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悪役同盟!〜同じ事故が原因で転生した4人の悪役令嬢は同盟を組んで断罪を回避したい!〜  作者: 里和ささみ


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59 悪役令嬢は学校を作りたい

デスクワーク回です。

 特訓の後に昼食をみんなで食べて、私だけ部屋へと戻らなくちゃならない。みんな一緒の階だから、私だけ仲間外れみたい。かなスィー。


「わざわざかえりもだっこしてくれなくていいのに。つかれるでしょう?」


「ヴィオラ様こそお疲れでしょう。わたくしなら大丈夫ですよ。」


 そうは言っても二階から三階へ移動だけなんだから、廊下くらいは自分で歩きたい。でも、ここでごねるのはお姫様がしていいことではないのである。


「しかし、話には聞いていましたが、皆様優秀で驚きました。習った初日にもう御技を使えるようになるとは。シンシア様も、それは苦労なされて身につけられたというのに。」


「そうなの?」


「シンシア様は五歳で魔力訓練を始めて、御技を使えるようになったのは(とお)を過ぎた頃です。わたくしも、一応御技を使えるのですよ。」


「そうだったの!?」


「母は先代聖女の曾孫なので。ですが、治癒も切り傷程度しか治せませんし、浄化も祝福も炯眼も、まともに使えるものはひとつもありません。」


「ドロシーのまりょくりょうってどれくらい?こたえたくなかったらこたえなくてもいいわ。」


「4700ですわ。」


「そうなの。でも、せいじょのみわざをつかえるかどうかにまりょくりょうはかんけいないわよね。」


「そうですね。わたくしより魔力の少ない者でも、わたくしより上手く扱える者もおりますから。」


「おかあさまはみわざがおじょうずなの?」


「お上手ですよ。祝福と浄化を得意とされております。」


「ドロシーは、みわざをもっとじょうずになりたいっておもったりする?」


「少女の頃は思っておりました。今はもう、わたくしには向いていないのだと諦めております。」


「ねえ、あとでわたくしとまりょくこうかんしてみない?きょうのわたくしたちのはなしはおぼえているでしょう?ちょっとためしてみましょうよ。」


「魔力原子の話もちゃんと理解しておりませんのに、出来るでしょうか?」


「もちろん、さいしょからせつめいするし、わかるまでおしえるわ。もしうまくいけば、ドロシーのようなつかいてをあつめてこうぎをしてもいいかなっておもったのよ。いいかたがわるいけれど、じっけんだいになってほしいの。いちにちにさんじゅっぷんくらいでいいわ。ダメかしら?」


「ヴィオラ様のことです。伯父に相談なさるのでしょう?そうしたら、わたくしはもう断れません。」


 そう言ってドロシーは苦笑する。メラク侯爵家に嫁いだのにドゥーベ侯爵のダスティンには逆らえないの?まあ、宰相命令なら逆らえないか。


「ダスティンにはいわないわ。ドロシーにきめてほしい。」


 ドロシーは少し逡巡した後、困ったような笑みを浮かべて返事をした。


「シンシア様とマーガレットの許可が降りれば、喜んで。」



 ***



「というわけで、ドロシーがいるひはすこしだけかのじょをおかりしたいのです。ダメですか?」


「話があるって言うから、深刻な悩みでもあるのかと思ったわ。わたくしは構わないけれど、マーガレット、どうかしら?」


「午前中は難しいので、午後でしたら。退勤前の三十分などいかがでしょう。」


 ドロシーは17時に帰るから、16時半からってことだな。


「わたくしも一緒しても良いかしら?」


「え?おかあさまもですか?」


「わたくしも、何となくで使っているから、理論を知ればもっと出来ることが増えるのではないかしら?」


「おかあさまはしゅくふくとじょうかはおじょうずだとドロシーにききましたわ。つかえるのにひつようありますか?」


「わたくしの御技など、カスミ様と比べれば天と地の差があるのだもの、必要あるわ。わたくしはただ、広域に魔力を飛ばすのが少し上手いだけなのよ。」


「そうなのでしょうか。」


「だから、わたくしにも御技のことを教えてね。」


「はい、もちろん。」


 思ってもみない展開になったけど、まあ、いいかな?あ、そうだ。交換日記とは別に、魔力に関して考えた事とか実験結果を書くノートが欲しかったんだ。


「デイジー、まだつかってないノートはあるかしら?」


「はい、何冊か届けられております。それと、宰相閣下よりバインダーが返却されて参りました。至急、目を通していただくよう申しつかっております。」


 げえ、もう戻って来たの?早過ぎじゃない?しかも、至急目を通すようにって。

 楽しげにおうまで遊ぶアーサーを眺めながら、私はまた自分の椅子に座る。ご丁寧に椅子と揃いの彫刻のある踏み台までご用意してくださって、本当に我が国の宰相閣下は気が利くこと!


 渋々バインダーを開く。えー、なになに?


 〝王妃殿下より復職候補者を五名ほど教えて頂きました。〟


 案外、多かった。多くて三人くらいかなって思ってたけど。


 〝他に、王宮侍女長の推薦で、復職候補者を十五名ほど声をかけてもらう予定です。また侍女長より、専属侍女に年嵩の者がいても構わないのかヴィオラ姫に聞いてほしいと伝言を預かっております。〟


 年嵩という表現が曖昧である。年齢はハッキリ書いてくれ。王宮内だけど結構歩き回るし、御技使えるようになったらあっちこっち派遣されそうだし、なるべく若くて元気な人がいいです!と。一応、30代までと書いとくか。

 お母様より上の年代だとハタチくらいで出産してる人多いみたいだから、上の子は学院に通い始めてる人もいるんじゃない?なんかねー、お母様の年代、晩婚(と言ってもクリスマス=25歳は過ぎていない)が多いらしい。貴族の女子は大体学院卒業したら家庭に入るって言うからさ。働いても二〜三年くらいらしい。そして侍女か家庭教師になる、と。女騎士は騎士科行ってないとなれないから除外。


 しかし、手紙であっても姫って呼ばれるのこそばゆいね。侍女長が言った言葉そのまんま書いたんだろうけど。朝イチで読んだ日記の字より走り書きっぽいから急いで書いたのかな。ゆっくりでいいのに。


 あ、治水工事に関してだ。地図は戻って来てないな。


 〝工部と財部の者が殿下と話がしたいと申しております。明日午後二時に第三小会議室にいらして下さい。〟


「はあ!?」


 おっと、思わず出てしまった。みんなの視線が痛い。バッチリ聞かれてたみたい。テヘペロ☆


「あ、あの、あす、ごご2じにだい3しょうかいぎしつにくるようにとあるんですが……。」


「話は聞いています。力になってあげてちょうだい。」


「は、はい……。」


 お母様にそう言われてしまったら文句が言えぬ。


 気分を変えよう。デイジーに新しいノートという名の、紐で括られただけの紙の束を出してもらって、今まで魔力について考えた事を書き連ねて行く。

 あっ!そうだ!魔力量の検証!レナードに話すのすっかり忘れてた!!


「デイジー、レナードにめんかいしたいとつたえてくれない?あすはむりだけど、それいこうならいつでもいいわ。じかんはごご2じで、ひにちはあちらのつごうのよいひでかまわないから。」


「かしこまりました。」


 とりあえず、魔力量の検証方法について書き出してみよ。そうそう、血筋が近くて、体格も近くて、魔力量に差がある人たちで検証したいんだった。誰かいるかなー?騎士団で探してもらおうかな?魔力オタクの()があるレナードなら草の根分けてでも探して来てくれそう。何グループかいればいいんだけど、そうそう都合よくいかないよね。


 あと、そうだ。いちいち口で説明するの面倒だから、参考書が作りたい。中学レベルの化学でいいから、元素の話だな。原子と分子、単原子分子にも触れとくか。ああ、聖女の魔力と瘴気の正体についても推論を書いとこう。

 原子核の話が大事だね。電子、陽子、中性子、と。例はよく説明に使われる水素でいっか。わあー、小さな丸がちゃんと描けないぞ。ま、いっか。どうせ誰かに清書してもらうんだから。


 製本してもらったら、託児所で使ってもいいかもしれない。そっか。託児所の教師にも協力してもらって、魔力訓練に取り入れて貰えばいいんだ!成長期に叩けば叩くほど伸びるのが本当かどうかも検証したいし。あ、でも、お父様たちがこの方法、まだ広げたくないって言ってたなぁ。

 とりあえず、そこもダスティンに相談してみよう。交換日記に書いといて、と。託児所使用のために契約書にサインしてもらうんだし、その時に守秘義務を課せばいいよね。どうせ学院に入るまでは親戚以外そんなに貴族の子ども同士の交流ってないっぽいし。


 教師の質は一定にしたいし、事前に研修を受けてもらおう。あ、ていうか、貴族の基礎教育って何するんだろ?書棚にはぱっと見、教育に関する資料がなかったんだよなぁ。

 時間割も考えなきゃ。運動も大事だよねー。私は嫌いだったけど。貴族なら乗馬?社交ダンス?うーん、あと何だろう?


 ぬー。ノートに見出しがないから使いづらい。後で考えた事を探すのが面倒臭い。


「デイジー、もういっさつみしようのノートだしてちょうだい。」


「どうぞ。」


 デイジーにお願いしたのに、何故かドロシーに手渡された。


「デイジーは通信室に行っておりますよ。」


 そうだった。レナードに連絡してくれって言ったんだった。


「ドロシー、わるいけどこのノートのひょうしにたくじしょけいかくしょってかいといてくれない?」


「わたくしでよろしいのですか?」


「ひょうしがこどものへたなへにょへにょもじだと、やるきがおきないんだもの。」


「かしこまりました。」


 ドロシーに苦笑された。だって、私の字、カッコ悪いんだもん!!


 あー、パソコン欲しいパソコン。せめてワープロ。文字だけでも楽したい。ワープロ、おじいちゃんが持ってたんだよね。小学生の頃にはパソコンになってたけど。


 表紙にタイトルを書いてもらったので、託児所についての詳しい提案を書いていく。一クラス30〜35人と思ってたけど、前世を思い出せば目が行き届いていたとは言えないよなぁ。20人くらいに収めとくか。んで、教科担任制。預かる子どもが少ないうちは、教師一人で複数の教科を担当してもらうことになるだろうけど。

 算数、国語、理科、社会、体育、音楽、図工、道徳。小学生の授業ってこんなもんだっけ?あとは魔法を入れればいいのか。

 ここまでやったら託児所じゃなくて学校だよね、ホント。


 5歳くらいの子は、遊びの中に色々取り入れて、と。粘土とか、はさみの使い方とか(この世界はさみあるかな?)、お絵描きとか。手先指先を意識して使うのは、きっと魔力訓練にもいいよね。


 運動は、何してたっけなぁ。マット運動くらいしか思い出せない。前転後転開脚前転、とか?あ、どれも真っ直ぐ転がれなかった黒歴史が。と、とにかく!全身を意識するってことでマット運動は大事だね。あと鉄棒?とびばこ?

 あっ、なわとびもやった気がする。あれは何に良いんだろう?大縄跳びでいつも引っかかるから、すみれちゃんのせいだーって男子に文句言われたなぁ。よく覚えてるなぁ、私。


 音楽だと歌だけじゃなくて、合奏とかもやるよね?そういえば、従姉妹の子どもはリトミックやってるって言ってたな。リトミックって何さ?リズム遊びみたいなやつとは聞いたけど。

 アーテルなら知ってるかな?日本で子育て経験あるんだし、参考にさせてもらいたい。


「ねえ、ドロシー。むすこさんのきょういくっていまどんなことやってるの?」


「アルファベットの読み書き、数字の読み書きと、魔力訓練はようやく自身の魔力を感知出来るようになりました。」


「それは、ふつうのしんど?だれがおしえてるの?かていきょうし?」


「いえ、家庭教師は雇わず家令が教えております。進度は……普通より少し遅いですね。まだ書くことが上手く出来ませんので。」


「そうなのね。ああ、そうだ。ちょっとこれよんでみてくれない?きそきょういくがどんなものなのかわからないから、いけんをききたいの。」


「拝見致します。」


 今のうちに交換日記に基礎教育についての質問書いとこ。ドロシーの意見を聞いたら修正して、計画書も一緒にダスティンに見てもらえばいっか。鉛筆と消しゴムじゃないから消せないのが辛い。色インクも欲しい。いや、やっぱりパソコンをくれ。ギブミーパソコン、プリーズ!


「ヴィオラ様。」


「なあに?」


「遊びの中に訓練を取り入れるのですか?」


「そうよ。じぶんでまりょくくんれんをやってみてわかったけど、じぶんのからだのことをわかっていないとまりょくじゅんかんもうまくいかないのよ。だから、うんどうやこうさくをとおして、からだをつかうことにならしていくの。じぶんのからだのさいぶまでいしきすることができるから、まりょくくんれんにもいいんじゃないかとおもってね。」


「はあ、そのようなこと、考えたこともありませんでした。これはわたくしの息子でも受けることが出来るのでしょうか?」


「うけいれは5さいからだから、かまわないわよ?したのこはおいくつ?」


「三歳です。」


「さすがにていねんれいのこをうけいれるほどすぐにひとをそろえられないから、うえのおこさんだけになるけど、いいかしら?」


「ええ、勿論ですわ。」


 よっしゃ!利用者一名ゲット!セプテントリオの次期当主の子息も通う予定だって聞いたら、イメージ良くない?しかも宰相の姪の子どもでもあるし!

 あ、でも、これだけは確認しとかなきゃ。


「りようのさいのちゅういじこうのところはよんでくれた?」


「はい。わたくしとしては問題ございません。学院でも学生は皆平等であると謳われておりますし、同じことだと思いますわ。」


 ふーん、そうなんだ。でも、学院って敷地同じでも基本男女別学なんだよね?式やイベントなんかは一緒だけど、授業は別のはず。なのに、攻略対象がヒロインの世話を甲斐甲斐しく焼くから、女生徒に嫉妬されるんだよね〜。みんなお近づきなりたいの我慢してるのに、あの子だけずるい!みたいなね。いや、そもそも攻略対象は婚約者いるからね。


 未来のこと考えると憂鬱になってくるからもうやめよ。


 交換日記に、ドロシーの息子も託児所希望って書いとくか。良い宣伝になるんじゃないの〜?

 今日もいい仕事したわ。バインダーと計画書はドロシーに預けたし、デイジーも戻ってきたから、もう昼寝しよっと。

お読みいただきありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
きつい。話しは面白いと思うのですが、ひらがな台詞が長文でずっと出てくるのは読みづらくてきつい。ちょっとひらがなじゃなくなるまで読み飛ばそうかとも思ったのですが、結構先が長くて終わらなくてギブアップです…
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