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【1778】年明けにて

初陣から6年。幸とも結婚し、平和な生活を送っていた。前の領地から増加され、児湯郡西部をもらった。ちなみに兄貴はあの後島津家家臣との関係を恐れ、臼杵郡西部を川上家にあげている。実質、日向国北部は川上家一族が抑えていることになっている。あと、俺と兄貴は島津家から相当重宝された。合戦へは行かせないで(まぁ、島津家自体が強いので俺たちの戦力がいなくても勝てるのだが)子供達や農民の養育を徹底的にやらされた。子供が好きだし、成長が見れるのでとてもやりがいがあったからいいのだが。そんな俺たちにも疑問が一つだけある。

「俺たちの体って、何も変わらんよな」

そう、面白くないほど俺らの体には変わりがないのである。これは兄貴も然りである。

「そうね、何食べても変わらないし年もとってないみたいだし。変わるのは体重だけだしね。これって、不老不死的な?」

「っぽいな」

「んーまぁいいんだけど、これ死ぬまで500年とか1000年とか生きなきゃダメってこと?」

「かもしれん」

「それはちょっとキツくない?だってこっから地震とか飢饉とかなんなら第二次世界大戦も経験しなくちゃいけないんでしょ?そんなのいやよ」

「それまでに元の年代に戻る方法を考えればいいだけ」

「そうだけど…」

その方法がわからないんでしょ?と言いたいんだろう。だが俺は割り込んで

「そこまでは我慢。いい?」

「はぁい」

そんな気の抜けた返事でこの話は終わった。と思いきや、

「一樹様!伝令です!」

「何奴?って晴久か、どうした?」

今猛ダッシュできた細顔の家臣は6年前に初めて召した家臣、高津晴久だ。同年齢だが、とても頼りがいがあって、一番信頼している。

「大友兵が我が領土に進行してきた模様!義久様から直ちに迎え撃てとのこと!」

大友とは少し前からピリついた関係にはなっていた。少し前といっても俺と兄貴が伊東家を滅ぼしたあたりだが。

その時に伊東の子供がまだいたらしく、その子供を擁立してまた奪い取ろうと最近も動きが見られていたらしい。

「あぁ、で、どこへ行けば?」

「ただいま西臼杵郡の玄武城にて智樹殿が交戦中とのこと!」

「わかった。今すぐ兵を集めよ!最低でも1500は集めてこい!」

「はっ!」

晴久はすぐに動き、他の家臣たちに伝えにいった。

「ようやく大友が動き始めたのね」

「あぁ、しばらくはここの留守を頼むかもしれん」

「ええ、任せときなさい!裏切るやつはボコボコのめっためた…」

「そこまではしなくてもいいかな!」

やっぱり怖い。6年経ってだいぶ丸くなったが、サイコパスさは健在のようだ。



「集まりました!だいたい1700ほどかと」

「よくやった。ありがとう、いつも頼りにしているぞ」

「はっ、ありがたきお言葉!」

さすが晴久、ものの2日で集めてくれた。さて、ここからどうしようか。進軍すれば1日で着くが、状況がわからない。

「晴久、今の状況は?」

「はっ、今もこう着状態でやや押され気味だそうです。」

「ちなみに兵力差は?」

「川上智樹様、忠堅様合わせて1800、それに対し、大友1万でございます。さらに大友は後詰も出しているとのこと。しかし島津方も一樹様の軍勢に加えて薩摩の方から5000ほど出ているとの情報が入っております」

「一万か…」

さすがに無理があるか。1日は持つとしても薩摩方面から来る軍勢は5日はかかる。どうすれば耐えれるか。

「とりあえず軍を進めるぞ」

「はっ!出陣じゃー!」

おぉーと言う声に合わせて軍勢が山路へと吸い込まれていく。

ここからさらに大変になるだろう。だが仕方がない。足軽は俺たちよりも軽装で命懸けで戦ってるし、それがあるからこそ俺は戦いに勝てる。それがこの戦国時代で生きていく人の宿命だから

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