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宿命の力者  作者: セイカ
第一部 六章 学校編
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第二十五話 敵の殲滅

 空間を変化させる魔法を使う男を相手に対抗すべく京が練った戦法を実行していく龍助達。

 二手に別れ、手下の黒服達をおびき寄せ、一気に戦闘不能にするべく戦っている。


「こっちだ! すぐに捕らえろ!」

「裏切り者も生け捕りだ!」


 黒服達が次々と龍助達が入っていった空間へと流れ込んでくる。

 特に敵が優先的に狙っているのが裏切り者の舞日だ。


「あなた達ごときに私は捕らえられないわよ?」


 狙われているにも関わらず、舞日は全く怖気おじけ付かず、ニブルヘイムを駆使して黒服達を凍らせていく。

 使っている魔法が強力な領域魔法というのもあり、一度発動すれば敵の大半が凍っていた。


「このっ……! 化け物が!」


 舞日の背後に回った敵の一人が魔具であるナイフを振りかざしながら襲って来た。

 しかしそれを見逃さなかった叶夜が火の玉を敵にぶつけて撃退する。


「あら、ありがとう」

「どういたしまして」


 叶夜に助けられたことが意外だったのか、舞日は少し驚きの表情を見せていた。


 そして叶夜も多数の敵を一気に倒すためにムスペルヘイムを発動していく。

 火の勢いで吹き飛ばされたり燃やされたりと大変な状況になっていた。

 氷の上に火も現れて、黒服達は恐怖におののいている。


「の、残ったものだけで総攻撃だ!」


 一人の黒服が残った仲間に襲わせようとしたが、それは一歩遅かった。


「させねえよ」


 その言葉と共に光の速さで龍助が残りの黒服達を一人一人攻撃していく。

 人間の弱点であるうなじ鳩尾みぞおち、そして魔眼で見えている個人の弱点を攻撃していったので一瞬で沈めることに成功する。


 残っていた敵もあっという間に倒され、龍助達の相手をする者はもういなかった。


「俺達が相手するやつはこれで全員か」

「そうね。急いで京さんの元へ向かいましょ」

「あの人、やられてないと良いけどね……」

「京さんをあまり舐めない方が良いわよ」


 舞日の呟きに叶夜が即座に答える。

 これでもおそらく舞日は京のことを心配しているのだろう。

 力の差だけで言えばあの男の方が断然上だから倒されないか懸念しているようだ。


 しかし叶夜と龍助は京がそう簡単にやられる人物でないことはよく分かっている。油断しなければの話だが。


「京さんが対抗しているにしてもかなり負荷がかかってるから急ぎましょ」


 叶夜がそう言いながら走り出していき、龍助と舞日もそれに続いた。



 ◇◆◇



 今の空間を出て、先程の研究の異空間へと辿り着いた。


 そしてあまりの光景に龍助達は愕然がくぜんとしている。

 視界中に煙が漂っており、京と男の二人の姿が見えないくらいだ。


「京さんはどこに?!」

「待って。今探すわ」


 龍助が探しに行こうと飛び出しかけたが、舞日に止められ、代わりに彼女が能力で見つけてくれるらしい。


「いたわ。そこに立ってる」

「よし、じゃあ……」

「危ない!」


 舞日が指し示した方向へ走り出そうとしたが、それより早く叶夜が前へ出ながらオハンを展開する。

 すると煙の中から、複数の魔弾が飛んで襲って来た。

 しかし前もって叶夜が展開したオハンによってその行く手を阻まれる。


「一撃一撃が重い……ッ!」


 難なく止められたかと思ったが、叶夜のオハンでも重たいと言うほどだ。

 実際龍助達にもぶつかった際の衝撃で伝わっていた。


 しかしオハンと魔弾の衝突の際に生じた風によって、煙が吹き飛ばされて視界が見えやすくなる。

 そして同時に京と男の姿もはっきり見えてきた。


 彼らの様子を見て、龍助達は驚きのあまり固まってしまう。

 なぜなら京が傷だらけのボロボロでぜえぜえと息を切らしており、男の方も京程ではないが服なども破れてる上に虫の息だったからだ。


(あの京さんが、押されてる……?)


 今の場面を見ただけでも京の方が押されているのは一目瞭然いちもくりょうぜんだった。


 彼をここまで追い詰めた男を相手に果たして戦えるのかと不安に襲われる龍助達だった。

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