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How to survive  作者: 石切楠葉
小さな交信
2/13

過去の出来事その2

数少ない生存者たちはいつの間にか集団を作るようになった。ほとんどの都市を手放し言わば天下りする形となった人類にはその集団が心の支えとしても必要だったのかもしれない。



あの事件から26年がたった今世界では少数ではあるものの生存者たちが築き上げた集団の力が現れている。

簡単に言えば安全地帯。フェンスや廃車などで作り上げたバリケード。その外をコンクリートなどの簡単な壁が覆ったエリア。さらにその周辺で武装して見回りをする者たちがいる居住区はそう言われている。

もちろん数は多いとはいえず大きさもまちまちだがそれでもその安全地帯内での生活に大きな緊張感は無い。


その理由のひとつにこのような安全地帯が作られだしたきっかけとも言えるある職業の存在だろう。

いわゆる傭兵達は10年近くかけて世界各地に上記の安全地帯を作り上げた。



傭兵は今の時代最も必要とされている職業の一つだ。彼らの仕事は安全地帯周辺の安全確保と安全地帯内部の治安維持、運送車両の護送、要人警護、狂ったもの達の襲撃があれば撃退、そしてその狂気に溺れた生き物の殲滅だ。


彼ら傭兵はそれを派遣する民間軍事会社に務めている。民間軍事会社は世界各地にあるもののその大半は大規模な民間軍事会社の傘下であることが多い。

従って親元の命令によっては世界各地への移動を数百人単位で行わなければならないこともあるのだ。

また傘下の民間軍事会社でさえ人員移動を多く行っている。これは殉職率が30%を超えることが影響しているとの見方もできる。人が少ないのだからその分たさなければならないのだ。従ってどの安全地帯でもそこにいる傭兵は3~6年ほどで顔ぶれが変わることが多い。当然もっと短い場合もある。彼らはそんな特殊な環境で生活しなければならないのだ。


殉職率も高く転勤も多い。その代わり彼らには権利が与えられている。物資が優先的に本人とその家族に送られたり、店などでは料金の大幅な免除が認められたりもしている。男女比は約7:3と体力勝負的なところもあり未だ男性比率は高いものの女性の割合も増えてきてはいるのだ。



では反対に衰退した職業とは何か?

極端な話傭兵以外のほぼ全ての職業は減少傾向だ。人口の大幅な減少によりいつもなら人手不足と言われるであろう職種ですら採用数を大きく減らす傾向にある。


対照的に増加したのは農家だ。需要が多く供給が追いつかない1次産業においてかなりの安全性と収入が保証されているこの職種はここ5、6年ほどで特に多くなった。

とは言っても今の時代ではお金そのものより物が重要視されることもあって、職業全般ではあるのだが給与は決して高くない。



そしてこの仕組みは未だ続いているこの生物災害が終結するまで続くだろう。

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