かったので、あとは京が来るのを待つだけだ。

龍助達は一度ビルを離れて、近くのカフェに入って京の到着を待っていた。


「こんなところで何をしていたんだろうな……」

「力者を使った実験だよ」


龍助の言葉にいち早く孝介が答えた。

力者を使った実験という言葉に龍助は引っかかった。


「……なんの実験だったんだ?」

「どれだけの力に耐えれるかの」

「……」


龍助の質問に孝介は平然と答えていく。

その組織に所属していたからか、何も感じていないような表情をしていた孝介に、僅かながら哀れに思えた。



◇◆◇



「やあ、おまたせ」

「京さん遅い」

「ごめんごめん。それじゃあ出よっか」


待つこと三十分、龍助達がいるカフェに京が到着した。

不満を漏らした龍助に軽く謝っただけの京が外へ出るように促した。

再びビルの前へとやってきた龍助達は京を先頭にドアを開けて入って行く。


「な、なんだよこれ……」

「誰もいないな」


入った途端に孝介が驚きのあまり開いた口が塞がらなかった。

入って見たは良いが、そこには誰もおらず、もぬけのからとなっている。


「ここで間違いないんじゃないの?」

「確かにここだよ!」

「うん。確かにそんな感じはするね」


慌てている孝介を落ち着かせながら京がビルの奥の方へと進んでいく。

龍助達は何も分からずにその後をついて行った。

奥には一階から二階へと続く階段があったので、それをコツコツと音を鳴らしながら上って行く一同。

上った先にあったのは一階と同じく何も無い光景だけだった。

しかし、


「なあ、ここ大分嫌な気配がするんだけど……」

「やっぱり、奴がここにいたんだな」

「奴って?」


二階の時点で強い力を使った後があったことに龍助達は気づき、その力で京は何かに確信していた。

龍助が恐る恐る聞くと、京が振り返りながら答える。


「TBBのトップの男」


京から出た人物は自分たちの追っている組織のトップらしい。

その人物が今回の事件に関わっていることに龍助は驚きを隠せなかった。

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