十六話 襲撃の動機
孝介の襲撃を見事返り討ちにし、彼を拘束することに成功した龍助達は今情報を聞き出そうとしていた。
しかし、案の定答える気が全くない孝介に龍助が狙った理由を聞くと、彼は曖昧な反応を見せていた。
「何か言いにくいのか?」
「…………」
なかなか答えようとしない孝介だが、彼がほんの一瞬助けを求めるかのような目で見てきたことを龍助は見逃さなかった。
「別にわけを話したら殺すわけじゃないよ」
「どうだか……」
龍助の言葉を全く信じない孝介。
龍助達は解決策がなかなか浮かび上がらず、どうしたものかと途方に暮れている。
(せめて心が読めたらな……)
龍助がふとそんなことを考えると、不思議な出来事が起きた。
彼の頭の中に何かの映像が流れてきた。
その中には孝介と別の、スーツを着た男性が向かい合って立っている。
そして、何やら話し込んでいる。
「お前、やっぱりTBB関連の組織から頼まれたな?」
「な、なんでそれを?!」
龍助の言葉に孝介が過剰に反応した。
この時点で図星だと確信した龍助達は更に聞き出そうとする。
「もう話した方が楽ですよ?」
穂春の言葉にも反応している所を見ると、絶対に助けて欲しいと考えているように思えてくる。
龍助は先程の映像が事実だというのに気づくと、もう一度孝介を見て、意識を集中させた。
すると、またもや映像が流れ込んできたが、先ほどとはまた別のものだった。
出てきたのは、銃を向けられた攻撃ともう一人の男の子だった。
「まさか、脅されてるのか?」
「…………」
龍助の問いかけに孝介は沈黙という答えを返してきた。
しかし、しばらくすると孝介は話し出す。
「俺は、あんたらの力に興味があった。それをあいつらに利用された……」
「どういうこと?」
孝介の話についていけていない龍助達。
少なくとも龍助は今までで、興味を利用されたというのは初めて聞いた気がした。
「俺たち兄弟は、捨て子なんだよ……。稼ぐために頼まれたものを盗み続けていたら、奴らが現れた」
孝介が話し出したものは少し複雑な気分になる内容だった。
孝介と彼の弟、洋介は昔捨てられ、路頭に迷っていたらしい。
今でも生活は厳しいが、今回の任務が成功すれば一生を生きていける財力が手に入るということだったらしい。
「だから、俺は弟のためにもお前たちの力を……」
悔しそうに言い放った孝介の目からは涙が溢れていた。
龍助は孝介の襲った理由よりも、彼らの生い立ちの方の印象が強く感じた。
「だったら俺たちと協力すればいい」
龍助の思いもよらない言葉にその場にいた全員が驚きのあまり固まってしまった。




