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宿命の力者  作者: セイカ
第一部 三章 入学編
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五話 対策

謎の新入生である真鳥孝介に対してこれから警戒していくことになった龍助達だが、あれからさらに一週間、対象はそんなの関係なく関わってくる。

当たり前だが、最初は回避をしようとしていたが、なかなかそれが上手くいかない。

これは完璧に見張られていると確信した龍助はすぐに叶夜に相談して授業で別れる時以外は出来るだけ一緒にいてもらうことになった。

結果、あまり孝介が話しかけてくることがなくなっていった。


「叶夜悪いな。ずっと面倒かけて……」

「気にしないで、これくらいならいくらでもするわ」


とても心強いが、一つ龍助には心配事があった。

それは、穂春のことだ。

穂春と孝介は同じ学年だから、接触する確率があまりにも高い。

出来ればあまり関わっていないことを考えようとしていた。

そして今日も龍助はいつも通り放課後は叶夜と颯斗、そして穂春の四人で帰宅していた。

ちょうど良かったので、悪い予感を持ちつつ穂春に最近の出来事を聞いてみる龍助。


「穂春、最近なにか困ったことなかったか?」

「それが、ある男子にずっと話しかけられてるんです……」


龍助の悪い予感が的中してしまった。

聞けば、最近授業の時と放課後以外はずっと穂春に話しかけてくるとのこと。

しかも、その男子は入学式の時にも話しかけてきた男子と同一人物だという。


「もしかして、その男子の名前って……」

「真鳥孝介くんです」


穂春の口から出た名前を聞いて、龍助ははっきりと確信した。

真鳥孝介は完全に自分たち兄妹を狙っていると。


「穂春、休み時間とかは出来るだけ一人にはなるな」

「で、ですが、まだ入学したばかりで皆さんと仲良くなってなくて……」

「大丈夫。堂々と話しかければいい!」


龍助の強い押しに穂春は驚いたが、首を縦に振った。

ついでに、龍助もその男子から付きまとわれていたことも穂春に報告したので、彼女はより一層警戒してくれるだろう。



◇◆◇



翌日の朝も四人で登校することが出来、それぞれの教室へ向かっていく。

龍助は穂春が心配で仕方がなかったが、妹を信じることにした。

午前の授業も終わり、昼休みになると、龍助は心配になったので、様子だけでもと叶夜を連れて一年のクラスがある棟へと向かった。


「悪いな。また付き合わせて」

「良いのよ。私も心配だったし」


龍助の心配がわかる叶夜は特に文句を言わなかった。

元からそういう子だから本当にありがたく思う。

颯斗にも来てもらおうと思ったが、彼の教室に行ってもいなかった。


「颯斗、かなり女子から人気のようだから連れていかれたのかもね」


叶夜の予想に龍助もそうかと思う。

何せ、颯斗は転校初日から男にも女にもかなりモテているようだった。

いつか彼氏か彼女が出来てもおかしくないというくらい。

だが、同時にそれは無いだろうなと思う龍助。


「穂春に惚れてるからな。颯斗は」

「そうね。その証拠に、ほら」


龍助の言葉に叶夜が笑いながら同調する。

そして、指をある方向に差すと、そこには颯斗がいた。

気づけばもう龍助達は穂春の教室に到着していたが、一足先に颯斗が到着していたのだ。

穂春も教室から出てきて二人でどこかへ行ってしまう。


(穂春が心配だったんだな)


内心安堵すると共にとても頼もしいと感じた龍助だったが、颯斗達の近くに孝介がいるのも確認してしまう。


「龍助、落ち着いて。今行動しても被害が広がるだけよ」

「……そうだな」


叶夜の言葉に龍助も渋々賛成して、穂春のことは颯斗に任せることにした。

そして龍助達も自分たちの教室へと戻っていった。

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