プロローグ 小説家、圭kei の朝
久しぶりに書き始めました!
根気強く書けるようにしていきたいと思います。よろしくお願いします。
「っうっし‥‥とりあえずは今日の分完成っと」
朝早くから小説の執筆作業を終わらせた磯崎良太の朝はこれから始まる。
毎朝小説を書き終える良太には朝は全然苦痛ではなくパッチリと目が冴えている。
「良ちゃん、おはよ。私もう出るからそこにある朝ごはんしっかり食べるのよ?」
これもいつものルーティーンだ。朝早くから起きてはご飯を作ってくれる母、磯崎真由子の朝は忙しい。早くから起きてはみんなのお弁当を作り朝ごはんを作り、そしてすぐに仕事へ行ってしまう。そんな真由子の見送りは家族の中で二番目に早起きな良太の担当となっている。
「ああ、分かってるよ母さん。忘れ物無いか?しっかりスマホ、財布の最低限はあるな?」
「うん!しっかり大丈夫です!それじゃ良ちゃん、行ってきま~す」
朝から元気な真由子を見送った良太はリビングに一人、妹と父さんはまだ起きてくる気配が全くなく家の中はまるでもぬけの殻の様。
誰も居ないリビングでは気兼ねなく良太はtwetterを開くことが出来る。まず確認しないといけないことは仕事についてのメールが来ているかどうかだ。真由子以外には内緒にしているこの仕事、小説家を知っている人物は極めて少ない。
「あ、メジロンさんの絵か‥‥」
ネットに入り浸って生活をしている良太のお気に入りイラストレイターの内の一人だ。
やっぱりこの人の絵ってうめぇよな‥‥
「おはよ~‥‥ってお兄ちゃん何その顔?ニヤニヤしちゃってさ、朝からびっくりさせないでよ」
目を擦り、髪の毛をボサボサにしながら起きてきたのは妹、磯崎亜優だった。
いつもはもっと遅くに起きてくるはずなのに今日は珍しく早く起きたらしい。
「朝から失礼な奴だな。いいか?朝から眠そうな顔をしているお前の方が変な顔してるぞ。さっさと顔洗ってこい」
良太に言い返された亜優はキッチンに置いてある父さん愛用のブラックを一気飲みしていた。亜優いわく飲むと一気に目が冴えるらしい。
ブラック何てよく飲めるな‥‥兄の俺でも飲めないのに。
飲み干したコップをドンっと大きな音を立てた亜優が言った。
「あのねぇ~お兄ちゃん、朝から眠そうな顔してない人の方が一般的からしておかしいよ?私はね、お兄ちゃんと違って朝が弱いんだから仕方ないの!」
「まぁ‥‥俺は毎朝早く起きてたせいで目覚め快調なんだよ」
少し機嫌を悪くした様だった亜優は顔を洗いに洗面所へ行った。
――ブゥゥッ
机に置いていたスマホに一件のDMが入ってきた。
『おはようございます!今回の表紙のイメージがこんな風で大丈夫かの確認です!朝からすみませんが確認お願いします!』
DMの主は良太の小説のイラストを担当しているイラストレイター、鹿島さんだった。
鹿島さんは良太の初めて書籍化された今回のイラスト担当。仕事関係以外にもちょくちょくと連絡を取り合っている。悩み事などがあれば相談に乗ってくれる、逆に良太が鹿島さんの相談に乗ったりすることも多々あった。
この時間に確認て‥‥この人こういう時間にルーズな人だよなぁ。
『おはようございます。良いじゃないですか!イメージも全然ずれてませんしこのままで大丈夫だと思います』
『分かりました!今回は圭さんの二冊目なんで張り切っちゃいましたよ。おめでとうございます』
圭とは良太の作家名の圭keiから取っている。
鹿島さんからのメッセージを見た良太は不意にも優しく笑ってしまった。
こんな俺にもネットの人はこうやって優しく言ってくれるから嬉しいんだよなぁ。
「‥‥お兄ちゃん」
「ん?どうした我が妹よ」
洗面所で顔を洗い終えた亜優がドアにもたれ掛かって良太をジッと見つめる。
「朝からホントに変わってるよね。変な笑いしてさ」
亜優は良太の先ほどの笑いを見ていた。一瞬なんの事か分からずにいた良太だったがつい数秒前の自分を考えてやっと理解できた。
「あー、な?人生色々あるんだって」
朝からバカなことを言っている良太に呆れた様子で見る亜優だった。
「変わってるねぇお兄ちゃんって。それだから彼女の一人や二人出来ないんだよ?」
「ほっとけ!」
「まぁそれよりも、お兄ちゃんもう時間ないんじゃないの?結構危うい時間だと思うんだけど?」
時計を指さしながら話す亜優に「え?」と言わんばかりの顔をして時計を見た良太。
「おお!もうこんな時間か。それじゃ俺もう出るから、亜優はしっかりご飯食べて行くんだぞ?」
忙しなくリュックを持って玄関へ走って行った良太を不思議そうな目で見つめる。
「お兄ちゃん朝ゆっくりしてると思ったらこれだからね‥‥忙しいのか余裕があるのかどっちかにして欲しいわ」
「逆に考えたらどっちも出来る有能な人材だったりしないか?」
亜優にニコッと笑顔を向ける良太。今は顔を洗った後なので良太の顔をハッキリ見える亜優は一歩後ろへ下がった。
「朝から怖いって‥‥ったくもー。ほら!お弁当持って行かないでどうやってお昼食べるつもりなのさ!」
黒色の良太のお弁当を持って玄関へ亜優は置いた。
「あ!弁当そういや忘れてたわ。ありがとな亜優」
「ったく。私が居ないとお兄ちゃんって何にも出来ないよね」
「なんだ?ずっと俺の傍に居て支えてくれたりすんのか?」
「あーしないしない。ほらっ、さっさと行ってらっしゃーい」
全く相手にする様子のない亜優はそのままリビングへ戻ってしまった。
やっぱり亜優ってなんだかんだ優しいよな。
急いで玄関を出ると一人の人物が門の前で待っていた。
「おはよ、良」
あらすじの人物などはまだ登場していませんが次から学校へと話を持って行きますので是非次もよろしくお願いします。