68 大人の聖女特訓③
短めですが、切りがいいので。
今日も何話か更新する予定です。
よろしくお願いします。
ドロシー退勤前に、大人の聖女特訓。
今日は特別講師にスカーレット先生をお呼びしています!パチパチパチ!
ぶっちゃけ、午前中の治癒訓練で疲れ過ぎたので、座学にしたのだった。外傷についての講義は以前もやったので、今日は病気についてだ。
「このように、かぜというのはたいないにきんやウイルスがはいっておこります。こどものうちはむりにちりょうせず、しぜんちゆをまつというのはただしいとおもいますが、じゅうしょうかしたばあいはただちにちりょうをほどこしましょう。びねつでもはつねつがいっしゅうかんいじょうつづくばあいはほかのびょうきがひそんでいるかのうせいがあるので、はやめにさいじゅしんすることをおすすめします。」
座学はまとめてやっちゃおうということで、オリヴィアとアーテルも来ている。ドロシーが取ったメモを後で清書して、みんなに配ってもらう予定。
「ウイルスせいのりゅうこうせいかんかんは、りゅうこうするじきにあわせてのワクチンせっしゅがのぞましいのですが、あちらのいがくをこちらでさいげんできるかはわかりません。」
「ワクチンとは何かしら?」
「はい、おうひでんか。ワクチンとは、じんいてきにかるくやまいにかからせることによって、からだにウイルスにたいするめんえきをつけるものです。ちゅうしゃやけいこうせっしゅでワクチンのしがいやいきたワクチンをからだにいれます。けいこうせっしゅのなまワクチンははんのうがつよくでて、ふくさようがおきやすいので、あちらのせかいでもへりつつありますね。おとなでもゆうこうなしゅだんです。」
ドロシーのメモを書き付ける音が止むのを待って次に進む。
「つぎに、おうきゅうないでもっともはやっているやまいをしらべました。いつうがもっともおおいようです。ひとからひとにうつるものではなく、これはおそらくストレスせいいえんかと……。あとはふせっせいもげんいんになります。みなさますいみんじかんをけずってしごとなさっているようで、なおしてもまたさいはつするでしょう。かんじゃほんにんにも、ていきてきなきゅうじつをつくったり、たいきんじかんをまもらせたり、しょくじもいにふたんのないものにしたり、なるべくしんしんともにストレスのすくないかんきょうづくりをしてもらいたいとおもいます。てきどなうんどうもストレスかいしょうになりますよ。」
「これはヴィオラの管轄ね。」
あ、そういう認識なんすね、お母様。スカーレットは書類が山積みになった執務机を見て苦笑した。
「そのまえに、ヴィオラさまがやくにんびょうにならなければよいのですが。」
ストレス性胃炎の呼び名が役人病……身に覚えがある分、恐ろしい。
それからは、貴族がかかる病気ナンバーワンの糖尿病と、心筋梗塞や脳卒中など併発しやすい病気の話、癌の話などをしてもらった。原因と治療法、まず病気にならないためには何を気をつければいいか、予備知識のないお母様やドロシーにも分かりやすく説明してくれる。
西洋料理っぽいこの世界の料理、キツいよね〜。毎日はツライわ。たまに聖女が伝えた和食っぽいのも出てくるけど、天ぷらとか唐揚げとかとんかつとか、揚げ物が多くて。普通の和食はこの世界の人のお口に合わなかったのかな?
こんな食生活、糖尿病まっしぐらだよ。週末はスナック菓子をお供に昼間からビール飲みまくってた私が言える立場じゃないけどさ。
あ、お味噌汁飲みたい。東部での梅干し作りも上手くいくといいな〜。いっそのこと梅を送ってもらって、自分で作ろうかな?おにぎりも食べたいし。誰か私に海苔をくれ。
「きぞくによくあるやまいのはなしはこれくらいです。ほんじつはいじょうになります。ごせいちょう、ありがとうございました。」
スカーレットがペコリと頭を下げると、みんなで拍手。
ドロシーは退勤したけど、みんなは部屋に残って一緒にアーサーと遊んでくれた。そうそう!私が考えていたのはこういうことなの!ボール遊びに白熱し過ぎて、お風呂に入るのが遅くなっちゃった。
私の投げる取るが余りにも下手だから、みんな何故か笑ってた。最初は遠慮がちに笑ってたスカーレットまで、面白くなったのかバンバン私に投げてくるんだよね。下手なんだからこっちにボール寄越さないでよ!モノホン二歳児のアーサーより投げるの下手で悪うございましたね!
夕食も、香澄様とオースティン伯父様を御招待して、みんなで食べるんだって。
お父様、聖女特訓始まってから一度も顔を見てないけど、大丈夫かなぁ?みかんあげたあとに、おいしかったよ、ありがとうってメッセージカードもらったけど。ダスティンの交換日記には、元気に執務してるって書いてあったけどさ。
「シンシア、君の娘は本当に面白いな。」
「わたくしの娘は可愛くて賢いのよ。」
「全くだ!財部の連中にも口で負けない二歳がこの世に存在するなんて!僕はもう、楽しくって楽しくって仕方なかったよ!」
「貴方らしいわ。」
「おうひでんかとおとうさまはなかがよろしいのですか?」
オリヴィアさん、そこ聞いちゃダメ。仲がよろしくないのよ。
「わたくしとオリヴィアとスカーレットのおかあさまとオースティンは、学院での同窓生なのよ。親戚でもあるけれどね。」
「ドロシーもですよね?」
「ええ、そうよ。イヴとポーラの侍女のアガサとペネロペ、シャロンも学年が一緒なの。今回同行して来ていたから、久しぶりに顔を見られて嬉しかったわ。わたくしの元侍女も何人か同じだったのだけど、今はもう退職しているの。みんな顔見知りよ。」
あー、元御学友なんですね。復職して欲しい侍女って、その人たちのことかも。
「がくいんは、たのしかったですか?」
「楽しかった事もあったし、大変な事もあったわね。とにかく課題が多いし、特に王族と三公の家の者は成績上位でないといけないと言われて、みんな必死に勉強していたわね。」
「じぜんにうけるきょういくでさきどりがくしゅうはしないのですか?」
「していても、自分の考えをレポートにしなければならないんだ。それが大変なんだよ。先生によっては今まで提出されたレポート内容を全て覚えていて、誰かのレポートを丸写しにするとすぐバレるんだ。それが何年も前に卒業した学生のものであってもね。」
「貴方はよくダイアナのレポートを丸写しにしていたわね。」
「姉上のレポートは出来が良すぎるから、適当に抜き出してアレンジする手間はかけてたよ。上手く誤魔化せたと思ったんだけどなぁ。ジョージはよく兄上のレポートを丸写ししてたな。」
「フェリクスはジョージに甘過ぎるのよ。ホイホイとレポートを貸してしまって。」
アーテルのお母様はダイアナというのか。そんでスカーレットのお父様はフェリクス。覚えとこ。二人とも優秀みたい。
それに引き替え、あんたたちは碌でもない弟だね。
「あ!ああ、そういえば!瘴気の発生が見つかったそうだよ。東部で、瘴気に汚染された鳥の巣が見つかったらしい。親鳥は見当たらなくて、巣ごと捕獲されたそうだから、魔力遮断機に入れて明日、送られてくる。」
どう見ても伯父様は誤魔化しに入っている。目が泳いでるもん。香澄様に睨まれてますけど?
魔力遮断機って、魔力込めた聖石入れてた箱かぁ。分厚い鉄板?で作られてて、人力じゃ移動も難しい奴ね。瘴気も遮断出来るなんてスグレモノじゃん。
「貴女たち、明日は浄化の訓練を追加します。これが出来なければ聖女は名乗れません。お気張りなさい。」
「は、はい……。」
「がんばります。」
「かしこまりました。」
いよいよ浄化訓練だ!聖女って感じするね!
ちょっと怖いけど、アーテルと香澄様がいるから大丈夫だよね?
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