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宿命の力者  作者: セイカ
第一部 三章 入学編
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十三話 再襲撃

今龍助達は学校付近にある喫茶店で夕食を取っていた。

本当はお茶だけで済ますつもりだったが、意外と話が盛り上がったので、せっかくだから夕食も喫茶店で済ませようという話になった。

ちなみに皆で分けられるサンドウィッチを注文した。


「そういえば、海道くんと穂春さんはよく一緒にいるよね」

「確かに。趣味以外でも共通点あったとか?」


智彦の質問に龍助達は返答に困った。

クラスが違うのに、よく穂春と一緒にいることをなぜ知っているのかと。

聞けば、颯斗と穂春がとてもお似合いなカップルだと有名らしい。

その噂は龍助も耳にしたことがあるが、まさか、そこまで有名になっているとは思わなかった。


「私が以前、颯斗さんに助けていただいて、それからよく気にかけてくださってるんです」


穂春の話は嘘か本当かと聞かれると、半分嘘で半分本当だ。

福島病院での一件で穂春を狙う敵の撃退に大きく貢献したが、それは颯斗に限った訳では無い。

しかし、今はこの話で通すということになった。

響也達二人もそれで納得して、それ以上の追求はしなかった。


「にしても、龍助は最近何を警戒してるんだ?」

「警戒なんてしてないよ」

「ほんとか?」


二人の標的が龍助へと変わる。

問われた龍助は二人の観察力に驚きを隠せなかった。

バカ正直に「後輩につけられている」と言えば、間違いなく心配をかける。

心配した二人が何かしらの行動をして、巻き込まれることだけは避けたいと思う龍助。


「ほ、ほら俺は通り魔にも遭ってるからそのせいかな」

「そうか。そう考えたら当然の行動だよな」


学校でも通り魔のことは報告されているが、龍助のことだとは伝えられていない。

しかし、龍助は友達である二人にはそのことを伝えていたのだ。

だから、今通り魔の話をされても響也達は驚かない。

嘘を言ったことに多少罪悪感を感じながら、龍助は置かれているサンドウィッチを頬張る。


「ま、たまにでも良いからまた放課後付き合ってよ」

「もちろん! 俺としても嬉しいよ」


響也達がまた誘うからと笑顔で言ってくれた。

龍助は二人の笑顔を見て、罪悪感は感じているものの、彼らのような友達がいることは恵まれているなとも感じていた。




◇◆◇




夕食も食べ終わり、そろそろ帰らなければいけない時間になったので、支払いを済ませて喫茶店を出た。


「またな!」

「じゃあな」


響也達と別れた龍助達は施設の方へと向かっていた。

色々質問されたりして焦ったりしていたが、なんとか答えることが出来て龍助は安堵あんどしていた。


「彼ら、面白かったわね」

「結構個性的な部分もあるけど、良い奴らだよ」

「兄さんに素敵な友達が出来て私も嬉しいです」


龍助と叶夜、穂春も交えて会話を楽しんでいた。

颯斗はいつも通り、口数が少なく、話を振られた時にだけ喋っていた。


「それにしても、警戒の話が出た時は焦ったな」

「まあ、すぐにかわせたのは凄かったよ」


四人で他愛ない話をして、そろそろ施設に到着しようとした時だった。

突然空気が重くなっていく。

更に力者の力の流れを感じ取れる。


「いるんだろ? 出てこいよ」

「さすがは先輩方です」


颯斗の問いかけに最近聞き慣れた声が答えた。

すると、暗闇の中から一つの人影が現れる。


「今度こそ力を貰いますよ」


そう宣言した孝介からは前とは違う力が感じ取れたのだった。

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