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悪役同盟!〜同じ事故が原因で転生した4人の悪役令嬢は同盟を組んで断罪を回避したい!〜  作者: 里和ささみ


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78 父上のお仕事

アーサー回?

よろしくお願いします。

「パル!アルテ!」


「にゃ!」


「ひゃ!」


「はん!おへんじした!かわいい!」


「お疲れさまで御座います。本日も宜しくお願い致します。あのたまご、孵ったのですよね?」


「あら、もうご存知なの?」


「昨日アルテが戻って来て、こちらの者が孵ったのかと聞くと肯定のような返事をしたそうなので。」


 猫の返事を間に受けちゃうアイザックって天然?まあ、パルとアルテは人語を解する猫なので、聞いた人がそういう印象を受けたのなら間違ってはないと思うけど。


「おうきゅうのせいしきはっぴょうではないのね?」


「?ええ。研究所の連中は首を長くして結果を待っておりますよ。何かあったのですか?」


「ふふ、すぐにわかるとおもうから、せいしきはっぴょうをたのしみにしていて。たまごはみんなかえったからあんしんしてちょうだい。」


「ヴィオラ様、嬉しそうですね。」


「だって、すりこみにせいこうして、ひながわたくしのあとをついてまわってくるんですもの!かわいくってしかたがないわ!」


「しっかりされているヴィオラ様でも、年相応なところがお有りなのですね。かわいらしいことだ。おっと。レディに失言でしたな。お許しを。」


「ゆるすわ。けれど、あのこたちはとってもかわいいから、あなたもきっとあえばメロメロになるわよ。」


「左様で御座いますか。雛に会えるのが楽しみです。」


 転移陣への魔力供給も、騎士団訓練の後でも負担がない。魔力、結構増えたんじゃない?

 たまごに祝福をかけるのは物凄く繊細な作業だった。お陰で御技の精度も上がったし、一回の治癒で使う魔力量もかなり減った気がする。


 宮殿へ戻り、みんなでお父様の執務室へ雛を迎えに行った。パルとアルテもついてきてるよ。


「お帰り、お疲れ様。」


 お父様は机の上に雛を置いて給餌をしている。書類の山が増えている。雛にかかりきりなんじゃない?


「ぴい!ぴい!ぴい!」


 応接テーブルに置かれていた鳥籠の中で、金色の雛が暴れている。暴れるくらい元気になったみたい。ちょっと安心。


「ヴィオがいなくて寂しがっていたよ。食事は摂っているけれど。遊んであげるといい。」


「ええ、おとうさま。アルテ、このこたちがけさうまれたひなよ。わかるかしら?」


「ひゃん!」


 アルテは後ろ足で立ち、鳥籠を覗き込んで、雛が前に来るとペロペロと舐めている。分かるらしい。猫と鳥なんて、捕食するものされるものの間柄なのに、ふたりはまるで親子のようで、その光景にほっこりすり。


「パル。このこをとったらダメよ。たべないでね。」


「にゃにゃっ。」


 了解!って感じで、ピシッとおすわりした。こっちもかわいい。


「わたくしのひな、こちらへおいで。」


「ぴい!」


 金色の雛を鳥籠から出してやると、喜びの舞を踊り始めた。私が歩くと後ろをついてくる。その後ろをアルテもついてくる。雛が転びそうになると、顔を寄せて体勢を戻してあげたりして、とても甲斐甲斐しい。とてもかわいい。


「おとうさまはなまえをおきめになりまして?」


「まだなんだ。男か女かも分からないからな。鑑定士を呼び寄せているから、そこから決めようかと。」


「雛の雌雄は区別がつきにくいので、専門の者がいるのですよ。」


 へえー、この世界にも初生ひな鑑別師がいるのか。前世でも儲かる仕事のひとつなんだよね。海外での需要が高いんだけど。抱き上げておしりを見てみる。うん、よく分かんないや。


「そこ見てどうするの。」


「こうもんをみてはんべつするのよ。」


 私ではなくオリヴィアが答えた。


「西部は養鶏が盛んな地域ですからご存知なのですね。」


 ブライアンさんから西部情報を得た。


「やかたでもかっているのよ。あにがふかさせたおんどりがいるの。きがつよくて、いまではかんけいがぎゃくてんしてしまって、よくけられてるわ。」


 わあ、オリヴィアがそう言うと、みんながお父様の方をチラリと見たよ。私も同じこと思ってる。大丈夫。


「よしよし、おまえはやさしいこにおなりね。」


 手の中の雛は、ぴいと声を上げて返事をする。この子もパルやアルテみたいに人の言葉が分かるのかな。

 パルが近付いて、フンフンと匂いをかいで存在を確かめると、ペロリと舐めた。


「パル、雛とも大丈夫そうね。」


「よかった!パルのほうがおにいさんだから、ひなをまもってあげてね。」


「にゃん!」


「ひあーん、あーお。」


「アルテ、どうしたの?」


「ひながきになるのではないかしら。」


 アルテの前に雛を下ろすと、寝そべって雛を抱え込む。生まれたての雛はまだあっためてあげた方がいいのを知っているようだ。ペロペロと祝福を与えながら、寝かしつけてしまった。


「ねちゃった。」


「こちらの雛も世話してくれるかな?」


「ひゃー。」


「つれといで!っていってるみたい。」


 お父様は雛を手のひらに乗せて、指で頭をこしこし撫でながらアルテの腹に雛を収めた。やはり同じように祝福を与えながら舐めてやると雛は寝てしまった。


「殻から出ても祝福は必要なのかしら。」


「あまやかしてるだけだったりして。」


「やー、ぴいぴいと元気に鳴くから午前中は執務にならなくてね!アルテを連れて来てくれて助かったよ。」


「アルテ、ひなのめんどうをおねがいしてもいいかしら?」


「ひゃん。」


 最初からわたしの仕事ですけど?みたいな顔してる。


「ありがとう。あなたもまりょくをどうぞ。」


 アルテは手のひらを静かに舐めて、満足すると一緒に寝始めてしまった。


「アルテにも普通の食事が必要だろう。あとでいい肉を用意してもらうか。」


 コンコンとノック音が響く。


「ちちうえ〜、とりさん、げんきない。」


「何!?」


「ひゃん!」


 アルテも異変を察知して顔を上げる。


「おかあさまは?」


「まだおやすみになられております。」


「やはりていきてきにせいじょのちからをあたえないとダメなのかも。」


「アーサー、とりさんたちはきょうだいがはなれていて、さみしくてしょんぼりしているのよ。アルテがめんどうをみてくれるから、こちらにおいてあげて。」


「うん!アルテ、とりさん、げんきしてね。」


 残りの二羽も祝福を与えられて、トロンとした表情をしている。四羽の兄弟は白猫に包まれて共に眠るのであった。眼福。


「これは、育児はアルテに一任した方が良いのではないですか?」


「そうだな。アーサー。雛たちはね、アルテと一緒にいると元気でいられるんだ。アルテに預けなさい。」


「アーサーもいっしょする。アルテははうえ。アーサーちちうえだもん。」


「うーん、そうだよな。そうだ。とりさんの父上はね、あかちゃんにご飯を持ってくるのが仕事なんだ。」


「ごはん?」


「この子たちは果物が好きだろう?だから、これから一日三回、この部屋までとりさんのご飯を持って来てくれ。果樹林に自分でもらいに行くのもいい。父上は人間のお仕事があってご飯を取りに行けないから、アーサーに頼みたいんだ。いい?」


「うん!アーサー、ちちうえのしごとしゅる!あっ、する!」


 カミカミアーサーもかわいかったけど、わざわざ言い直すアーサーもかわいい。かわいいの権化。ちちうえもちちゅーえって言ってるけど、かわいい。

 アーサーは自分の仕事が出来てとっても嬉しそう。私もニマニマしちゃう。


「陛下、よろしいのですか?本来、子どもは執務棟に立ち入り禁止ですのに。」


「構わないよ。ただの慣例だ。鳳凰鳥を成体に育てるのは国の大事な仕事だからな。出入りを許可する。」


 モリーは困惑しているけど、私も出入りしてるんだし、アーサーも騒いだり書類に触ったりはしないだろう。


「それに王宮の子育て方法は窮屈すぎだ!活発な子どもの頃に部屋に押し込めて、外に出られるのは午前と午後に決められた時間に一度ずつなど、聞いただけでも気が滅入る。オリエンスでは入ってはいけない場所もあったが、庭は自由に出られたし、好きな時に好きに遊んで良かったぞ。」


 うん。お父様と伯父様は多分、勝手に好きに遊んでる部分もあっただろうけど、確かに私もそう思う。ここでの暮らしはインドア派の私ですらちょっと息苦しい。


「モリー。アーサーもまんぜんとひびをすごすよりは、はりあいがあっていいとおもうの。ちいさいうちからじぶんでいろいろなことをたいけんするのは、こんごのくんれんにもいいのよ。つきそうあなたはたいへんかもしれないけれど、おねがいできないかしら。」


「ヴィオラ様……。かしこまりました。一日三回、アーサー様をこちらにお連れします。」


「誰か果樹林の管理者に連絡を入れてくれ。なるべくアーサー自身が収穫出来るように準備させろ。」


「かしこまりました。」


「アーサー。明日から、朝食を食べたら晴れている日はすぐに果樹林へ行ってくれ。その日一日のこの子たちの食事を採ってくるんだ。よく熟れた、甘い果物だぞ。どれが食べごろなのかは果樹林の者が教えてくれる。それを一日三回、アーサーが雛たちに食べさせるんだ。朝に一回、昼食の後に一回、お昼寝の後に一回。たくさん歩かなければいけないし、ご飯を食べなければこの子たちは元気出なくなってしまうから、一度も欠かすことなどあってはいけない。出来るかな?」


 お父様はアーサーを抱き上げて、真っ直ぐにアーサーを見ながらお仕事の内容を伝えた。こういうところがお父様のいいところ。


「うん!あっ、はい!」


「いい子だ。ただし、無茶はいけないよ。無理して高いところな実を取ろうとしたり、疲れたと言って泣いて駄々をこねたりはナシだ。果物を採るときは果樹林の者の言う通りに、疲れた時は泣くのではなく、モリーたち侍女に正直に言いなさい。そうすれば、抱っこをして連れてってくれる。」


 アーサーの神妙な顔、レア〜!コクコクと頷いてる。おにんぎょさんみたいでかーわいー!


「よし。では、アーサーは部屋に戻ってお昼寝をしておいで。また夕方、雛たちの夕飯をここに持って来てくれ。それまではアルテ母上がお世話してくれるからね。」


「はい!」


 はうううう、破顔一笑!かーわーえー!!

 身悶えてたら、アーテルに白い目で見られた。もう気にしないもーん!アーサー、よかったね!とりさんのお父様のお仕事、がんばってね!

お読みいただきありがとうございました!

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