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宿命の力者  作者: セイカ
第一部 七章 日月競技対抗戦編
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第四話 勧誘の違和感

 前回叶夜と舞日のアプローチによって、学校を騒がせた龍助。それを止めること自体は成功したが、今度はどこの誰かが流した動画で騒ぎになってしまっていた。

 その動画は龍助自身が映っており、スポーツをプロ以上の技術でこなすという内容だ。


 一時はどうなる事かと思ったが、叶夜と舞日によってそれはフェイク動画であることが分かった。


「えー。じゃあ天地くんはスポーツ得意じゃないの?」

「でも確かスポーツ系の成績ずば抜けて高くなかったか?」

「そうね。めちゃくちゃ得意ことに間違いはないよ」


 フェイク動画だという事実に生徒一同落胆するが、一人が本当はどうなのかと聞いてくる。

 すると叶夜はなんの迷いもなく正直に答えてしまう。


(は?! 叶夜!?)


 予想外の出来事に龍助は驚きを隠せず、一瞬彼の時間が停止してしまう。


 案の定生徒達は瞳に輝きを取り戻し、また龍助に詰め寄ろうとした。


「でも、やっぱり龍助が考えてからでも良いでしょ?」


 しかし龍助と生徒達の間に舞日が入り、詰め寄りを阻止した。

 みんながみんなそうではないが、ほとんどの生徒達は不服そうな様子を見せている。


「いやでも……」

「人を困らせるという不名誉な名で有名になりたいならそのまま勧誘したら良いと思うけど?」

「……」


 抗議をしようとした生徒の言葉を舞日が遮り、笑顔でバッサリ切り捨てるように言った。


 舞日の容赦のない言葉に生徒達は言葉を失う。

 そしてしばらく沈黙が続いた後、一人が口を開いた。


「じゃあ今日の放課後、それぞれ部活を見学してもらって考えてもらおうよ」

「それ良いな! 天地! それでいいか?」


 生徒の提案に皆が納得して龍助から了承を得ようとした。


 正直にいうと龍助自身はあまり乗り気ではないため、進んで返事をすることが出来ない。

 少しの間考えた結果、龍助が出した答えは。


「……分かったよ。それでいいよ」

「よし! ありがとな!」

「ありがとう! 天地くん!」


 なかば強引ではあったものの、最終的に龍助は自分で考えて見学することを決めた。

 生徒達は満足したようで、龍助達の教室の前から離れていく。

 皆昼休憩に戻っていくようだ。


「あと十分しかねえじゃん!」

「早く食べましょ」

「そうね」


 腕時計を見て焦る龍助、そして彼の反対で特に慌てた様子を見せない叶夜と舞日は昼休憩に戻っていった。



 ◇◆◇



 午後の授業が終わり、生徒達が一斉に部活に行ったり帰宅する時間になった。

 龍助達も本当は帰るはずだったが、今日は部活の見学があるため、そちらへと向かっている。


「叶夜、舞日。一つ聞いていいか?」

「何?」

「どうしたの?」

「なんで昼休憩の時にフェイク動画だと言っといて、わざわざ俺を見学へ行かせるようにしたんだ?」


 部活へ向かっている道中、叶夜と舞日の二人にずっと聞きたかったことを聞いた。


 二人は一瞬お互いを見合ったが、すぐに龍助へと向き直り、話し始める。


「あのフェイク動画を見た時、ある疑問が出てきたの」

「ある疑問?」

「あの動画がアップされたのは一ヶ月前。それなのに生徒達はなぜ今までではなく、今日の昼に龍助を勧誘しに来たのかということよ」

「ただ単に気づかなかっただけじゃないか?」


 まず叶夜が疑問に思ったことを口にしたが、龍助は特にそうは感じなかった。

 なぜならあの動画に気づいたのがつい最近くらいだったり、早くに気づいたとしても時間が無かったりとか、理由は山ほどあるからだ。


「それにしては、同時に来すぎだったでしょ?」

「同時?」

「そう。本当に龍助に出て欲しいなら、どこよりも早くに来るべきだと思わない? それなのに、ほぼ全ての部活が同じ昼休憩にやってきた。かなり変じゃない?」

「言われてみれば、確かに……」


 叶夜と舞日が分かりやすく説明してくれたことにより、龍助も少し違和感を覚えた。


 動画がアップされたのが一ヶ月も前で、その上同じ時にほぼ全ての部活が勧誘に来ることはないだろう。

 そう考えるとなると、今回の出来事は偶然の産物ではないことは確かだ。

 ということは……。


「誰かがこうなるように仕向けたということ?」

「そう考えるのが必然よね」

「まあ確証はないけどね」


 舞日が苦笑してしまう。

 確かに証拠もないから断言はできないが、その可能性は考えても良いかもしれない。


(一体誰が……。なんのために……?)


 謎は深まるばかりだが、とりあえずまた京に相談しようと思う龍助だった。

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