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悪役同盟!〜同じ事故が原因で転生した4人の悪役令嬢は同盟を組んで断罪を回避したい!〜  作者: 里和ささみ


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87 久しぶりの魔力測定

全体での話ですが、地の文で何もない限り、基本的に会話はヴィオラ→アーテル→スカーレット→オリヴィアで話してます。分かりづらかったらすみません。


今回もお楽しみいただければ幸いです。

よろしくお願いします。

 あー、ピクニック楽しかった!絶対一生やんないって言われたけど、絶対いつかアーテルに激しく踊らせてやる!


 転移棟での仕事も早々と終わらせ、アイザックはじめ職員のみなさんにも果物の差し入れをし、雛たちの元へ!


「ぴ、ぴぃ〜〜〜〜!!!」


「カルラ!」


 執務室の扉が開くと猛ダッシュで駆けてきた迦楼羅を、脱走と捉えたのかアルテがべちょ、と右前足で押しつぶした。


「ぴぃよ……。」


 鳥なのに!鳥なのにしょぼんとしてるのが分かる顔!かわいい!


「カルラは昨日からヴィオを探して大騒ぎするんだ。来る回数を増やせないか?」


 お父様がほとほと困った、という顔をして嘆息する。


「アーサーのひなたちは?」


「そこまでじゃないな。一日三回来て、それなりの時間遊んで行くから。」


「そうですか……。」


 そんなに慕われては、こちらも切なくなってくる。ああ!これから旅に出なきゃいけないのに!


「御技の訓練も大切なのは分かっているが、こちらも気を配って欲しい。産まれたからには、死なせてはならぬ。なんせ伝説の鳥だからな。雛を衰弱死させては国の威信に関わる。」


 そうだよね〜、そうなるよね〜、まだまだ伝説や神話が力を持っている中世ファンタジーの世界だもんね〜。


 てか、迦陵頻伽、またお父様の頭の上なの?肩よりは邪魔じゃないだろうけどさ。

 お父様は私が迦陵頻伽を凝視しているのに気付いて、苦笑した。


「びんちゃんは疲れると私の頭に登りたがるんだ。甘えているんだな。」


 あ、もうあだ名で呼んでるの。名前、長いもんね。ケツァルコアトルよりあだ名つけやすい名前でよかったね。


「ヴィオラは訓練は終了してもよろしいかと存じます。既に充分に使えておりますから。」


「え!ほんとう!?」


「予定の半分ほどしか経ってないぞ!いいのか!?」


「広域浄化と人への広域祝福は行なっておりませんが、豊穣祈念の広域祝福は今日見た限り三人とも良く出来ておりました。あれだけ出来れば問題ございません。お祖母様より、本日の広域祝福が問題ないようなら三人とも訓練を終了し、残りの期間は聖女学校の教本作りに充てるよう言いつかっております。」


「それって、ドロシーへのくんれんをしながらってことかしら?」


「そうね。聖女学校に来る使い手がどうすれば理解しやすいのか、それを考えるのよ。」


「うわあ!ありがたい!ひとりだとどうしてもかんがえるのにもげんかいがあって!」


「今後、教本作りはお祖母様主導で、王妃殿下とドロシーに訓練をしながら仕上げたいと考えております。ヴィオラの負担が余りにも大きいので、お祖母様とわたくしと、スカーレットとオリヴィアにお任せいただきとう存じます。」


 あー、香澄様、ちゃんと考えててくれたんだ!私抜きで二人に教本作りをやらせることで、自信をつけてあげようってことだよね?うわぁ、さすが四児の母!うち半分問題児抱えてただけのことはある!


「それは願ってもないことだが……。訓練が終了したなら、オリヴィアとスカーレットは領地に戻った方が良いのではないか?そろそろ家が恋しかろう。」


「いえ!やらせてくださいませ!なんのおやくにもたてず、このままりょうちへかえるわけにはまいりません!ヴィオラにふたんをかけてばかりだったのに、たすけもせずにらくをしようなど、かんがえられません!」


「わたくしも、ヴィオラのようにぎむをはたしとうございます!くんれんをおえたからといって、きょかをくださったへいかにおんがえしもせずかえるなど、オッキデンスのなおれでございます!」


「そ、そうか。それなら予定通り、あと二週間は切ったか?最後まで国のために励むように。」


「ありがとうぞんじます!」


「おまかせくださいませ!」


 結局おいしいとこ香澄様が持ってっちゃったけど、いや、負担がひとつでも減るのは助かる。


「一応、進捗は毎日報告するから。シンシア様にもお祖母様から話がいってるはずよ。神殿へもお祖母様が報告書を提出するわ。」


 はぁーーー、ありがてえ、ありがてえ!


「あ、ありがとう、みんな!ヴィオラ、うれしいッ!」


「気持ち悪いわね!やめなさい!」


 三人まとめてハグしちゃお!えい!えい!


「四人とも、順調に絆を深めているようで安心したよ。これからもヴィオラのことをよろしく頼むよ。」


 うわーん!私が泣かされそう!なんてサプライズ!


「そういえば、アーサーとシンシア様は?」


「お、アーサーとも仲良くなったのか?二人なら会議室でアーサーの雛たちと遊んでいるよ。びんちゃんは疲れて出てきてしまったけどね。」


 部屋を移動することを理解したのか、アルテは口に咥えて動きを止めていたカルラを私の手にぽとんと落として部屋を出て行った。


「いってらっしゃいませ、アルテ様。」


「アルテ様、ごゆっくり。」


 側近ズは今日も壊れている。メルヴィンとライナスは不在のようだ。忙しいんだなぁ。そういえば、この人たちの肩書きってなんだろ?仕事はお父様の秘書みたいな感じなんだろうけど。


「ぴい!ぴい!ぴい!」


「あ、ああ、ごめんね。あっちでおやつにしましょうね。」


 会議室に入ると、アーサーは雛たちとかくれんぼをしていた。アーサーが十数えているうちに、りんごといちごがそれぞれの方向へと走って行き、椅子の下やカーテンの後ろに隠れようとしている。


 雛鳥が、かくれんぼを理解している……だと?


 いや、もう何も言うまい。何故か同伴しているパルに至っては、椅子の座面に上がりたがる雛を咥えて乗せてあげている。浄化された魔物は知能が上がるんだ。きっとそうだ。


「あら、みんな。お疲れさま。」


「おかあさま。」


「カルラ、とても寂しがっていたわよ。」


「おとうさまからうかがいました。あすからはくんれんをせずにカルラにかまうことにします。」


 明日から午前中はここかソファで仕事するかな。あ、でも、みかんの木!


「みかんのしゅくふくだけはやりたいわ。せっかくじぶんでそだててるんだもの。」


「そう?なら、朝だけ一緒にやりましょ。お祖母様にはヴィオラの分も三人の誰かがやればいいって言われてたんだけど。転移陣も、欠けた分はオースティン伯父様にやらせるって。あ、その前に、魔力測らなきゃ。どう考えてもさっきの祝福はおかしかったわ。私くらい魔力がないと、あれで三分の一っていうのは不自然だもの。」


「今、持って来させましょうか?また使うからってまだ保管庫に戻してないと言っていたから。」


 代替効かない大事な備品なんだから毎回ちゃんと戻そうよ。


「アーテルもはかるの?」


「多分、私も増えてると思う。ヴィオラの理論を実践してだいぶ御技の精度が上がったから。」


「うえ!どんだけ増やすつもり!?」


「魔力飽和量の実験、したいんでしょ?」


「いや、まあ、そうだけどさぁ。アーテルの魔力はレベルが違い過ぎだよ。」


 お母様が外に声をかけて、測定器を持ってきてもらった。ていうか、全員で来た。メルヴィンとライナスも戻って来てるし。

 迦陵頻伽は目が覚めて、迦楼羅と一緒にアーサーのかくれんぼに混ざっている。子守りはパル。


「誰から行く?」


 ワクワク顔のお父様。楽しそうッスね。


「では、いちばんまりょくのすくなかったわたくしから。」


「ヴィオはどれだけ増えてるかな。楽しみだ!」


 ワクワクすっぞしないでください。これで6000台乗ってなかったらショックだな。

 いち、に、さん、し、ご、ハイおしまい!


「おおっ!」


「ええっ!?」


「そんなまさか!」


「ありえないだろう!最初の測定より二週間で千も増えるだなど!」


「えっ、せん!?」


 目盛りを見ると、光は6500を若干越している。うそー!そんなに!?


「すごいわ、おめでとう、ヴィオラ!」


「あ、ありがとうぞんじます、おかあさま。じっかんがわかないですが……。」


「魔力順で行こう。次はスカーレットだ。」


 スカーレットは6900になっていた。最初からすると1100も上がってる。努力は実るんだよ!本人も飛び上がってはしゃいでる。よかったね!


 オリヴィアは7000だった。やっぱり、元々の魔力分子が小さかったんだろう。それでもすごい。7000台なんてまずいないんだから。


「アーテル、君の番だ。」


 いよいよ真打ち、アーテルの登場だ。固唾を飲んで見守る。


「……ちょっと増えてる。」


 感想、それだけですか?みんなフリーズしてますけど?


「リアクションうすくない!?9200だよ!?9000だいだよ!?もっとよろこぼうよ!!」


「でも、400しか増えてないじゃない。大した差じゃないわよ。」


「たいしたさだよ!きしだんなんかさいこうで100だったんだから!」


「これは……始祖様に届くかもしれん。」


 そうか。始祖様の魔力は一万。二歳の時点で9000台なら、成人する頃には始祖様に届く、いや、超えるかもしれない。


「そのうちそくていきじゃはかれなくなるんじゃない?」


「仮に一万行ったとしても、それ以上はあまり変わらないでしょ。」


 もー!アーテルってばホント塩!シオシオの塩だよ!


「ぴい!ぴい!ぴぴーっ!」


「ああ、カルラ。どうしたの?おなかすいた?」


「ぴっ!」


 私の手のひらからメルヴィンが魔力を抜き終わった測定器にピョンと飛び移り、魔法陣の上で力むように体を震わせた。え、そこでウンチでもする気!?


「わっ!?」


 測定器の魔石が光る。


「ぴっ!」


「5200!?」


「ぴっ!」


「自ら魔力を測った!」


「ぴっ!」


「鳳凰鳥はそんなに魔力があるのか!?」


「ぴっ!」


「魔物や動物の魔力測定など、記録がございません!史上初のことかと。分からないことだらけだ……。」


 自慢気に胸を張る迦楼羅だけど、大人たちは唖然として、立ち尽くした。


「すごいわ、カルラ。こんなにちいさいのに、そんなにたくさんのまりょくがあるのね。ホラ、おやつ。たべなさい?」


 私の手に戻ってきた迦楼羅に聖女の魔力を分けてあげる。他の雛は測定器に乗ろうとしなかったけど、魔力は皆似たようなものだろうという結論になった。


 やー、ビックリ!

お読みいただきありがとうございました!

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