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宿命の力者  作者: セイカ
第一部 三章 入学編
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エピローグ

 五月二十一日、入学式から約二週間以上経った日に龍助はいつものように学校へと登校している。

 もちろん叶夜と颯斗、穂春も一緒だ。


 いつもの学校生活を送るとなっても、やはり警戒をおこたるのは危険へと繋がるので、四人で行動している。


「天地先輩。おはようございます」

「おう。おはよう孝介」


 警戒する中、呑気な声が挨拶してきた。


 声の主は前回龍助達を襲った新入生、真鳥孝介だった。

 龍助も挨拶をし返す。

 また一人、一緒に登校する仲間が増えて心強いところだ。


 彼は敵から送られてきた刺客しかくだったが、龍助達の手によって助けられ、今はTPBに保護されている。


「ATOと学校の生活は慣れた?」

「まだですけど、前みたいな恐怖はなくて安心です」


 以前はTBBに弟を人質にされていたこともあったが、今はそれがないので、気を張らないで済んでいると孝介は言う。


 自分の意思で盗みを働いていたのも事実だが、ほとんどの行動は弟のためだったので、こうして助け出せて良かったと心底思う龍助。


「大分大変よね。学校行きながら働くって」

「そうですね。でもこれで償えるなら、まだマシですよ」


 叶夜に同情された孝介だが、彼からは苦労しているという気持ちは感じ取れない。

 むしろ、楽しいという気持ちを持っていることが見受けられる。


(今の方がよっぽど居心地いいんだろうな)


 兄の孝介は良いと言っているが、弟である洋介がまた大変なのではないかとふと思った龍助。


「洋介くんは? 大丈夫なんですか?」

「大丈夫。あいつはかなり馴染んできてるよ」


 タイミングの良い穂春の質問に孝介は他愛ない笑顔で答えた。


 最初こそは戸惑いなどが多かったが、徐々にTPBの人間と交流していくことで慣れていったらしい。

 その情報だけでも龍助は安心感を覚える。


「あと、洋介にも力者としての力があるから、徐々に魔法を教えて貰ってる」


 なんと、真鳥兄弟揃って、力者としての力を持っているという。


 洋介は、TPBの力者に指導してもらいながら魔法を覚えていっているそうだ。

 まだ使える力と範囲は極端きょくたんに低いが、と孝介は苦笑していた。


「じゃあこれからもよろしくだな」

「はい、改めて俺と洋介、兄弟共々よろしくお願いします」


 孝介が改まってお辞儀をしてきた。

 龍助的には協力関係になれる力者が増えるのはとても嬉しいことである。

 それは叶夜達も同じようで、うんうんと笑顔で頷いていた。


 とは言っても、孝介はATOとしての仕事と学校生活が第一なので、任務を一緒にすることはかなり少ない。


(それでも、少しでも仲間が増えたら、嬉しいものだな)


 龍助はそんなことを考えた。


 そして、入学してきた穂春と孝介にも学校生活を満喫まんきつしてほしいと心から祈っていた。

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